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恋を咲かせる秘密のレシピ。  作者: しっちぃ


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友情とはどう違う?

 見守ってくれなくていいって言われたけど、ホームルームが終わってすぐに夏樹ちゃんのクラスに行く。こっそり覗いてみると、二人で何か話してるのがわかる。……なんとなく、いつもと違う雰囲気。告白してきた子とお話してるんだろうな。

 ……ごめんねは、ちゃんと言えたみたい。泣かせちゃったの、なだめてるのも、絵になっちゃうからすごいよな。そんなんだから、夏樹ちゃんに恋しちゃう子がいっぱい出ちゃうんだよ。見た目もアクティブで、それなのにキレイで、かっこいいし、優しいし。


「美咲……、もう、見守んなくていいって言ったのに」

「……ちょっと心配だったんだよ、優しいから、ちゃんと言えるか」

「私だってそれくらい言えるって、気にしてくれたのはありがとうだけど……っ」


 教室から出てきて、私を見つけたとたんに駆け寄ってくる。普段は、ちょっとかっこいいのに、私の前だとかわいくなる。抱きついてくるとことか、弱いとこ、見せてくれるとことか。距離感だって、いつもとさして変わらないのに。……恋人同士だって思われてるんだなってと、なんとなくドキドキしてくる。これじゃあまるで、見せつけてるみたい。

 

「……やっぱり、美咲に頼んでよかったな」

「どうかしたの?」

「私と美咲はもう付き合ってると思ってたってさ、……同じクラスだし、いつも一緒にお昼食べてるのも知ってたみたいだし」

「友達っていうには、ちょっと仲良しすぎるもんね、でも、これならしばらく夏樹ちゃんも安心でしょ?」

「まあ、そうかな……、それはそれで大変そうだけど」


 声を抑えて、耳元でささやき合う。恋人のフリだって、自分たちからバラしちゃだめだよね。


「……とりあえず、ちょっと離れよ?なんか見せつけてるみたいになっちゃってるから」

「あ、ごめん、そうだったね」


 慌てたように離れる夏樹ちゃんの顔、ちょっと赤くなってる。もう、これじゃ、本当に恋人どうしになっちゃったみたいじゃん。……これからもいつも通りでいいとか、簡単そうに言ってたけど、そんなの無理かも。

 今日は部活もないから、そのまま昇降口のほうへ。いつも通りに戻ったはずなのに、どこかそうじゃないような。


「……これでもう、後戻りできなくなっちゃったね」

「内緒にしてって言ってるけど、どうしたって噂にはなっちゃうよね……、美咲だって慕ってくれてる子いっぱいいるわけだし」

「あはは……、お互い大変だね」


 女の子は恋に敏感な生き物だもんね。私たちみたいなのは、ちょっと珍しいのかも。恋なんてものには縁がなくて、夏樹ちゃんなんてそこから遠ざかろうとしてて。だからこそ、『恋人』のふりをしないといけないって、神さまって意地悪だよね。

 帰り道、並んで歩く距離、いつもより、なんとなく近いような。

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