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エンティティ  作者: ザババ
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不知案内

こんばんは、ザババです。

書置きしてあった分なのですぐの投稿でした。なので、作家としてのレベルは第一話と同じ1Lvですのでまた読みずらい文章になっているかと思います。ファイトです。


目が覚めた燎はまず左右を確認した。特に意味はない。どうしようか考えて何も浮かばなかった、というだけの話だ。

取り敢えず起き上がろうと、腹筋に力を入れる。と、ふと下腹部に重みを感じた。重みのする方へ目をやるとそこには見覚えのある女性が寝ていた。

「い、一条さん…?」

油断した。目頭が熱くなってきた。これが夢か現実かもまだ分からないというのに。

「ん…あ、起き…」

反省はしている。我慢出来ずに一条さんを抱き寄せてしまった。

「良かった…生きてて良かった…ごめん、一条さん…」

喜んだり泣いたり謝ったり忙しかった。でも本当に、それくらいいろんな感情が溢れ出てしまってつい抱きしめてしまった。まさかの行動に自分でも驚いている。

すると、一条さんの後ろくらいから聞き覚えのない男性の声が聞こえてきた。

「お~お~、覚醒早々お熱いねぇ。おじさんこの空気邪魔しちゃ悪いから退散しようかね~」

既に邪魔をしていることに気が付いてないのだろうか。いや、この後どうしようか悩んでいたから丁度いいと言えば丁度いいのだが。

「隊長。笑えない冗談です。次言ったら斬ります。」

僕からしたら一条さんの方が余程笑えない冗談なのだが……

「篝、院内だぞ。物騒なことを言うな。隊長もです。まだそんな歳でもないでしょう。」

一条さんの冗談(?)に苦笑いしていると更に後ろから、もう一人の男性の声がした。

「奏多燎くんだね。身内が騒がしくしてすまない。それと、君を巻き込んでしまったこと。重ね重ねお詫びする。本当にすまなかった。」

とても真面目な雰囲気の男性だった。スーツがよく似合いそうな感じの先程の一人目の男性とは正反対の様な人だと思った。

「私も改めて、本当にごめんなさい。迂闊だった。貴方を巻き込んでしまった。」

そこで、ハッとした。幽かな記憶、自分が気を失った時一条さんも気を失っていたはず。ならあの巨漢はどうなったんだ。と。

「あ!あの!その…あの時の巨漢はどうなったんですか?確か、僕も一条さんも気を失って…そこからどうなったのか」

「あ、あぁ。そう…だな。あの後、多分君が気を失ってすぐに俺達が現場に到着したんだ。それで、あの巨漢も倒しておいた!だから大丈夫だ!」

一条さん達に「隊長」と呼ばれていた男性が僕と一条さんが無事なのが何よりの証拠だな。と笑いながら答えてくれた。

「あぁ、そうだ燎くん。その時のことで君に話しておきたいことがあるんだがいいかな?」

「あ、はい。僕も、聞きたいです!」

そうだ、気になることが山ほどある。あの巨漢や、一条さんのことも。

「まず、君が見た巨漢。あれはある組織の構成員だ。その組織に関してはおいおい話すが、そうだな。まずは我々の事から話そうか。まず我々は「エンティティ」政府公認の極秘組織のメンバーだ。」

「極秘…組織…」

息をのんだ。カッコいいとか思ってしまった。

「そうだ、そしてそれが何をする組織かというと…燎くん。君の知っている「人間」とはどういう存在だろう?」

「「人間」という、存在…?えっと……どういう…?」

本当に意味が分からなかった。答えというか質問の意図が。

「君の知っている人間は、料理をするね?どうやって?火を使って?火はどうやって出す?」

「えっと、コンロとかを使って火を出して料理、ですかね…」

「では、コンロを使わず火を出す…なんて人間を知っているかな?自分の手から或いは自分自身に火を纏って辺りを焼き尽くす人間…」

「あ!あの!あの、言っていることの意味が分かりません!一体どういう、何の意味があるんですか!?」

「我々は、そういった人間を相手にする組織だ。」

「………は?」

頭が痛くなってきた。この人は何を言っているんだろうと。知らない人にからかわれるのはいい気分ではない。

「私達が貴方のこと、からかってると思う?」

…突然、人の心を読まないでほしい。

「人の心を読むなって?」

「なっ!?」

「冗談。今まで同じ話をした人は皆同じ反応をしたから。心なんて読んでないわ。」

本当に心臓に悪いのでやめてほしい…

「心臓に…」

「もうわかったから本当にやめてください」

「ふふっ」

あ、一条さんが笑っているの初めて見たかも。

「話を戻そう。実際、この世界に存在している九割以上の人間がさっき燎くんの言ったような人間だ。だがしかし、残りのそうでない一割以下の人間。特殊な力を持った人間がこの世界には確実に存在する。」

「そして、君がその存在を知らなかった様にその存在は公のものではない。そして、普通の人間の一部が犯罪を犯すように、普通ではない人間の中にも犯罪を犯す者達がいる。だが、彼らの存在は極秘。存在的にも危険性的にも通常の警察等の機関では対応出来ない。だから、我々「エンティティ」が警察等に代わって処理をする事になっている。そして彼らの様な、能力を持っている者達のことは「フリーカー」と呼ばれている」

「「フリーカー」…」

「簡単に言えば異形の者ってことだ。」

「でも、その力以外は普通の人間と変わらないんですよね?他に言い方が…」

本心だった。実際あまりいい気分ではない。

「そうだな。だが、母数が圧倒的に少ない俺達は、結局圧倒的に多い所謂「普通の人間」と比べたら確かに奇妙な存在とみられても仕方ないのかもしれないな。嫌な言い方であるのには変わりないから基本的に使わないな。俺達は簡単に「能力者」と呼んでいる」

「俺達…?」

「ああ、俺と篝は能力者だ。んで、副隊長のこっちは……あれ?自己紹介したっけ?」

突然だった。言われてみれば確かに、一条さん以外名前も知らない。

「して、ないですね。」

「あ~、すまん。じゃあ取り敢えず名前だけ、俺は「烏丸刀也」そしてこっちが…っと篝のことは知ってるんだったな。じゃあ飛ばして、そっちの生真面目そうなのが「大柄竜胆」だ。よろしく!」

「生真面目は余計では?改めて燎くん、「竜胆」です。よろしく。」

「よろしくね」

突如始まった自己紹介は一分も経たずに終わった。

「話を戻そう。そう、で俺と篝は能力者で、竜胆は「無能力者」まぁ、こんな仕事をしてるが能力を持たない普通の人間だ。」

「能力を持ってなくても大丈夫なんですか?危ないんじゃ…」

「うちの副隊長はそこら辺の能力者の倍は強いよ。安心しな!それに、何か能力に目覚めてなければこの組織に入れないってんなら君のことを殺さにゃならんからな!」

「はぁ、なるほど。とてもお強いんですね……………え?」

突然の殺害予告に動揺を隠せない。殺す?僕を?

「ん?」

何かおかしいことを言っただろうか?みたいな顔をするのはやめてほしい。意を決して聞いてみる。

「あの、殺すってどういう…」

彼は何事もないかのように答える。

「あぁ!そりゃあね。言ったろ?「極秘」だって。今日、君が聞いたことは全部極秘中の極秘。そんな秘密を外に漏らされたら困るわけ。だから君が外部に漏らさないように、俺達の組織に入るか。断るなら口封じをせにゃならん。分かる?」

「組織に入るか、殺される?」

「そう。」

もはや二択ですらない。他に選択肢なんか無いので、渋々僕は言う。

「何か手続きとかってあるんですか…?」

 

改めまして、ザババです。

前述のとおり書置き分なので拙い文章だったかと思います。完読お疲れさまでした。

もしまた感想などありましたらよろしくお願い致します。

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