第三試練02
「第三次試練は協力戦です。各部屋の各パーティーは協力しあってクリアしてください。人数によって難易度は異なり、早くクリアした上位三部屋が第三試練クリアとなります。それでは十分後スタートとなりますので、扉から試練場にお入りください」
御影達は試練場に入る。中は円形のホールで、広さはバスケットコートほどある。
「ここどぅこぉ」
「おっちゃんありがとぉ、もう降ろしてくれぇ」
デールはまだ眠いのか、目をこすり、ロッポは顔をぱちぱちと叩き眠気けを覚ましていた。
「ここは第三試練会場だ。俺から離れるなよ」
「ちゃーい、わきゅたぁ~」
「おう、了解だ」
デールは楽しそうにきゃっきゃと手を挙げ、ロッポはふんすと気合いを入れる。
「ほどほどにな」
周りの視線が痛い。
やはり子守は大変だと御影は精神的に疲れを感じながら、気を引き秘める。
時間となり。
「三の部屋:開始人数九人:難易度九を開始します」
ふぅ~と御影は息を吐く。時間との勝負だ。負ける気はないが、油断は大敵だ。最高速でいく。
「難易度九:星降り、落ちてくる罠を避け、各地に散らばっているあるものを拾い集めてください」
カウントダウンが始まる。
「俺の肩に乗れ」
「らじゃ~」
「分かったよ」
ロッポとデールは御影の肩に捕まり、御影は落ちないよう風の糸で固定する。
今回は両手は使うため、万が一に落ちないようにするためだ。
「うきゃうきゃだ」
デールが手を離してはしゃぐ。デールから見てみれば宙に浮いている。
「駄目だぞデール、遊びじゃないんだ」
ロッポは注意する。
「だってぇ~」
デールがぐずり出す。
「泣くな、いいか、少しの間黙っていたら、特等席で良い景色を見せてやる、良いかシーだからな」
ロッポも泣くとは思わなかったのでたじろぎ、時間もなかったので、口元に人差し指を当てデールの方に振り向く。
「しぃーーー」
デールは途端に笑顔になり、御影の真似をする。
そして御影は思う。
舞先生が見ていたら、絶対笑っているだろうと。
「3、2、1スタート!」
上からまずは槍が降ってくる。
場所はランダムで、スピードは百六十キロほど、三秒で地面に到達する。
御影はホール全体を視ていた。
槍を避けながら、目的の場所まで移動する。
どうやら一つ取ると一つ出現するみたいだな。
風を纏い、一瞬で到達してA四の紙を手に取る。
「キーワードを叫べ、違う言葉を叫んだ場合は失格。一文字目『こ』」
何文字あるか分からないが、成る程と御影は思う。全部知ってないとクリアできない。協力しない限りは、クリア時間が長くなる。
「避けることに集中しろ、ある物はここをクリアするキーワードだ。俺が全部とる!」
「了解だよ」
「了解しました」
花と蓮の言葉が返ってくる。
キーワードを取る毎に、降ってくる物が変わる。
どんどん凶悪な物へと。
「はいよぉーしるばぁー。」
御影の頭を叩きながらデールは楽しそうだ。デールにとっては、まるでジェットコースターに乗っているかのようだ。なにをやっているか分からないデールは、新しいおもちゃに乗っているかのような感覚だ。
二文字目は『の』三文字目は『せ』。
やはり、蓮と花以外は大したことはないな。
キーワードを取りながら御影は冷静に分析する。
対戦しても、今日子やニャルコの敵ではないと。
御影以外は避ける事に集中しているが、全部避けきれていない。
その度、御影が罠を飛ばしたり、防御魔法でアシストしている。
四文字目は『か』、五文字目は『い』。
降ってくる罠も致死性の物に変わっている。
六文字目の罠は王水だった。
そして、なんたる甘ちゃんだ。
守ってくれると分かると、集中力がきれ、ミスを連発する。
本来なら致死性で当たれば死ぬ。少し振れただけでも溶ける。
その激痛は耐え難いものだ。魔法と気を維持できないほどに。
必死に避けているのは花と蓮だけで、先ほどまでは注意していたが今は他のメンバーをたしなめる余裕もない。
すでに破滅の十二人がクリアしている。
急がないとな。御影はさらに加速する。普通の目なら追いきれないスピードで。
六文字目は『く』、七文字目は『る』。
そして最後の文字は『る』。
御影は見た瞬間叫ぶ。
「この世界は狂っている」
「お疲れさまです。第三試練はクリアされました」
第三試練は終了を迎えた。
頑張れよ今日子、ニャルコ。
第三試練:クリア部屋二:クリア人数十四人。