第三試練01
「第二試練が終了しました。クリアしたチームは光っている扉より第三試練に進んでください」
脱落したチームが消えていく。
御影達は片づけが終わり、御影がうとうとしているちびっ子二人をおんぶし、義理はないが、気絶しているもう一つのパーティーを起こしてあげ、二チームは光扉を開ける。
罠はないみたいだな。
五つの扉があり、三つはクローズで二つ扉の前には。
各パーティー最大三人(最高収容パーティー四組)
各パーティー最大二人(最高収容パーティー六つ)
と表示されていた。
ちなみに他の三つは
各パーティー最大五人(最高収容パーティー二組)
各パーティー最大一人(最高収容パーティー四組)
各パーティー最大四人(最高収容パーティー三組)
と書かれていた。
「このまま俺は三人部屋の方にいく。おそらく例の人物達は五人部屋にいる。くれぐれも死ぬなよ」
一つの部屋だけ死臭がする。破滅の十二人がやっったのだろうと。
パーティーで反りが合わなかった場合、二人部屋に入ろうと、今日子と二人で話し合っていた。
しかし、状況が変わった。ニャルコと戦えない、子供二人。戦力を鑑みて、今日子と分かれる事にした。
「影さん、そっちこそ死なないでほしいっすよ」
「にゃー、次の試練で会おうにゃー」
三人拳をあわせ、部屋に入る。
まさかここで会うとわな。
そこに居たのは、花と蓮とそのパーティー。
奇しくも、フェイルゲームを争う三チームが同じ部屋となった。
「子守とは、良いご身分ですね」
「そうですね、ともあれある意味心強い限りです」
蓮は担いでいる二人を皮肉り、花は明らかにほっとしていた。
「短い間だがよろしく頼む。分かっていると思うが、担いでいる二人は非戦力だ。その分俺が働く。そっちはもう一つは二人パーティーか」
「僕はそうですが、あっちの方は一人部屋に入りました」
御影は厳しい表情をする。
「そうか、俺のパーティーは二人部屋だ。こことおそらく二人部屋と五人部屋が残るだろう。だからと言って、ここを落とすことは考えてないよな」
確認の意味合いで御影は花に質問する。一人減ったことには触れなかった。
それが冒険者の暗黙の了解だからだ。
「分かってます。もう一つの部屋に行ったのは助っ人です。この部屋にいるのが主力ですからおきになさらず」
慕っていたものがなくなった後だというのに、花は気丈に振る舞う。
「五人部屋にいるのは誰ですか。仄かに死臭がして、話し合いで、二人と三人に分けたのですが」
蓮は知らなかった。五人部屋にいるサイコパスの存在を。
知っていると思っていたので、御影は少し驚く。相手パーティーに同様がはしると思うので知らない方が幸せだと思ったが、それで殺されるのは、余りに報われないと考え直す。
「おそらく『破滅の十二人』に所属しているメンバーだ。第二試練で異様に早い一パーティーが突破したのがそうだ。第三試練の待機部屋でも同じように相手パーティーを殺している。協力だとか関係なく、敵は殺す。そういう相手だと覚悟しといたほうが身のためだ」
どこで当たるか分からない。ここは共闘するが、次の試練からは敵同士だ。どっちに殺されるか分からないが、御影は容赦しない。
おそらく、今回送り込まれた、破滅の十二人の人物達はⅪやⅡの様に、話が通じそうな相手ではない。一瞬で死ねればいい方だが。
蓮の顔が青くなる。
聞かされてなかった事実、仲間を見ると、知っている様だった。それは花達の陣営も同じだ。
「知っていなかったのは僕だけみたいですね。僕は天音の手の平で踊らされていたピエロだったようです」
蓮は上を見上げる。悔しさがこみ上げてくる。
どこまで虚仮にすれば気が済む。それを聞いたら怖じ気付くと思っていたか、ふざけるな。僕の心は意志は、お前なんかには渡せない。
「心配するな。天音は俺が必ず潰す」
そんな蓮に、御影は淡々と口にする。その頼もしい言葉に、蓮は目を細める。
天音に引導を渡せるのは。
「そんなことはさせません。私が必ず、ここで貴男を止めて見せます」
花は御影を睨みつける。
やはり御影は天音様にとって危険です。私の命を懸けて必ず。
三者三様の決意表明。
時間になり。
「時間になりました。第三試練の説明にうつらさせていただきます」
第三試練が始まる。




