表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
195/238

海にて16~最高級エリア07~


 着いた時には美夜は既に起きており、傷も舞先生が治しており、外傷は全く見えない。


 良かった。


 とりあえず上手くいったみたいだ。


 上機嫌の舞先生の表情から、御影はそう判断する。


 ちびっ子五人組は誰もいないプールに突撃し、雫と風花と翼はプールサイドで涼み、玲奈とカティナは、事情を聞くため御影と一緒に舞先生の所に向かった。


 天音達を見たとき、玲奈は驚いた。まさかここにいるとは思っていなかった。


 玲奈から見た天音はいつも忙しいイメージで、ここにくる時間なんてないはずだ。完璧超人で非効率的な事を嫌う。


 だから理由が知りたかった。既に玲奈は学園長派や天音のクラブから離れ、部外者になったが、どうしてここにいるのかを。


「無事だったみたいですね。美夜は大丈夫か、なにがあった?」


「ごめん、師匠。生徒会長達に囲まれて太刀打ちできなかった。癒杉先生がこなかったらどうなっていたことか」


 反省している美夜を見て、じと目で御影は舞先生を見るが、舞先生はしれっとしていた。


 美夜が攻撃される前からいた事は言ってないのだろう。


 仕方ないな全く。御影が言ったところでしらばっくれるだろう。


「天音さん達はなぜ来たのでしょうか」


 玲奈が疑問を口にする。


「分からない、突然囲まれて襲われたから」


「私は知らないぞ」


 天音と対峙した二人はそう口にする。


「わたたたし、が知っているるすよ。なんででもクラブ派と学園長派の結束を高めるためと、書記さんの発案だったらしいいよ。書記さんは今度どんどの『フェイルゲーム』に参加するららしく、生徒会長との思いで作りとして来たみたいすすよ」


 いつの間にか現れた今日子が、メモ帳片手に話す。


 カティナと玲奈は驚いて、びくっとなるが、舞先生と御影は気付いていたため、驚いた様子はない。


 ようやく、御影にも見えてきた。玲奈達も納得したような表情だ。


 おそらく美夜を襲ったのは突発的事だろう。


 クラブ派と学園長派の関係はここ最近悪化している。クラブ派トップ代理の団と関係を修復し、今回の『フェイルゲーム』以降もいい関係を気付きたいのだろう。


 そしてたまたま美夜を見つけて反抗に及んだ。こんな所だろう。


 突貫だったとはいえ、あまりにもお粗末な作戦だったと御影は思う。


 美夜一人で来ているわけでわない。当然御影も来てるし舞先生も来ていると思うのが普通だろう。生徒会長の天音がそこまで考えてないとは思えない。


 なら何故こんな事をしたのか。


「信じられませんね。天音さんがこんな短絡的な犯行に及んだことが」


 御影の疑問を玲奈が代弁する。玲奈にとっても信じられなかった。玲奈が知っている天音なら、絶対にやっていない。これじゃあまるで一昔前の自分のようだと。


「それほど、御影が怖いのだよ。仲間になれば分からないが敵からしてみたら、これほど不気味な人物はいない。武力なら適わないからなのだよ。考えてもみてくれたまえ、今までの起こった事件から実力を鑑み、おそらく生徒会長は自分よりも強いと思っているのだろう。絡めても真っ正面からでもことごとく潰される。キューブ事件は生徒会長にとってもチャンスだったが、それも無事終わり、絶対に勝たなければならない、次の『フェイルゲーム』に御影が参加すると仮定してシュミレーションした結果、勝率は絶望的だった。クラブ派学園長派連合は選定もままならない状況。生徒会長の精神もすり減っていたのだよ。短絡的反抗に及ぶぐらいにね」


 近くにいた種次が自分なりの推論を言う。生徒会内のパワーバランスや一の躍進は言わないままに。


 そんな種次を、意味深な目で玲奈は見ていた。


「舞先生はどういう契約をしたんですが」


 確信を持って、御影は言う。


 なにもせず天音達を返すなどあり得ないからだ。


「憂いを断ったということだけ教えておくぞ。話はこれで終わりだ。ここは、後一時間ほど『貸し切り』らしいから、好きに遊ぶといいぞ」


 悪戯な笑みで舞先生は話を締めた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ