表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
193/238

海にて14~最高級エリア05~


 現れたのは舞先生。


 気配から学園長派や、クラブ派のメンバーが集まっていて、そこに美夜の気配があり、駆けつけた。


 このタイミングでの登場は偶然ではなく狙ってやったものだ。


 着いた段階では言い争いの最中だった。


 気配を消し御影から教わった隠蔽魔法で隠れ、言い逃れのできない証拠がでるまで待機していた。


 そして、『証拠』ができこうして姿を現した。


 御影も察知していたが、舞先生がその場にいると分かったため、任せた形だ。


「よくもうちのクラブメンバーをやってくれたな。この落とし前、どうしてくれるぞ」


 美夜を撫で。


「よくやってくれたぞ。後はまかせろ」


 天音達と対峙する。


 この場で治すことはできない。美夜は安心したように、保っていた意識を失った。


 今回の功労者は間違いなく美夜だ。美夜の口の堅さと、屈しない心が相手側の実力行使という実を結んだ。


 御影は言っていた。危なくなったら遠慮せず言ってもいいと。しかし美夜は言わなかった。御影の不利に繋がると思ったからだ。


 ことここにいたっては、それが舞先生の有利な状況に繋がった。


 そしてチャンスから一転不利に陥った天音サイド。


 天音達は驚く。誰一人として、舞先生が何時きたのすらも分からなかった。


 天音は頭の中で考える。


 思考はフル回転だ。


 監視カメラは押さえています、人も出払ってますし、ここにいるのは信頼できるメンバーのみ、証拠はないはずですが。


 そこら変は抜かりはなかった。短時間で、それだけ手配した。恐るべき行動力と決断力だ。


 伊達に生徒会長をやってない。


 しかし、今回は舞先生が一枚上手だった。


「ここにばっちり証拠が映っているぞ」


 人の悪い笑みを浮かべながら舞先生が見せたのは、魔法カメラ。


 天音は舌打ちしたいのを堪える。


 一部始終を撮られていたという事だ。


 失態だ。頭を鈍器で殴られた気分。気付かなかったのは天音の落ち度だ。


 団は気配を察知するのが得意ではなく、花は美夜を相手取っていたため、天音が気付くべきだった。


 隠蔽魔法のことは天音も知っている。表には伝わっていない裏の魔法、禁術に指定され、舞先生は使えなかったと記憶していた。


 誰が教えたかは天音は分かっている。というか、消去法で言えば一人しかいない。


 本当に忌々しいですね、御影友道。


 どこからか現れた転入生。御影が来る前は、生徒会長として盤石だった。学園長派は五大派閥の中でも最弱の部類だが、安全圏にいたし、一派に隙を見せず押さえつけていた。


 御影が来てからだ、綻びが見え始めたのは。


 まず学園長派が窮地に陥った。


 今は解決したが、一時は十枚をきり、他派閥から狙われていた。


 次に信用だ。玲奈が問題を起こし、一に付け入る隙を与えてしまった。気付いていたが、部下に任せ七月のフェイルゲームにかかりっきりとなってしまったため、気付いたときには生徒会内でのパワーバランスが逆転していた。


 そして何より玲奈の脱退が痛かった、


 せっかく、根回しして、『貴族派』に悪印象を植え付け、こちらの派閥にくるよう誘導したが、一番肝心な時に逃げられた。


 言葉のチョイスをミスしたが、御影が来なければ最低でも抜ける事はなかったはずだ。


 どうする。


 学園生を攻撃した映像はまずい。相手に落ち度はなく一方的に攻撃していたため弁解の余地はない。これが学園にばれれば、生徒会長としての地盤が揺らぎ、人気が低下し、さらに一派の優位になる。


 全部映っていると仮定して、狙いは何だ。見せてきたという事は交渉の余地があるという事だ。


「用件を言ってください」


 そういう他なかった。例え両派閥全員を集め、舞先生と戦闘した所で負けるのは目に見えている。自分達が不利になるだけだ。


 それよりも、素直に要求を聞くのが正解だと天音が考えた末の結論だ。


 そんな優等生ぶっている天音を嘲笑し、舞先生が口を開いた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ