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海にて10~最高級エリア01~


「はぁ~至福のひと時っすね」


 寝椅子に仰向けに寝転がり、今日子はトロピカルジュースを啜っている。


 最高級エリアは、全てのサービスや施設が無料だ。


 あちこちにいる最高級エリア専用のコンシュルジュに言えば、大抵の物は揃えてくれる。


 高級エリアまでは遊び目的でいる人が多いが、最高級エリアのコンセプトはゆったりとしたバカンスだ。


 海に入っている人は少なく、大抵の者は、今日子と同じ寝椅子でくつろいでいるか、日焼けスペースで、肌を焼いているか、専用プールでゆったりと過ごしているかしている。


 誰もいないので、完全にオフの状態で、口調も素だ。


 ずっとこのまま続けばいいっすけどね。贅沢なことだがずっとだらだらと過ごしていたい。


 タンキニ姿は最高級エリアでは場違いで、行きゆく人たちから、異分子で場違いな今日子に対し、嫌悪の視線を送られているが、それを気にするほどやわな精神でわない。


 ぐでぇーとアイスの様に溶けているみたいだ。


 何で御影といるんっすかね。


 今日子はそんなことを考える。


 出会いは最悪の一言だった。


 ギーレンの指示で御影に近づき、今日子が思った印象だ。


 考えている事が読めない、スラムの重鎮を相手しているようだった。


 そのくせ、『ちょっと』したお茶目を発揮すると、すぐに鉄拳制裁だ。


 こっちも、ギーレンの指示で、『仕方なく』やっているだけなのに酷い話だ。


 交換条件と称して無理矢理あちこち連れ回された。


 私は人間○ィキじゃないっすよ、全く。


 そのくせべらぼうに強いから始末に負えない。


 七月の事件では殺し殺される仲だった。


 今日子は本気で御影を殺しにいった。


 結果、返り討ちにあって、精神を壊されかけた。


 御影は敵に対しては容赦しないことだけは今日子は十二分に理解した。


 もしギーレンが助けてくれなかったら今日子は精神を壊されていただろう。


 依頼とはいえ、今日子も非道い事したが御影も大概だ。


 精神魔法によってできた、精神的トラウマは御影に治してもらったが、あんな経験は二度としたくない。


 昨日の敵は今日の友じゃないっすけど、なにをとち狂ったのか、御影は私を要求してきたっす。もちろん○的意味じゃないっすけど、スラムに帰ってゆっくりしたかった自分にとって迷惑な話っす。


 新聞クラブ『暁』の他に、御影のクラブに入った今日子。


 そして現在に至る。


 表のクラブが大甘と思うぐらい、裏のクラブは苛烈だ。何度『死んだ』と思ったことか。


 既に御影の遅延魔法によって、時間にして何年も修行している。


 表のクラブより難易度が高いもので、その倍率は最高で三百倍。


 相変わらず御影には勝てないが、『そこそこ』強くなったと今日子は自覚している。


 しかし御影の敵は強大だ。


『破滅の十二人』。今日子にとって雲の上のような存在だ。


 しかも敵は幹部。冗談じゃないと今日子は思った。


 でもこれは現実だ。


 黒幕が分かってからより一層厳しくなった。表のクラブはあれ以上厳しくできないと御影は言っていた。


『スパイ』がいる状態で、あれ以上の事はできないと。


 裏クラブの修行は機密だらけだ。一つ一つが秘匿扱いされるほどの技術で、教えていることも、御影以外誰も知らない事だ。入る前に『魔法契約書』にサインさせられたのも頷ける。


 現在、裏ギルドのメンバーは五人。御影、輝義、今日子、翼、ニナ。後、顧問の舞先生の六人


 もうすでに、長年の戦友のようで、互いの事はよく知っている。


 翼は、普段はずぼらな所があるが、剣に対しては誰よりも真面目で、ニナはド○で苛烈なところがあるが、思いの外面倒見がよく、御影の前では犬のように従順だ。輝義はひょうひょうとしているが、芯には譲れない熱いものがあり、口ではいつも口説いているが浮気性に見えて、一途だ。


 体感時間何年もいれば性格もわかる。


 ちなみに今日子は他のメンバーからは、めんどくさがりで、いいかげんで、女をやめているだそうだ。失礼しちゃうっすね全く。


 今御影に対する感情は。


「今日子っちじゃん、おひさ~」


 答えを出す前に、今日子は声をかけられた。


 それはスラム時代からの『馴染み』の人物だった。





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