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海にて09~高級エリア04~


「き、しゅ(きゃ~修羅場だよぉ~)」


「泥沼」


「昼ドラじゃ」


「ニャー、人の恋路は密の味だニャー」


「デジ子はよく分からないでじ」


 海の家の窓から食い入る様に風花達を見ているちびっ子五人組と、その後ろで興味があるのか、ちらちらと見ている玲奈とカティナ。


 種次は無関心で、三下は気絶から起き、玲奈の事をガン見していたので、御影が眠りの魔法で眠らせている。


 結論から言おう。とっくの昔に、ディーノや翼にばれている。


 気配だだ漏れで、興味津々で見ているのだ。見つけて下さいといっているようなものだ。


「どうやら、ばれているみたいだ。確かプゥ達はまだなにも食べてなかっただろう、俺の奢りだ。中に入って何か食べよう」


「い、あ(「いやったぁ~ありがとう御影さん」)」


「神光臨」


「わっちは甘い物が食べたいのじゃ」


「御影さんありがとうでじ。デジ子はお腹ぺこぺこだったでじ」


「にゃーもお腹好いたにゃー」


 おまえは食っただろうが、とニャルコに対してつっこみたったが、五人組が嬉しがっているので黙っておいた。


 玲奈達も中にはいるのは賛成みたいで八人で中に入ることにした。


 種次が、三下を見張っているという事なので、御影は好意に預かることにした。


 入ってきた、俺達を見て、ディーノや翼は明らかにほっとした感じで、御影達を手招きする。


 風花も少しほっとした感じだが、清音と雫は邪魔をするなという視線だ。


「師匠、どうぞこっちにきてください」


「お~噂をすればだなぁ、こっちに来い」


 あまり行きたくないのだが、ちびっ子達が移動したため、仕方なくそっちに行くことにした。


 場所を移動し、大人数でも座れる様な宴会用の大テーブルでみんな思い思いに注文する。


 御影は冒険者の礼儀としてビールを注文する。


 乾杯の音頭は、ディーノと御影と翼で互いに譲り合ったが、仲間達の後押しもあり御影が快く?やることになった。


「夜に言おうと思ったんだが、みんな改めて、ありがとう。みんなの力がなければ、俺の脱出はここまで速くなかった、みんなの一人一人の活躍がなければここにいない。今日は無礼講だ、存分に騒ぎ、楽しんでくれ」


「にゃーも、お礼を言うにゃー。にゃーは死にそうだったにゃー。命を助けてくれてありがとうにゃー。それじゃー、乾杯にゃー!」


 おいしいところはニャルコに持っていかれたが、杯をぶつかり合わせる。


 御影はビールを流し込む。苦みとキレ。夏のビールは最高だった。


 翼もビールを飲んでいる。御影か浄化魔法を使えると知っているので、遠慮する必要はなくなり、何かあれば御影が対処してくれるという安心感があり、気を張る必要はなくなったからだ。


「ありがとうなのさ、輝義から聞いたさ。あの魔法玉はおまえの物なんだろう。おかげでディーノは、助かった。きちんとお礼を言ってなかったから、今言うよ。本当にありがとう」


「俺もありがとなぁ、おかげで助かった」


 対面に座っていたディーノと清音の二人はそろって頭を下げる。


 公式の場では、一学生に対し、簡単に頭は下げれない。ギルドのメンツと上の者としての責務があるからだ。上が簡単に謝罪し頭を下げれば、下の者に影響し、組織にとってよくない。自分一人だけなら、頭を下げたが、ギルド長という肩書きがあるため、軽いお礼ですませた。ディーノは機会があればきちんとたお礼がしたかった。


「俺も今回の事件でいろんな人に迷惑をかけましたのでおわいこですよ」


 御影は謙遜しその言葉だけに留めた。あまりしんみりした空気を作りたくなかったからだ。


「そうだなぁ、よしゃぁ、海の家にいる全員一杯サービスだ。何でものんでくれっ」


 ディーノが立ち大声で宣言し、各テーブルから歓声が上がる。ここの海の家は冒険者が多く利用する店で、完全にギルドの酒場のノリだ。


 学園にない懐かしいノリに、楽しげに御影は耳を傾けた。



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