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海にて06~宿泊者エリア03~


 ちびっ子四人組を加え、六人になった御影のパーティー。


 御影達が着いたときには、三下は真っ白な灰になっていた。


 一緒にいると思っていた、守やボルは居ない。


「三下はまぁ、あれとして、守やボルはどうした」


 唯一聞ける状態にあった、種次に聞いた。


「三下はいつものあれなのだよ、守は三下のナンパに強引に付き合わされ、年上の女性方に連れ去られ、ボルは少女を助け、その親と食事に行ったのだよ」


 種次は簡潔に説明する。


 まぁ、滅多なことはないだろうし、ほっといても大丈夫だろう。


 ボルも守も常識人だ。自分からトラブルは起こさないし、素人相手だと、何とかできる力はある。


 一番トラブルを起こしそうな三下を捕まえる目的だったので、取り返しのつかない『何か』が起こる前にこれてよかったと御影思う。


「残念だったな。ほらっいくぞ」


 うちひしがれている三下に御影は手をさしのべる。


「たいしょ~、おれっち・・・・・・」


 三下は御影の方を見る。


 正確には後ろにいた、クラブメンバーとニャルコの女の子五人。


「くそっ~、大将に俺の気持ちなんて分からないっすよ。五人って何っすか五人って、クラブの仲間と猫族の女子、そろいもそろって○○ばかりじゃないっすか源氏物語っすか、○○ハーレムでもきずくんっすかぁぁぁぁ。俺にも一人分けてくださいっすよぉぉぉぉぉ」


 聞く耐えない、三下の願望が溢れ出す。


 はっきり言って女子メンバーを始め、どん引きだった。


「最低」


「同感じゃ、同じく空気も吸いたくないのじゃ」


「う、ひ、さ。(う~ん、否定も弁解のしようがないくらい最低だよ~)」


「でじ子も仲間だと思われたくないでじ」


「にゃー、妄想の固まりのようなやつだにゃー」


「そういうな、何か問題があったら、舞先生に迷惑がかかる、その前に会えたののだがら逆に良かった。今日の所はもう終わりだ。学園に帰ったら、まぁ、何か言い事でもあるさ」


 そう言いながらも、御影は三下の首筋に気を当て、気絶させる。


 起きていたら、また何かやらかすからだ。


「ひどいっす、よぉー」


 がくりと倒れる三下を、御影が担ぐ。誰も触りたくなさそうだったからだ。


 御影達一行は、ボルと守を宿泊者エリアに残して、高級エリアへと向かった。













「はぁはぁ・・・・・・くそっ」


「これは、厳しいですね」


 カティナと玲奈は二対二のビーチバレーで対決していた。


「よぉよぉ、後、二点で敗北だよぉ」


「俺らと一緒に、付き合ってもらうぜぇ」


 下品な眼でニヤニヤ笑う二人組。


 時は少し遡る。


 最高級エリアで、家族と来た時のように、ビーチパラソルの下に設置してある寝椅子に座り、優雅な時を過ごそうと考えていた玲奈だったが、カティナの誘いに根負けして、高級エリアで遊ぶことになった。


 認識阻害の魔法はコテージに入ったとき御影が解除している。気づかれずにぶつかったり、遊んでいて人にぶつかったら危ないからだ。


 気持ちを切り替え、玲奈は遊ぶ事に集中する。


 せっかく友達と来たんだ、遊ばないと損だなと考え直す。


 高級エリアは、ジェットスキー、サーフィン、魔法を使った空中遊泳体験等々、宿泊者エリアよりもワンランク上の体験ができ。専用のインストラクターが教えてくれる。二人は体験型のアトラクションを二時間ほど堪能し、手頃な海の家で食事を取る。最高級ほどではないが、清掃が行き届いており、清潔感がある店内で飲食した後、さてどうするかと、二人で話し合っていたとき、男二人組がやってきた。


 日焼けした肌に、ドレッドヘア、顔はちゃらくて、見るからに遊んでいそうな感じだった。


「よぉよぉ、そこのかわいこちゃん一緒に遊ぼうよぉ」


「二人で楽しく遊んでんだ、ナンパならお断りだよ」


 カティナがしっしっと追い払う。


「そんなこといわないでさ~、ビーチバレーやりたいんだけど人数足りないんだよぉ~」


「間に合ってますので、他の人を誘ってください」


「負けるのが怖いんダネ、良い体つきだけど見た目だけの腰抜けだよぉ」


「いこうぜっ、腰抜けみたいだぁ」


「ちょっと聞き捨てならないね、誰が腰抜けだって」


 玲奈が制止しようとしたが間に合わず、カティナが相手の誘いに乗ってしまった。


 頭に血が上ったカティナは相手の罠にはまってしまう。


 振り返った二人組はしてやったりの表情。玲奈はまずいことになったと感じているが、カティナは止まらず。負けたら『一日付き合う』という条件も受け入れてしまう。


 そして今に至る。



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