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海にて01


 御影と舞先生が集合場所に来た時には、すでに全員が集まっていた。


 みんな手提げ袋やポーチなどを持っている。


「全員いるか、今から海にいくぞ」


 今日はクラブの練習ではなく旅行だ。


 計画プランは、昨日全員に配布してありまず最初に、海に行くことになっている。


「う、み、わ(海だぁ~、わぁーい楽しみぃ~」


「わっちもじゃ、有為など行った事もないからのう」


「カナズチ」


「何じゃと、わっちが水魔法を使えばすすいのすいじゃ」


「どうでも委員会ですが、少しくわくわします」


 第二部屋はきゃきゃっとはしゃぎ。


「久しぶりの休暇ですからゆっくりします」


「何だよ玲奈、せっかく来たんだし泳ごうぜぇ」


「たまには優雅に過ごすのも一興ですよカティナ」


「そんなん性に合わないよ、雫と私と一緒に泳いだりビーチバレーしようぜぇ」


 第三部屋はカティナと玲奈の意見が対立していた。


「あらあら、風チャンはあの可愛い水着は翼さんに見せるために買ったの」


「おっお姉ちゃん違うよぉ。水着ない人もいたから、みんなで買いに行っただけだよ、お姉ちゃんも一緒に行ったでしょ」


 この前、女性陣は皆で買い物に行った。もちろん自費だが、皆結構な出費で、今月は厳しくなるねと苦笑した。でも、皆いる久々の買い物は楽しかったと久々に皆が笑いあえる光景だった。


 第四の部屋は一悶着ありそうな光景。


 皆、思い思いにこの日を楽しみにしていた。


 そういう点では発案である三下に感謝してもいいのだが。


「へっへっへっ、水着楽しみだぜぇ~~」


 妄想に耽っておりだらしなく鼻の下を伸ばしていた。






 砂浜には海の家が多数営業しており、それとは別に、男女の更衣室が幾つかあった。


 男子の着替えは早く十分ほどで終わり、女子を待っていた。


「うひょよぉ~大将ぉ~みないんっすか。ないすバディのお姉ちゃん方が多数いますぜぇ~」


 三下は目をハートマークにして、いきかう水着の女性たちを凝視していた。


 とりあえず四人はそんな三下から少し距離をとった。


「それにしても多いですよね」


「んだ、こんな人だかり初めてみただ」


 夏休みということもあり、海や砂浜には数千人規模の人がおり、多種多様な人がいた。桜花国以外からも人はきている。だから、ここでは種族の差別もなく、そういうことをすると追い出され、出禁となる。

屋台も行列ができ、海の家も満杯だが、五つ星ホテル専用の海の家を事前に予約していると舞先生が言っていたため、そこは安心していた。


「御影さん、師匠よぉ、俺に夢を見させてくれてありがとよぉ」


 翼が頭を下げる。


 裏クラブに入り、御影の元、熾烈な訓練をした結果円の八を修得した。


 まだまだ完成度は低いが、一応成功という形だ。


 翼は劇的に変化した。


 雲を掴むような先を導いてくれた御影。年下だが翼は尊敬していた。


 御影は器の大きな人間だ。隼人よりももっと。裏クラブに入っているのは、一度は敵対した人間ばかりだ。


 ニナも裏クラブの一員となっている。


 ニナより炎魔法を使える人間は、翼は知らなかった。


 御影は炎魔法にも精通しており、あのプライドが高く、たがびしゃなニナが、借りてきた猫の様におとなしく、御影の言いつけを守り、言う事をよく聞いていた。


 別人じゃないかと翼が思ったぐらいだ。


 そして、御影に聞いた。どうやってやったのかと。


 御影はとある魔法を翼に見せ納得した。


 こんなものを見せられたら、炎魔法使いは崇拝すると。


 本当に御影は超人だ。この事が最初から分かっていたら隼人もあんな真似しなかったのだろうなと翼は思う。


 ニナもすごく来たがっていたが、生きていると今の段階でばれると後々面倒なことになるので御影が諭し、ニナは泣く泣く諦め、代わりに翼に大量のおみやげを頼んだ。



「礼を言われる事じゃない。俺にもメリットがあるし、何よりお前が、今まで腐らず頑張って来たからだ。それよりも来たぞ。」




 そうこうしている内に、女性陣がやってきた。

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