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御影救出作戦:最終決戦01

すいません。遅れました。


 その『悪意』は突然訪れた。


 気付けたのは偶然だ。


「危ないっす!?」


 もう終わったと思っていた。岬から通信が入り、ダンジョンルートも上手くいったみたいだ。


 スラムルートも、今日子達が無事な時点で終わっている。


 申請書もとおり、後は『キューブ』を攻略できる舞先生を待つだけだ。


 思い思いに談笑する中、今日子は一人で早く帰りたそうにしていた。


 だから気付けた。


 誰にも気づかれず、すっと暗殺者の男は、現れた。


 完全に裏の人間、それもかなり高度の。


 輝義が練習して体得した技術なら、その男は、実践で体得したナチュラルスキル。


 まるで背景にとけ込むように歩く。


 ゆっくりに見えるが、かなり早い。


 次のコマにいくと消えているみたいな。


 まがりなりにも、今日子も裏の人間だ。だから分かる。考えられる中で最悪の事態だ。


 風花の心臓を狙ったナイフの攻撃は声に反応した翼によって弾かれる。


 黒のローブ姿に漆黒の死神仮面、額部分には『(イレヴン)』の文字。


「破滅の十二人」


 今日子は声を震わせる。


 誰かが言った。


 それを見たものは必ず死ぬ。


 それを知ったものは破滅が訪れる。


 子供に言い聞かせる時、悪いことをしたら『破滅の十二人』が来ると。


 今日子は知っていた。裏の人間なら、横の繋がりから誰もが知っている


 犯罪組織『破滅の十二人』にも、ランク付けがある。


 白い仮面の平、青い仮面の平頭、緑の仮面の平のトップの千人頭、そして幹部直属のナンバー入り仮面。


 ナンバー事に仮面が変わり、十一の仮面は漆黒の死神仮面。


 少なくても幹部直属以上だ。


 いや、と今日子は自分の考えを否定する。


 仮にナンバーⅪだったのなら、今頃今日子たちは棺桶の中だ。


 それほどナンバーズは隔絶した強さだ。


 そして、とうとう出てきたのかと。


 御影や舞先生は黒幕に『破滅の十二人』の存在を予測していた。それを今日子にも伝えていた。


 黒幕かどうかは分からないが、それに近いものだと。


 だから、もしもの場合、緊急用に渡されたのが三つ目の玉だ。


 今日子は迷わず使う。


 依頼は終わるまで無事に守りきること。


 例え七体一の状況でもなにがあるか分からない。


 御影にも、『破滅の十二人』にあったらすぐ逃げろといわれた。逃げられない状況なら三つ目の玉を使えと。


「リリース」


 三つ目の玉は、広範囲緊急脱出用転移魔法『エスケープ』。


 周囲にいるもの全てを、任意の場所に転移する魔法。場所は魔法を込めた相手があらかじめ決めている。


 そして九人はこの場から消えた。


 そして、この日の最終決戦へと突入する。









 御影が設定した転移場所は二つ。


 より近い方に転移する。


 一つ目は舞先生のところ、服の所に小型の転移陣を縫いつけた。


 これも、御影だけが知っている『オリジナル』の技術だが、今回の報酬として教えてもらおうと舞先生は思っている。


 そしてもう一つの転移先が・・・・・・。



 それは予測された中の一つ。


 舞先生と御影が話していた中で、可能性の一つとして話題にあがった。そして、第三段階、国同士の会議で、舞先生が議題に出した。


 桜花学園都市に『破滅の十二人』がいる可能性が高いと。


 各国もかの犯罪組織には手を焼いていた。


 村や町は壊滅されのは数知れず、主要都市でさえ数年に一回、何処かで甚大な被害を被っている。


 いわば、厄災に近い。


 今まで、捕まえることはおろか、足取りさえつかめない。平は捕まえる事ができるが、最高で五年前に捕まえた千人頭。


 この時の死亡者は民間人も含め三千人を越す。


 ナンバー入りの直属部隊やナンバーズは捕まえたことは未だかつていない。


『破滅の十二人』が起こしたとされる大きな事件には、必ずナンバーズが一人いるとされる。


 これは捕まえた構成員や、千人頭からの貴重な情報だ。


 今回、裏にナンバーズがいるかどうか賭だったが、どうやらいたみたいだった。


 直属部隊が確認されれば必ずナンバーズはいるからだ。


 そして着いた先は、クラブの練習場。



「ようやく現れたか。借りは必ず返してもらう」


「これまでさんざん手をやかれされたからな。きりきりとはいてもらうぞ」


 そこには舞先生と御影がいた。




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