スラムでの戦い04
全く世話が焼けるっすね。
今日子は飛び降りて早々、泳いでコンクリートの足場にたどりつき、続いて、美夜も難なく到達し、ここまでだった。
水流とシンリィはあまり泳ぎが得意ではないというか、俗いうかなづちだ。
「・・・・・・不覚」
「泳げないのじゃ~、助けてたも~」
何というか、二人溺れる寸前で、バジャバジャと必死に手を動かし、顔を何とか浮かしている。
結局、今日子と美夜は、再度貯水池に飛び込み、二人を助ける。
今日子と美夜がシンリィと水流の背中をさすり、飲んでしまった下水を吐き出す。
「もういやじゃ~もう家に帰るのじゃ~」
「・・・・・・最低最悪屈辱的悪魔的地獄模様」
シンリィはえづきながら顔は涙と汚水でぐしゃぐしゃで、幼児退行しており、水流は何か意味の分からない言葉を羅列している。
今日子は世話をしながら思う。
どうでもいいっすけど、早くクリーンかけてもらいたいっすね。
強烈な臭いを発している女子四人組は、しばらくその場に留まっていた。
それから三十分後、ようやく持ち直してきたシンリィにクリーンをかけてもらい、一同は先へと進む。
もう都市部のエリアに入っていた。
「口の中が気持ち悪いのじゃー」
シンリィはまだ少しぐずっている。
「・・・・・・同士」
二人はがっしりと握手する。
シンリィと水流の仲が少し深まった。
臭い仲なだけに。
目標は、ギルドから歩いて三分のところにあるマンホール。
後十分ほどで着く。
・・・・・・と変わってほしかったっすけど、綺麗好きっすから、無理っすね。
思った以上に大変だったので、終わったら給料アップを直談判しようと今日子は息巻いている。
美夜は一人、気を張っている。もう少しになったところで、人は気を緩むものだ。
油断大敵。敵はそういうところを狙ってくるものだ。
シンリィと水流はそれどころではない。今日子は相変わらずの独特の空気感、警戒できるのは、自分一人だと美夜は思っている。
今の所、敵意の視線は感じない。
御影や裏の人間、格上の人物は気配を消せる。
美夜は、そういう人物の気配を読みとることはできないが、やらないよりやった方がいい。
もうすぐ、ギルド近くのマンホール下に到着するという時にそのモンスターというか動物が現れた。
そうやつが。
しかも大量に。
「「「「ちゅぅぅぅぅぅぅ」」」」
美夜の嫌いな動物ナンバーワン、それは溝鼠。
パタン。
溝鼠を大量に見た美夜は、硬直した後、後ろにひっくり返った。
水流とシンリィもサブイボが出てきた。
「とりままま、たいさんっすもも」
もぉー踏んだり蹴ったりっすよ。
今日子だけなら、駆除したりその間を突っ切って、マンホールからえることはできる。
しかし、美夜が失神しており、後の二人は使い物にならない。
美夜を全員で担ぎ、追ってくる溝鼠から逃げる。
どこを走っているのかもわからない。ただ溝鼠から逃げていた。
溝鼠も速いが、御影のクラブで培ってきた経験が活きた。
それに火事場の馬鹿力。3人で一人担いでも、スピードは変わらず、徐々に溝鼠を引き離している。
しかし、後から後から、湧き出てくる。
まさに鼠の大行進だ。
「これをくらうううす・・・・・・わっとみっっつまんけんちゃん、しけってつかえないいす」
今日子が持っていた、煙玉はしけって使い物にならなかった。
何とか逃げ切って、少し経ち美夜が起きた。
「もう嫌じゃー。何でわっちはこのルートにきたんじゃー」
「・・・・・・至極同感」
「本当にそう思う。どこかのルートと変わった方がよかった」
ここにいる全員がそう思っているっすよ。
今日子もそう思っているが口には出さなかった。
全員が心身共にへとへとだ。
「今日子さん、ここは何処」
美夜は今日子に質問する。
ギルドホール下のマンホールを目指して、後少しのところまできたが、溝鼠のせいでここが何処だが分からなかった。
「私もわけわかめめな場所ですす。とりままここからでましょうしょう」
もうあそこに行く勇気は三人にはなく、早くここからでたかった。
近場でマンホールの下につき、四人は喜び合う。
やっとここからでれると。
そして歓喜のまま下水道から出る。
着いた先は・・・・・・。




