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ダンジョンでの戦い01

 ボルと守、カティナは雫と覆面とローブ姿で、フードを深くかぶった女の『助っ人』と一緒に事務科に行き、首都東京ギルド本部近辺のダンジョンに転移し、そのまま東京のギルドに行くつもりだ。


 受付に岬はおり、手筈は整えてある。


 転移魔法陣は一旦ダンジョンの外にでると、効力を失う。再入場でクリアや脱出用の転移石を用意しても同じ事だ。故に東京とこの都市を結ぶ、有料転移魔法陣で帰ってこなければならない。


 金額にして一人五万。既に舞先生から貰っていた。


 妨害を予想していたが、ここまでは敵対者や、怪しい人物の気配はない。


 まるで、行った先に待ちかまえてるかのように。


 休日はダンジョンに入る人が多く、予約していたが三十分待ちで、自分達の番になり岬が応対する。


「三番の転移魔法陣の所に用意しました。東京内部、ギルド本部から歩いて十分の距離にあるダンジョンです」


「おう、腕がなるぜ」


「あらあら、そんなにはりきると失敗の元ですよ」


「おら、がんばるだ」


「僕も頑張ります」


「あっちについたら、なにが起こるか分かりません。ご武運を」


 少なくとも、今日はこのダンジョンを利用している人はいなかったはずだ。


 しかし、気になる点がある。


 反クラブ派の複数が実力よりかなり低レベルのダンジョンに転移している。


 しかも、東京の外れにある山奥のダンジョンに一緒に。


 二つのダンジョンは徒歩で三時間以上離れている。


 転移魔法陣に登録したとき、不正アクセスや、エラーはなかった。


 隅々までチェックし、職員や冒険者達にも目を光らせていたが、特に不審な動きはなかった。


 大丈夫なはずだが、岬は胸騒ぎがする。


 何か仕組まれているのではないかと。


 ・・・・・・がいるかぎり大丈夫だと思いますが。


 五人が転移魔法陣に入り、転移する瞬間それは起こった。


 馬鹿な。


 岬は、唖然とする。


 丸ごと書き換えられた。まるで、コピーを張り付けたかのように。


 こんな事をできる人物は、一人しか思いつかなかった。










 転移して思った事は一つ、違うダンジョンだと。


 五人は警戒する。表示されていた映像と明らかに違う。これは罠だった。


 どうするべきか、考える。ダンジョンをクリアし再度転移するか、外に出るかの二択だ。


「えと、ここはどこなんでしょう」


「おらは全く分からないんだ」


「私も知らないよ」


「あらあら、分かりませんね」


 ダンジョンは一つ一つが細かな部分が違う、同じレベル同じタイプだったとしても。


 しかし、ダンジョンの数は膨大で、全部覚えていられない。


 事務科の人間はある程度把握しないと駄目な職業なので、毎年試験に出題される。不合格になった場合は降格か解雇だ。


 どういうタイプで、どのレベル帯か分からなければ、進みようがないし、どこの場所か知らなければ、外には出られない。


 八方塞がりだ・・・・・・このダンジョンを知るものがいなければ。


 雫は、覆面の女の方を見る。


「ノンダンジョン:レベル十三:洞窟型だ。位置は東京郊外の山林の中、ギルドから三時間といったところか。ダンジョンの方は十三階層まであり、地図はある。クリアするのに二時間もかからないだろう。誰かが待ち伏せでもしない限りは」


 覆面の女は冷静な口調でいう。


 さしてピンチでもないというように。


 初めての肉声に三人は驚く。


 合流してから一回も喋ってなかったので、話せるんだと。


 覆面の女が指揮を執る様子はない。あくまで助っ人で、決めるのはカティナ達だと言う様に。


 時間がないため、手短に話し合いをすませる。


 というか、満場一致だった。


 このダンジョンを進もうと。


 覆面の女は、ボルに担がせていたリュックから地図を取り出す。


 リュックは空間魔法を使っている高級品で、だいたい四十坪、二階建て位は入る代物。


 あらかじめ、桜花国全域にあるレベル六十以下のダンジョンの地図が入っていた。


 他の国だと事前の手続きが必要なため。桜花国にあるダンジョンだろうと覆面の女は、当たりをつけた。レベル六十以上も同じだ。


 十三枚の地図の中から、六階層の地図を広げる。


「待ち伏せするとしたらここだ。階段を下りる所だ。絶対に通る道で、一番広く、上にも立てる場所がある」


 即座に判断し、覆面の女は助言する。


 あまりの決断力に、もしかすると『敵』側じゃないかと疑う。


 用意周到すぎる。


 ここの場所も分かり、地図も用意してあり、待ち伏せ場所も分かる。


 覆面しているため、余計そう思う。内通者じゃないかと。


「皆さん、この方は敵じゃありませんわよ。私が『保証』しますわ。警戒しながら先に進みましょう」


 雫の一声で、ダンジョンを進む。


 ご丁寧に、罠は解除してあり、モンスターもあまりいない。


 まるで、自分たちを誇示しているかのように。


 進むにつれて警戒度がます。


 そして・・・・・・。


「待ってたよ。二階堂雫」


 六階層ダンジョン階段付近。そこにいたのは序列第六位、反クラブ派の筆頭『新垣蓮』だった。


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