表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
134/238

御影救出作戦決行!!


「むにゃー、もう食べれないにゃー」


 ニャルコは、牙を立てたまま眠っている。


 呑気なものだと御影は思うが、起きると騒がしくなるため、そのままにしている。


 何回か強制罠が発動したが、ニャルコが起きる気配はない。


 よっぽど深い眠りなのだろう。


 ニャルコは幸せそうな顔をしていた。


 守ってやらないとな。


 御影はニャルコが話していた事を思い出す。



「にゃーというか、猫族は寒いところは苦手にゃー、北海道は寒いところにゃけど、冬は厚着にゃー、にゃーは特に寒がりだから多分一時間もたたず凍死する自信があるにゃー」


 ニャルコは自慢するように言っていた。


 残りの指輪は十三本、時間にして六時間半、タイムリミットは今日の夜だ。


 頼むぞ舞先生、皆。


 御影は運を天に任せるほかなかった。












「行くぞ」


 結局、皆練習場で一夜を明かした。


 時刻は朝八時、既に全員が起きている。


 みんな徹夜して、作戦について話し合いたかったが、きりがいい所で舞先生が強制的に寝かした。


 舞先生に同行するのは玲奈と風花。


 後は各地に散っていった。


 舞先生達は学園を出て、外界にでる門の手前で気配を感じる。


 数は十、全員が学園の者ではない。


 門の外側には都市のギルドに所属している冒険者達。


「外出したいのだが、何をしている」


 人相は悪い。どこぞの三流冒険者みたいだ。


 門の所に立ち塞がってとおせんぼしている。


「あぁーん!今日は修理のため通行止めだ」


「帰った帰った」


「怪我したくなければな」


「よく見れば、かわいーこばっかじゃないか」


「俺らといーことしないか」


「「「ぎゃっっはははは」」」


 末端の人物はここにいる三人の顔を知らない。ゆえに、こういうことをいえる。


「ゲスですね。そこをどきなさい」


 玲奈が軽蔑の眼差しで、そこをどくよう言うが、爆笑するだけで聞き入れられない。


 風花は萎縮しており、玲奈の後ろに隠れている。


 それが冒険者たちを増長させる一端だ。


 こう言う時は、舐められれば相手が勢いづき、いらぬ争いになる。


 舞先生にしてみれば、どっちでもよかったが、とりあえず生徒達に任せた。


「私は藤島家の娘、藤島玲奈です。三度目はいいません、そこを退きなさい」


 高く響くような声。凛とした表情で臆していない。眼光は鋭い。


 その表情に冒険者達はたじろぐ。


 しかし、冒険者達も舞先生達も足止めしなければいけない『理由』があった。


「俺たちゃぁ崖っぷちなんだ。ここで足止めしないと冒険者を首になる。俺達には、妻や息子、娘がいる。だから三時間だけ待ってくれ・・・・・・頼む」


 形勢が不利とわかると、冒険者達は泣き落としにかかる。


 藤島玲奈の資料はもらっていた。甘ちゃんで、弱い者の味方。こう言えばきっとこちらの言うことを聞いてくれるだろうと。


 冒険者達は、玲奈の前と違う点に気付いてなかった。


 有無を言わさず、一番前にいた冒険者を槍の横腹で殴り昏倒させる。


「私はもう迷いません。そこをどかないというのなら、倒して通るまでです」


「野郎どもやるぞ」


 泣き落としが通用しないとみるや、一斉に攻撃に転じた。


 玲奈に六人、風花に三人。


 玲奈の方は足止めで、舞先生は初めから狙っていない。


 冒険者達の本命は風花。風花の事を下だと見ており、人質に取ろうとしていた。


 あんなにビビっているんだ、取るに足らないと。


 後1メートル。


 冒険者達は、風花を捕まえようと手を伸ばすが、何をされたか分からぬまま、昏倒する。


「私だって、強くなってます」


 風花は抜刀術で、素早く三人に一太刀いれる。


 三人が、刀が動いたのか分からないほどの早さで。


 動揺した残りの冒険者達は、玲奈を囲み、同時にに攻撃を仕掛ける。


「藤島流・周の一・回旋」


 円を描くように槍を回す。


 闘気を槍に付与し、風圧で吹っ飛ばす。


 扉や壁まで吹っ飛び、その衝撃で気絶する。


 本当にとるに足らない相手だ。しかしこれはまだ序の口だと三人は思っている。


 門を抜けると、橋があり、それを渡ると都市に入る。


 しかし・・・・・・。


「ここまでやるとは思わなかったぞ」


 さしもの、舞先生も『ここまで』やるとは予想もつかなかった。

 

 橋の中央付近が5メートルほど壊されており、向こう側には五十人ほどの人物が待ち構えていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ