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 百年前の私達へ。


 未来を変える事が出来ただろうか。


 貴方達が飛ばしたあの機械の様に、私も貴方達の世界からはじき出されてしまったよ。

 今はどこともしれない時の中をさまよい続けるだけの存在。


 正直に言おう。

 妬ましさもあったが、私は尊敬の念も抱いている。

 貴方達が発展させてきた科学技術はすばらしかった。


 なぜなら、とっくに寿命がつきていてもおかしくはない私を、百年以上も生きながらえさせてきたくらいなのだから。


 それだけ貴方達は本気だったのだろう。

 本気で、心の底から、幸せになろうとした。


 けれど、その努力の方向がそれと知らずにねじまがってしまった。

 未来の不幸を、悲しみを生み出してしまった。


 だが、だからといって

 幸せになろうと力を尽くす事は罪ではない。

 幸せを追い求める事も、それと同じ。


 ただしょうがない出来事だったのだ。

 それは、誰かを責める事でも、責められる事でもない。


 ただ悲しいまでに、私達の動かす歯車が、知らない場所で、知らない所でかみ合わずにいただけの事。


 私は消えかかっている。

 歴史介入という禁忌を侵した私が帰る場所が、元の世界なのか新しい世界なのか分からないけれども、それがどちらの世界であっても私は受け入れよう。


 私にできる事はすべてやった。


 選択の結果を、見届けるだけである。




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