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国)No.50「タイ経済の現状」ー中流国の罠

 タイは、かつてASEANの優等生と呼ばれるくらい、経済発展目覚ましい国であった。

 今は、どうなのか———。


 後進国が経済発展を遂げて行き着く先は「中流国の罠」に必ずはまる。

 それは、後進国の間は安い賃金を武器に他国より安価なものを輸出して貿易収支を上げることができるが、ある程度まで経済発展を遂げると、それに伴って賃金上昇が生じ、輸出競争力が落ちてゆく。そうなると「後進国」のメリットは薄れてゆき、そのままだと徐々に先細りとなってゆくのだ。これが「中流国の罠」というやつだ。


 かつて日本もそうであった。では、どうやって一段上の「先進国」の仲間入りを果たしたのか。

 それは技術革新や先端産業の開発など、自国オリジナルのものを作ることにより、競争力を高めていったのだ。

 自動車が出来てからすでに百数十年経っているが、今現在、自国オリジナルな自動車を作る(自力で)ことのできる国はどれだけあるか数えて見てほしい、概ね、それらの国は「先進国」となっている。


 タイはアジアの自動車生産基地とはなっているが、それは「タイオリジナル」の車ではない。そう、自力で車を作る技術がないのだ。

 一部の家電などはオリジナル商品を作っているものの、これは既にコピー商品であって、決して「技術力」の結集ではない。


「中流国」になった国は、もがき、苦しむ。


 かつて、韓国は、日本に追いつけ追い越せと、日本から技術を導入し(時には掠め取り)やっと自国オリジナルの車を作ることができるようになったが、いまだにその品質は安定しない。しかしそれでも一段上の国へと発展を遂げた。


 では、なぜ、タイはこの「オリジナル」を作ろうとしないのだろうか。


 多分、「やる気がない」んだと思われる。


 ———別に、オリジナルじゃなくても他国の車を作る工場が自国にあるなら、それでいいんじゃない? 


 まぁ、なんというか「危機感」がない。それはそれで、仕方ないのかもしれない。元来タイは「農業国」であり「観光立国」であるので、製造業だけに必死になって力を注がなくとも「なんとかなる」という側面があるからだ。


 日本は資源もなければ食料自給率も低い。よって、外貨を稼ぐ(今現在においては、ドルが国際通貨であるが、世界一信任の厚い通貨は円なのだ)ために「先端技術」に特化して「開発躍進」してゆく必要があった。

 その辺がタイとは違う。

 しかし、私は思うのだが、タイだってやればできる国であるのだが、一番大きな要因は「教育水準の低さ」なんだと思う。


 タイの東大と呼ばれる「チュラロンコン大学」の学生にいったいどれだけ「微分積分」の問題が解ける学生が居るだろうか、いや、因数分解も怪しい。よって、タイの「東大」と表現されるのはかなり誇張というか、言い過ぎな面があり、実際は日本の私立の Bランクくらいなもんではないだろうか。


 一国の経済を支えるのは、やはり「人材」である。


 日本は先人が残した遺産でまだ食えているが、昨今ではかなり競争力が落ちている気がする。つきなみで悪いんだが、「ゆとり養育」の弊害だと思う。


 もしも、もし、タイ人が「自国オリジナルの車」を作ろうとしたら、何年かかるだろうか?


 たぶん、あと五十年は掛かるんじゃないだろうか。そしてそれが売れるまでになるには、百年か———。



【駐在員心得】


 タイの東大と呼ばれるチュラロンコン大学の学生や、双璧のタマサート大学の学生を雇用する場合、気を付けたいのは、彼らは「プライド」だけは高くて、レベルは低い、ってことです。従って給料は高いけど、生産性は低い———です。(概ね正しいと思ってます)

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