表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/72

国)No.34「タイの政変」クーデター

 「クーデター」って知ってますか————。



 平和な日本では、「クーデター」とかいう言葉すら、耳慣れない言葉だと思う。

 タイでは、歴代、数々の「政変」が起き、その中で、何度も「クーデター」が発生している。その中心はいつも「軍」であった。


 私も、此処、タイに駐在して、3回経験している。


 1度目は、2006年だった。

 時の政権、「タクシン首相」が外遊中に起こった、軍事クーデター。都市部の特権階級が、タクシン首相の進める農村部への優遇政策と一族のインサイダー取引への抗議——という図式だった。


 北に通じる、主要幹線には、戦車が出動して来て封鎖し、陸軍兵士が武装して警戒にあたってるのを横目に出勤したものだ。


 かなり物騒な話に聞こえるが、そこはタイである。「クーデター」も長閑なもんであり、兵士に花束渡したり、一緒に写真を撮ってるタイ人の女の子がいたり。

 私も、初めて戦車に触れたし、自動小銃ってのにも触れた。


 この「クーデター」は無血クーデターだった。平和裡に軍事政権が誕生したので、我々、日系企業含め、民間人にはなんの問題もなかった。


 2回目は、2010年4月に勃発した。


 この政変は、時の政権「アピシット政権」(都市部特権階級が支持する政党)に対する、農村部の貧困層が北から大挙押し寄せて、バンコクは、大規模なデモが連日発生していた。北の農村部の人々は「赤いシャツ」を着ていた。そう、時の政権は「黄色」がイメージカラーであったので、支持者は「黄色いシャツ」を着ていたので、それに対抗した形だった。これには、亡命中の「タクシン元首相」が裏で糸を引いていたようである。


 この「政変」は暴徒化して、バンコクのショッピングストアは略奪されたり、火をかけられたりと、日系の「伊勢丹」も大きな被害を受けた。

 暴徒化する彼らを鎮圧するために、「軍」が出動した。暴徒も武装しており、昼間っから銃が乱射され、両軍は激突した。当時住んで居た私のコンドーからも自動小銃や手榴弾の爆発音は聞こえた。

 結果、死者100名近くに登る、大流血惨事となったのだ。時の政権、アピシット首相は辞任し、一時的に「軍事政権」が暫定政治を進め、やがて民主国民投票が実施されて。「赤シャツ」派が勝利して、タクシン元首相の娘が女首相の座についた。

 この時は、ほんとうに酷かった———。


そんな中、日本からお客さんが遊びにきた。ちょうど両軍が激突してる最中にだ。呑気といえば呑気な話だ。

 その夜、私は彼らをバンコク市内の居酒屋で接待し、彼らの要求通り、夜の歓楽街に出る予定だったが、居酒屋で飲んでいると、友人から電話が入った。


———サラデーンの駅で、ミサイル飛んでる


 ミサイルって、おいおい——。


さすがのお客さんもビビってしまい、予定変更をして、反対方向の歓楽街で遊ぶことにした(それでも行くんかい)

 この時の都市伝説は色々あった。夜中、高速道路を走るトラックの荷台には死体が山積みされていた——とか。

 軍は、鎮圧に戦車からの発砲も辞さず——とか。そんな凄い話ばかり。


この時は、日本からあっちこっちからご心配の電話やメールを頂いた。しかしまぁー。日常生活、出勤にはほとんど影響は無かったので、今思えば。なんてことはない「クーデター」であった(笑)


 そして、3回目 2014年。


これは、完全に「無血クーデター」であって、「赤シャツ」派が一掃された。

そしてその軍事政権が今現在なお続いている——、ってことだ。




【駐在員心得】


「クーデター」とか「デモ騒ぎ」とかはタイの伝統みたいなもんなんで、さほど驚くことはない。しかし、気をつけねばならないのは、「テロ」だ。タイも南部に行くとイスラム色が強く、この関係でよく爆破事件が起きている。

 つい、三日前もバンコクで爆破事件があった。

こういうのに巻き込まれるのが一番つまらんので、日頃より、人が集まるとこには極力行かんようにすることが用心というもんです。




んじゃ、今日は、この辺で


  |...........λ  

         by ピエ太

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ