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労)No.26「会社の物が失くなる」何でもパクる

本作品は「カクヨム」様 https://kakuyomu.jp/users/7stars にて投稿しているものです。

なろうさまでは、未投稿の作品もそちらで上げておりますので、一読頂ければ嬉しいです。

タイで、工場運営をしている日系企業のあるある話です。


タイの工場では、物がよく失くなる——。

日本で言うところの「紛失」とはちょっと違う。たぶん、パクられてるってことです。外部からの侵入者?、それもあるけど、9割以上は従業員の仕業。

 私の友人の会社では、直径10mmの銅線を巻いた太いロール(たぶん重量にして50〜60kgはあるはず)が、一晩で5個なくなったとか(笑)。これはたぶん、夜警警備員とグルだろうね。でなきゃ、あんなもん手で運んでられんし。もっと酷いのは、下水管の蓋とか(笑)鉄くずを入れるバレット(鉄製)とか。何だって失くなる。一番多いのは、測定器具。これはポケットにも入るから単独犯でも可能。

 それ以外で、半ば公認?状態なのは、トイレットペーパーとか、飲料水。タイでは水道の水は基本飲めないので、ミネラルウォターが工場内に設置されている。

———そんなもん普通パクるか?


 ってのは日本人の発想。彼らは売れるもんは何でも売る。だから、パクれるもんは何でもパクる。


———対策は?


 そりゃ、してますよ。防犯カメラに、手荷物検査(抜き打ち)。そんなんやってもね、いくらでもパクる手立てはあるみたい。

 彼らはそういうとこ、よく悪知恵が働く。頼むから、その知恵を仕事に生かしてくれといいたくなる。


 ウチの工場でも、よくやられた(昔のことですけど)。製品材料だ。売れば結構な金になるし、ポケットに入るくらいのもの。

 ある時、従業員からの内部告発があった。


———あいつが、カバンに入れてるんを見た。


 目撃者証言あり。しかも、密告者は、犯人の前で証言してもいい、と言ってくれている(普通は、仕返し怖さに絶対チクらない)

 で、犯人呼び出して、公開裁判。


———やってません。信じてください

———なに、言ってんだよー、カバンに入れてたじゃねーか!

———知らない。やってません


 堂々巡りが続く——。


我々、経営陣は、決断せねばならない。普通は、犯罪犯したら、一発解雇です。

タイの法律はタイ人には甘いけど、これだけは許されません。

 容疑者残して、解散。


———解雇保証金、1ヶ月分付けたるから、辞めろ

———はい、わかりました。


 100%奴が、犯人だという確信はありましたが「疑わしきは罰せず」です。ちょっと甘い裁定ですが、「現行犯」じゃないので、これが最良の判断だったと思われます。

 それ以降、その材料は「ロッカー」の中に厳重保管(保管責任者を付ける)して、以後は被害がなくなりました。


なんで?、、、って思うでしょ。

悲しいですけど、彼らはやるんです、、、金のためなら。(全員じゃないけど、少なくとも日本の会社で起こる犯罪率からすれば、数十倍はありますから)




【駐在員心得】


従業員の犯罪抑止ならびに、摘発は、「証拠固め」と現行犯が基本。物証がなければ、疑わしい奴は、他の理由で(別件逮捕みたいな)辞めさせること。それでも《《解雇保証金》》は出さなきゃいけないけど、長い目で見るとそれが得策。




 |.............λ    んじゃ、今日は、この辺で。


               by ピエ太


本作品は「カクヨム」様 https://kakuyomu.jp/users/7stars にて投稿しているものです。

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