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*90 楽しそうな人みぃ~つけた!

たこすさんの割烹にコメントが増えた。よし、覗いて・・・SHINさん? プッ! 私のコメントへの返し? 上手~い。やだ、最高! 気にいっちゃった。よし、コメント返しを~。

・・・それじゃあ、ちょっと何か読んでこよう~。


あ~、また増えている。で、たこすさん、SHINさんのコメント。・・・よし、私も。これでよし。さあ、もう一つくらい読んだら寝ることにしよう~。


・・・また増えているのね。私へのコメント返しの可能性もあるから覗いてみましょう。

クフフッ。もう、なんかツボったわ。いい~。じゃあ、返信を。・・・あれ? でもSHINさんって男性? 女性? 男性だとは思うのだけど・・・。聞いてみよう~。


あ~、面白かった~。じゃあ、お休みなさ~い。



翌朝の2月12日、日曜日。いつもの時間に起きて朝ご飯の支度。娘の支度が出来たら大会が行われる会場まで送り、一度家に戻った。それからちょこっとなろうにアクセスして・・・また、たこすさんの活動報告にコメントが増えている。あっ、返事。そうかSHINさんは男性なんだ。

・・・冷静になると、なんか醜態を晒した気がする。まずは軽い謝罪。それから・・・うふっ。遊び心は忘れちゃいけないぜい!


さて、メッセージ。まずは煉様に書いて。・・・まだ、時間はあるね。じゃあ、いつものご挨拶を。1、2、・・・5人と。・・・あれ? SHIN様? えっ? ちょっと待って。SHIN様って、昨夜のやり取りの? えーと、えーと。とりあえず送ってみよう。


あっ! なんか思いついちゃった。ちょっとこれは書いてみよう。・・・出来た。ほう~。相手がいる方が書きやすいわね、ラブレターは。じゃあ、投稿・・・の前に許可を貰わないと。よしそのメッセージを・・・。あっ、さっきの返事だ。やっぱりSHIN様はSHINさんなのね。


では、書いた作品をSHIN様宛てにしたい旨を書いて、送信っと。


これで、よし。そろそろ出ないと間に合わない。尚人~、留守番よろしく~。


ただいまです。せっかく予選リーグは勝ったのに団体としては人数が一人足りないから、決勝リーグには出られないとのこと。規約が変わってそういうことになったの。結局午前だけで終わってしまったのよ。


旦那も私達より一足先に帰っていたのよ。なので、おかえり~、旦那~。


さあ、パソコ~ン。おお~、メッセが~。SHINさんから許可がいただけた~。

よし、予約してしまおう。あ~、なんか気分がいいなあ~。まだ200文字のラブレターが書けそう~。・・・そうだ、皆様へのお礼もラブレターにしてみよう。

これも出来た。・・・どうせならもう少し作品を書いてみようかな?


そんなこんなでもう7作品書き上げた。これは最終日に16時から1時間おきに投稿しよう。それで全部で・・・20作品。やり過ぎたかな・・・。


まあ、いいや。気分がいいから月光の姫の続きを書こう。・・・嘘みたい。あんなに悩んでいたはずなのに、言葉が出てくる。それなら書けるところまで・・・。


・・・えっ? キラの散歩の時間? 待って~。私も行くよ~。・・・って、さあ、尚人と夏葉も来なくていいのに~。家族で仲良く犬の散歩にいったのさ。


戻ってきて、娘を助手に夕食作り。娘も作るのが楽しいみたい。


夕食を食べ終わった後は、お風呂に入ったの。出てきて少しなろうに潜った。今日の作品は日下部さんに宛てたもの。感想をもらったから返事を書いたら、娘が来て寝室に強制連行されました。なんで?


「なんでではないでしょう、舞子さん。あなたは退院してきたばかりだという自覚はないのですか。今日はこれ以上パソコンを触るのは禁止です!」

「嫌だ―! メッセが来ているかもしれないじゃん。コメントだって! それに返信しなきゃ・・・」

「そうだぞ、母さん。昨夜だってパソコンを触っていたよな。今夜は寝ないと駄目だぞ」

「でも、尚人」

「お母さん、お母さんがちゃんと休んでくれないと、私も眠らないからね」


夏葉にまで言われてしまいました。仕方なく布団の中に潜りました。そうしたら、旦那が頭を撫ぜてきたのさ。


「子供じゃないんだけど」

「いや、子供だろ」

「ええ、子供ですねえ」

「お母さんが子供・・・かわいいかも」


・・・夏葉~。


私はおとなしく目を閉じた。そんなに経たないうちに眠気が押し寄せてきた。その様子に家族は寝室を出ていった。


どれくらいたったのか、また夜中に目が覚めた。トイレに行きたくなったのよ。そのついでにこっそりパソコンのところへ~。なろうにアクセスして。あっ! また、たこすさんの活動報告にコメントが増えている。・・・では、コメント返し~。・・・ニヤリ。


「何をしているんですか、舞子さん?」


私は首がさび付いた機械人形になった気分でギッギッと振り返った。そこには怒りのオーラを背負った旦那の姿が! なのに顔はにこやかに笑っているのよ。ウエ~ン。怖いよう~。


「えーと、ちょっとトイレに行きたくなって・・・」

「トイレとパソコンは関係ないですよね?」


そばにきた旦那にパソコンを閉じられてしまったの。手を掴まれて寝室に戻りました。おとなしく布団の中に潜ったら、掛け布団を直してくれたのよ。そして旦那は自分も布団の中に入るとため息を吐いたのよね。


「本当に、あなたという人は」


溜め息交じりそう言われて、伸ばしてきた手に私の右手は握られたのさ。


「今は2月なんですよ。一番寒い季節です。すぐに体の熱を奪われてしまうのですよ。ほら、こんなに冷たくなって」


しばらく旦那のお小言は続いたけど、暖かい旦那の手に握られているうちに、私は眠ってしまったのでした。


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