表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/95

14 中学の時の思い出話?

今回は本当の話が多数。

部活のことよん。

・・・そして、事件は起こった。


なんつって。

そう言えばさっきから雑談モードだけど、孝一はここにいていいの?午後の診察とかないの?


「俺は火曜は午前だけなの。本当は帰ろうと思ったけど、検査の時の報告から池上が覚えてなさそうだから説明すると言われたから、他の先生方の終わり待ちになったんだ」


ほうほう。ご苦労様です。と軽く頭を下げたら、額を軽く小突かれました。


「誰のせいだ、誰の」


いや~、済まんこってす。

それで、のりちゃんは?


「あー、その説明のことを伝えに来たのと、点滴の様子を見にね。・・・まさかあんな話をしているとは思わないじゃない」

「それはごめん」

「でも、野村先生も一緒の中学だったんだね」

「うん。私も野村先生のお父さんにかかって、初めて知った時にはすごく驚いたよ」

「そうなんだ。・・・点滴はもう少しだね。じゃあ私は戻るね」

「じゃあ、また後でね、のりちゃん」

「ええ、あとでね」


のりちゃんが病室から出ていったら亜季子ことキャンが興味津々という顔で訊いてきた。


「ねえ、彼女とどういう関係なの?一緒の中学だったって言ってたけど。それに後でねって何が?」

「のりちゃんとは幼稚園からの付き合いなの。後でねっていうのは、昨日仕事終わりに来てくれて思い出話をしたのよね。今日も終わったらに寄ってくれるんだって」

「そうなんだ」

「のりちゃんが言ってたよ。キャンと中1の時に一緒のクラスだったって」

「えっ、うそ。記憶にないよ」

「まあ、そんなものよ」


キャンと二人で頷き合っていたら孝一が話しかけてきた。


「それで菊池、なんで池上は自分が有名人だって知らなかったんだ。守られ過ぎって何があったんだよ」

「ああ、それはね、舞子のお兄さんと部活の先輩のせいよ」

「お兄さんって池上先輩だろう。天才と噂された」

「兄は天才じゃないよ。どちらかというと天才寄りの秀才だったの。努力の人だったもん」

「うん、舞子。しばらく黙っててくれるかな?」

「キャンがひどい」

「まぜっかえされると話しが進まないから。ねっ」


キャン、笑顔が怖い。・・・今日は目が笑ってない笑顔を見せられる日なのね。


「野村君、私達は美術部だったけど、美術部の噂って覚えてる?」

「確か、学年10位以内の奴が入る部だとか?」

「そう。でも、全員がそうだったわけじゃないけど、甲斐先輩や池上先輩、小沢先輩が10位以内の人達だったから、そう言う噂が流れていたみたいね」

「菊池もトップ校に進学したから10位以内だったんじゃないのか」

「私は11位~20位の間だったわよ。野村君は10位以内だったわよね」

「一応な」

「それでね、舞子が入学した時に池上先輩は舞子を言いくるめて美術部に入れたのよ。先輩達も舞子のかわいさにやられて、自主的に舞子を守り始めたわね」

「池上先輩が頼んだんじゃなくて?」

「あー、池上先輩のシスコンの話は知っていたんだ」

「有名だったから。俺はバスケ部にいたけど、先輩たちが池上の噂をしていて、でも美術部が怖いから告れないって言ってたぞ」

「うん。3年の甲斐先輩と2年の川口先輩がそれぞれの学年を威嚇しまくっていたし、女子の先輩方も池上先輩にアピールするために、女子ネットを使って威嚇してたそうだから」


黙って聞いていたけど・・・。

何ですか?それは。私知らないよ~。そんなこと。


確かに先輩達には可愛がられたけど~。

・・・私以外の1年は機嫌の悪い女子の先輩に当たられてたことがあったけどさ~。

そのせいで最初の2カ月くらいは1年の子達と仲良く出来なかったけど・・・。

甲斐先輩が気がついて女子の先輩に言ってくれたから1年の子達との仲が改善されたっけ。


でもさ、みんなも仲がよかったじゃん。よくトランプをしたよね。貧民とか、七並べとか、ダウトとか。

・・・あれ?美術部よね?絵はいつ描いたっけ?


「・・・ということがあったのよ」


あっ、キャンの話が終わったみたい。後半は聞いてなかったわ。

孝一が心配そうな顔を向けてきている。・・・なんの話をしたの?


「池上、本当に怪我は無かったのか?」

「えーと、ごめん。何の話?」

「舞子。野球部のボールが美術室に飛び込んできてガラスが割れた話よ。その時窓の下にいた舞子に怪我がなくて奇跡だったよねっていうこと。あったよね」

「うん。あの時はビックリしたよ。ガシャンって音がして首のところにパラパラ細かいものが降ってきて顔を上げようとしたら、小沢先輩に動くなって言われて。その後、甲斐先輩や川口先輩が野球部の子に怒鳴っていたよね。顧問の先生が来て、その後保健室に言って・・・。あれ、どうなったの。あの後?」

「あー、そうか。保健室に行っちゃったから知らないか。最初、野球部はボール拾いの1年がきて、それに怒った先輩たちが打った奴を呼んで来いって言ったのよ。それで来た3年の打った人が割れたガラスと舞子のことを見て青い顔をしてたわ。美術部と野球部の顧問の先生が来て大人の話し合いよ。幸い、舞子に怪我がなかったからガラスの弁償ですんだけど。ただ、舞子についたガラスの欠片を取るのが大変だったのよね」


そうそう。あの時はスケッチブックに窓の外の花の絵を鉛筆でかいていたのよ~。

本当に何が起こったのか分からなかったのよね。絵を描くのに夢中になっていたから。

それで、保健室に連れていかれて、知らせを受けた女の先生方何人かに囲まれて、ガムテープを首や髪の毛にペタペタされたのよ。上着も脱がされたんだっけ?

うん。危機一髪の思い出よね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ