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13 お見舞いに来てくれました

友達っていいよね。

・・・

逆襲が怖いけど。

お昼寝から目が覚めたのは人の気配がしたから。

目を覚ますと・・・えっ?美知留さんと登喜子さん?彼女達は娘が小学校の時に一緒に本部役員をやった方たち。どうしているの?


「あっ、ごめんね。起こしちゃったかな」

「というか、「どうしているの?」はないよね。池上さんが入院したっていうから様子を見に来たのよ」

「えーと、ありがとう?」

「どうして疑問形なの」

「いや、だって昨日よ。入院したのは。手術するわけじゃないし、検査入院なのよ」


そう言ったら顔を見合わせる二人。


「本当なの?じゃあ、その点滴は?」

「えーと、これは~・・・」


やましい所はないのにしどろもどろです。なので、正直に血栓を溶かすための点滴と言いました。


「ほら、みなさい。どこが検査のための入院よ。原因は別にあったじゃない。検査はついでに盛り込まれたんでしょ!」

「その通りだよ」


割り込んできた男の人の声。顔を覗かせたのは孝一だった。


「あら、野村先生」

「よう君パパはなんでここに?」

「ちょっと池上に用があってな」

「池上さんはよう君パパの患者さんなの?」

「違「ここではそうだよ」


私が否定しようとしたら言葉を被せてきましたよ~、孝一のやつ~。というか、ここで孝一にかかったことないんだけど?


「二人は見張りに来たのか」

「半分はね。池上さんはジッとしてるのが苦手みたいだから。でも、心配はなかったみたいよ。私達が来るまで寝ていたみたいだし」

「そうなのか」


って、私に訊くなや。あ~あ~、そうだよ。寝てましたよ。検査で疲れたんだよ!


「野村先生も池上さんを見張りにきたの?」

「違うから。検査のことについてもう一度説明した方が良さそうだって連絡がきたんで、様子を見に来たんだ」


孝一の言葉に美知留さんと登喜子さんはまた顔を見合わせたの。


「もしかして思っているのより深刻なの?」

「それはないぞ。本当についでの検査だからな。ただ池上が今までどうやっても受けようとしなかったのを盛り込んだだけだから」

「「・・・池上さ~ん!」」


うわ~ん。なんでジト目で見られなければならないのよ~!


「じゃあ、邪魔にならないように帰るわね」

「えっ?もう」

「ええ。元気そうだし、よう君パパに心配ないとお墨付きをもらったようなものだもの」

「それで、はい、お見舞い」


差し出されたのは小さな封筒?


「何、これ?」

「図書カードよ。お金は受け取らないんでしょ。だからお返しはしなくていいように、1人500円で図書カードを購入したの。もちろん、誰が出したか名前のリストは入れてあるわよ」


そういって私に手渡してきました。いや、困るよ。お返ししないわけにいかないでしょ。

・・・なんで?美知留さんと登喜子さんの笑顔が怖いんだけど。目が笑ってないよ~!


「お返しのことは考えなくていいから!もし退院後お返しをするのなら、改めてお見舞い金を届けに行くわよ」


・・・はい。何もしません。ありがたく受け取ります。

そう言ったら、二人はニッコリ笑って帰って行きました。


で、孝一です。彼に言われました。


「夕方に先生方が集まって説明すると言っていたからな」

「先生方?」

「脳外の飯尾先生と眼科の栗田先生と耳鼻咽喉科の戸塚先生のこと」

「なんで?」

「だから説明だ」

「どうして?」

「・・・池上、わざとだろ。忘れた、もしくはちゃんと聞いてないお前が悪い。だからもう一度説明してくれるんだろうが!」


クスン。怒鳴んなくてもいいじゃんよう~。頭痛が酷くて覚えてないだけだもん。グスグス。


「泣き真似してもかわいくない」


旦那はかわいいって言ってくれるもん。


「・・・あばたもえくぼだろ、それは。夫婦仲が良くてよかったな」

「それは野村先生のところもだと思うけど」

「うちはいいんだよ、うちは。というか、うちは普通だ!どっかのバカップル会話はないから」

「ひどい・・・バカップルじゃないもん。旦那が私のことを好きなだけだもん」

「それを真顔で言えればバカップルだろ」


プンと横を向いたら・・・あれ、のりちゃん?いつからそこにいたの?肩が震えているよ~。顔を俯けているけど、笑うのは声を出した方がいいとおもうよ~。そんな苦しそうにしてないでさ~。


「舞・・・ちゃん・・・これ以上・・・笑わせないで」


息も絶え絶えなのりちゃんでした。


「矢橋さん、池上のこと知っているのか」

「幼馴染みです、野村先生」

「というか、のりちゃんも中学一緒よ。覚えてないの?」


そう言ったら孝一はのりちゃんの顔を見た後、私の顔を見てきた。


「それはお前に言われたくない。俺の事覚えてなかったくせに」

「だって一緒のクラスになったことなかったし、小学校は違うし、まして12クラスもあったのよ!それで覚えている方がおかしいじゃん」

「同じ言葉を返してやるよ」


と、言われたけど孝一は私の事知っていたよね?なぜに?

そうしたら孝一が呆れた顔をした。


「お前さあ~、自分が有名人だって自覚無かったのか?」

「へっ?有名なのは奇人変人の兄でしょ」

「・・・その妹だから有名だとは思わなかったのかよ」

「無駄よ、野村君。舞子は守られ過ぎて知らなかったから」


ここで、また乱入者が~!

って、亜季子じゃん。毎日来なくていいっていっておいたのに~。

・・・というか、守られ過ぎてって何のこと?



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