平日まったり?編
飲食店題材にした日常ものの話を読みたくて、なかなか見つからないので自分で書いてみることにしました。
ダメダメな主人公のしょーもない心境をお楽しみください。
飲食店の社員になんてなりたくない。
心底思う、しかし、なぜ俺はこんな所にいるのか……
人は「やりたい」ことと「やれること」は違うとよく言うけれど、それを認めたくないお年頃ってのもある。
本当に好きな人とは結ばれないとか、そんな絶望的な現実は本当に勘弁していただきたい。
なーんて考えてるうちに今日もオープンの時間が来た。
ここは都心のとある居酒屋。
席数100を越える大型店舗、駅から近く通りに面していて立地も良く、只今キャンペーンにつき「生ビール150円」とかやってるもんだから、そりゃー黙ってても客が来る。
そんな店で俺はアルバイトをしているフリーターだ。
別にやりたいこともないし、かといってサラリーマンになる気力もなく、わりかし人と触れ合うのは嫌いではないので接客業が良いと思った。
しかし、社員になる覚悟なんてない。
端からみてても悲惨なものだ!!
家には帰らず店に泊まったり、休みも月に2~3回、一日の労働時間は16時間近く、まさに古代の奴隷制度の体現である。
社会って怖いな~
そんな訳で責任も無く、逃げ道の多いアルバイトという身分に甘んじで今日も日常を過ごすのだ。
「いらっしゃいませ!!」
店長の声だ……そうこうしている内に今日初のお客の来店だ、早い!!まだ、店開けて30分もたってないぞ!!
「新規10名様です!!」
その言葉に店の皆が反応する。
「いらっしゃいませ!!」
今日は月曜日だぞ!!予約もそんなに入ってないし、一日楽して帰る予定だったのに!!まだエンジンもかからないこの早い時間に10名だと!?あぁ、キツいな~……帰りたい。
ちなみに俺の今日のポジションはドリンカー。
その名前通りドリンクを作るポジション、大変か楽か聞かれるとなんと言っていいものか……
「新規ドリンクオーダーです!!」
「はいよ!!」
俺は気合いとともに声を上げる。
なになに……生ビール5とカシスオレンジとモスコミュールとジントニックと……
全員生ビールにしておけよ!!めんどくさいな!!あれか?「私生ビールとか飲めません~」みたいな女か!!そんなのが5人いて「え~あんたカシスオレンジなら私は違うのにする~」みたいな流れで違うカクテル5個なんだろう!!どうせそうなんだろう!!よし!!あとで可愛い娘いないか見に行こう!!そうしよう。
とか考えつつドリンクを作り終える。
「ドリンクお願いします!!」
俺は声高々にホールにお願いする。
「はーい!」
お、その声はもしや……
「ありがとうございます」
それは、砂漠に咲く一輪の花の如し!!アルバイトの大学生の女の子!!癒しだ~、これがあるから仕事頑張れる。
まあ、特に話すわけでもなくさっさとドリンクを持っていく彼女。
仕事の関係なんてそんなもんだろう。
さてと、他にお客もいないし少し暇なのでさっきの10名の面を拝んでやろうかと思いホールに出てみる。
なるべく自然に、何か取りに行くフリをしてホールを歩き回りお客のいる席を通りすぎる瞬間に横目でチラッと見てみる。
どれどれ、可愛い娘はいるかな~……
あれ?
おかしいな……全員男だ。
まだ若い人がいればあの、カクテルも少しは納得するが、全員俗に言うおじさんだ……
そうか、そうですか……
畜生!俺の楽しみ返せ!!さっきの気合い返せ!!
なんともまあ……
俺の経験なんてまだまだだな、固定概念に物事囚われてはいけないのだね、また一つ学んだよ。はぁ……モチベあがらないな~
「新規10名様です!!」
店長の声……おかしい!!今日は楽して……楽なはずだろう……
そんな常識はこの店には無いのかもしれない。
分かってる!!でも……認めたくないことだってある!!
はぁ……帰りたい
今日も一日がんばろう。
読んでいただいてありがとうございます。
素人なんで色々基礎はなってないと思います。
万人にうけるものと言うよりは、わかる人にだけ楽しめる物を目指しています。
今回は平日の早い時間のお話。
今後、忙しい時間帯や週末のバタバタした話、年末年始や休日の話なんかも、書いていきたいと思います。
お楽しみに!!
次回の更新は気分次第に……
なるべく遅くても月1位では更新したい!!
毎回、5分アニメくらいの内容で書いていきたいとおもってます。