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いつの間にか、群れる。

イケメソというのは奇妙な生物で、前日少しだけ会話しただけで翌日も話しかけてくる。いや、話しかけてくれる。


俺なら「うす」って聞こえないくらい小さい声で挨拶して、しなくなって、またそいつは知らない人になる。

ちなみにそれで学年で人気の女子とも話せなくなった。

【サトミ の ステータス は 50 下がった 。】


人間関係って、ステータスとして有効だよな。

ツイッターのリア充がラウワンに行った写真の中に一緒に写ってるだけて話振ってもらえるし。


俺の場合は部活の帰りにハメ外した動画を部活のグループトークに貼られて、マネージャーさん(♀)と話せなくなった。

もう部活なんていかない。


「...おーい。聞いてるかー?」

ムラムラ村上なんか言ってるお。


「えー...なんの話だっけ?」


「ポニテで可愛くても、家デートの時って髪下ろすからどうするかって話。」


「いや、制汗剤の匂いで石鹸の香り使うかクラッシュベリーの香り使うかで女の本性現れるってのはどうした」


このイケメソ、村上優希は女子に関する細かい話が好きらしい。

知り合ったばかりの俺に何故そんな話するのかって?


1.ガイ、吉田樹は同性愛者なので言葉が通じない。


2.他の男友達はリア充であり、爽やかイケメンとして村上を認識してるため、こういった話はしづらい。


3.知り合ったばかりの俺にならこういったキャラで定着していけると思った。


4.こういったキャラだということを、友達少なさそうな俺は広めなさそう。


1に関しては仕方ないかもしれない。


2のに関してはその友達、友達って言わないんじゃないかな。そもそも友達とはそこからどこまでの範囲か定義を...あー..それ友達いない奴のセリフだわって千葉県在住シスコンに言われそう。


3に関してはありのままの村上を見せられてる感じがするからいいや。


4に関して、それはちげぇ!

俺だって友達いるし!除菌用のアルコール机にかけてライターで火つけたり、虫眼鏡で先生の服燃やす奴とか...ほとんど不登校になったけどな...無茶しやがって...。


「って、お前らいつものリア充の輩とたむろしなくていいのか?」


「いや、僕は優希と大体一緒にいるだけだし」

吉田。生きてる。


「最近は、女子のグループとも接触してるみたいだし、俺らが抜けても大丈夫だよ。」


本当にそれ友達かよ。


それに接触て。「接近はいいけど接触は禁止」って知らないのかよ。

生徒指導部の決め台詞だろ。俺には無縁だけど。ンダァァァァァァ!!


「あれ!みろ!あのポニテ!」

村上が廊下を指差す。

そこには顔立ちの整った、結びめ高めのポニテ女子。


「あれは違うな。この前部活帰りを見たけど、クラッシュベリーの香りを持っていた。」

「【甘酸っぱい恋の香り!】なんてフレーズに煽られる偏差値低い系ってことですね。わかります。」

「君のような勘のいい子は嫌いだよ...」


「仲良いね君たち...。あっ伊勢丘先生...カッコイイナァ...(小声)」

「吉田と言うキャラをちゃんと認識した...」

「ガイ...いつも通り...変わらない...」

地味に韻を踏む村上のドヤ顔、この顔みる男は俺くらいだろ(ドヤ顔)


「あれ、久留島さんだ。ってもうこんな時間なんだな...。ガイ、戻ろう。」

「平林セン...あ、うん。」


久留島くるしま 亜希あき

ジト目のショートヘア、あの飾ってない感じがいい。

飾らない、場に乗せられない、それゆえに友達は少ないようだ。


行動パターンは大体俺と同じ、休み時間はカバーが掛けられてる本を読んで、授業中は空気として場に溶け込む。

帰宅部。


昼休みは予鈴前までどこかへ行っているようだ。だから帰ってきた時、村上と吉田が帰ったのだ。


なんで細かく見てるかって?可愛いものを注視するのはしょうがないだろ!不可抗力だ!

まぁ、要は俺のタイプってことだ。


中一から偶然クラスが同じというのもあって気にしてる。

スタンド持ってるならこれは必然的な事だがな。


授業が始まったので俺は机の下でラノベを読み始める。

真ん中窓寄りいちばんうしろの大魔王席ならニヤけてても目撃される事は滅多にない。


教師の呼吸・間を読み、絶妙なタイミングで黒板に目をむける。

そして気付いたように資料集を開けば、また板書を始める。

こんな事してると点数ひどいんじゃないかって?


我を舐めるな。実テ200/230位、国語偏差値38さ。

まじで純日本人。先住民。


まぁそんな事よりラノベだ。

夢と絶望と異世界召喚と妹が詰まってる!

妹か...妹...里見的にポイント高い!!


おっと...迎えが来たようだ...

zzz...


☆☆☆☆


「ちょっと、移動教室だよ。もう...しらないよ...。」

「ふぇぇぇ...」

だれだ...?天使か...?嫁か...?朝チュン...?


目の前に居たのは久留島だった。

てかジト目が怖い!可愛い!痛い!恐ろしい!


「ちょっとアンタ寝すぎ。音楽選択でしょ。はやくしたら?」

そう言って教室を出て行った。


教室に1人残される俺。

起こしてくれた久留島はもう行った。

起こしてくれたクラスメイトは1人。


ま、まぁ「こいつ寝てるから先行ってビビらせようぜフヒヒ」とか言って置いて行ったんだよね?仲良いとそういう冗談言うよね?


起こしてくれる人がいただけマシか...。

にしても、あのジト目かわい...怖かったなー...。


音楽は鑑賞。ウエストサイドストーリーの続きを観る。

マリアよりアニタ、アニタよりベルナンド、ベルナンドよりリフの方が好き。

この意見には、吉田しか共感しないだろうな。


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