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午後の農作業

 

 魔物を倒して鑑定してみると、レベルが上がっていた。

 やはり、レベルを上げるには魔物を狩って経験値を稼ぐのが早道なのだろう。


 ボーナスポイントが何故か1増えていたが、レベルが上がったことで増えたのではないだろうか。

 レベルが2になったときにも、ボーナスポイントが増えていたような気がする。


 レベルが上がるごとにボーナスポイントが増えるステキシステムなんだろうか。

 キャラクター再設定のスキルがない人はどうやって利用するんだろう。


 クソゲー決定。

 いや、人生なんてクソゲーだ。


 ……なにげにひどいよな。



 いずれにしても、レベルの上げかたは分かった。

 次の問題は、ジョブをどうやって増やすかだ。


 村人は最初から持っていた。

 盗賊はアレな方法で手に入れた。

 英雄は盗賊から村を守ったおかげだろう。


 あと、これまで見た中にあったジョブは、村長と商人と農夫だ。


 村長に、村長にはどうやったらなれますか、と訊くのはやめた方がいいような気がする。

 ノンプレイヤーキャラクターならそれもありなんだろうけど。

 下手をすれば、おまえは村長失格だから俺と替われ、と言っているようにとられかねん。


 商人になら、どうやったら商人になれるか尋ねるのはありか。

 農夫は、どうするか。

 そういえば、サンダルブーツを盗んだときに盗賊のジョブを得た。

 ものを盗めば盗賊になれるのなら、何か農作業をしたら、農夫のジョブが得られるのではないだろうか。


 農作業か。

 村で何かできるだろうか。



 俺はデュランダルを消し、村まで帰ることにする。

 デュランダルを消すときに思ったのだが、なにもデュランダルか銅の剣かの二択ではなく、武器五から武器一まで、全部試してみればよかったのではないだろうか。


 しかし、一撃で倒せなければ、魔物の攻撃を受ける可能性がある。

 回復するには、デュランダルのHP吸収が必要だ。

 いちいち剣を取り替えるよりは、デュランダル一択で正解か。


 銅の剣を腰に差し、右手には兎の毛皮五枚、左手に兎の肉を持つ。

 兎の毛皮は、ずいぶんと小さい。これで毛皮のコートを作ろうと思ったら、いったい何枚いるんだろうか。

 百枚とか二百枚とか、あるいはもっと必要かもしれない。

 きっと買取値は高くない。

 まあ、初心者でも狩れる魔物だしな――デュランダルがあれば。

 デュランダルさまさまだ。



 森の中を通って裏から村に入り、村長宅へ戻った。


「夕食の足しにしてくれ」


 村長に兎の肉を渡す。


「いただいてもよろしいのでしょうか」

「夕食を馳走になるからな」

「かしこまりました。これは……兎の肉!?」


 村長が何故か驚いた。

 兎の肉が残ると言ったのは村長なのに。


「たまたま残ったのでな」

「兎の肉はスローラビットを十匹ほども倒してようやく出るか出ないかというものでございます」

「ふむ」


 ドロップ率十パーセントというところか。


「一匹目で残るのは相当な幸運でございましょう。ミチオ様はよほど神に愛されているとしか思えません」

「いや、一匹目で出たわけではないぞ」


 俺は右手を持ち上げて、持っていた兎の毛皮を見せる。


「まさか……」


 村長がつばを飲み込んだ。


 いや、なんで驚くのさ。

 俺なら楽勝だろうってあんたが言ったじゃん。


「そこまで強い魔物だとは聞いていないが」

「ミチオ様なら倒すことは間違いなく倒せる魔物でございましょう。しかし、ミチオ様が行かれてから、まだ半日ほどしか経っておりません」

「まあそんな時間か」


 まだ日は高い。日が沈むまでには多少余裕があるだろう。


「スローラビットは、村人が何人も集まって、長時間かかってようやく倒せる魔物でございます」

「ふむ」


 確かに銅の剣だと少してこずりそうではある。

 デュランダルだと一撃だが。


「それに、一匹と戦った後、体力の回復も待たなければなりません。怪我人が出ればその手当ても必要です。普通、魔物を続けて狩るようなことはいたしません」

「なるほど」


 銅の剣を使っていたら、何度かはあの体当たりを喰らうだろう。攻撃を受ければ体力の回復も必要か。

 俺の場合、体力の回復もデュランダルのHP吸収に頼ったしな。


「ミチオ様が強すぎるのでございましょう。たった一人で短時間に何匹もスローラビットをしとめる者など、この村にはおりません」

「そうか」


 他の村人には厳しいのかもしれん。

 そういうことにしておこう。

 強いと言われて悪い気はしない。


「できますれば、お持ちになっておられる兎の毛皮は先ほどの商人へお売りください。この村でも縫合を行っております。なかなか、そんなにたくさんは狩れませんが」

「うむ。そうさせてもらおう」


 スローラビットはこの村の近くに棲息しているから、ドロップアイテムの兎の毛皮もここの特産品なのだろう。

 あまりよそには売ってくれるなということだろうか。


「ありがとうございます。商人の家は三軒隣でございます」

「では、行ってこよう」

「その前に、少々お待ちください」


 家を出ようとした俺を、村長が呼び止める。


「××××××××××」

「××××××××××」


 村長と家の者が話し、奥さんらしき女性が何か持ってきた。


「こちらの袋をお使いください」

「おお。すまんな」


 村長が袋を俺に渡す。

 ポーチみたいな小さな袋だ。紐で閉じるようになっているので、巾着袋というところか。

 俺はその袋の中に兎の毛皮を入れた。


「ではいってらっしゃいませ」


 三軒隣の商家へ行く。

 右か左か聞いてなかったが。

 あっちか。

 ものは置いてないが、入り口が大きく開けられた家がある。あそこが商家だろう。


 と。行く前に、買取交渉のスキルをつけておくか。

 キャラクター再設定と念じた。


 どうせ使わない、というか使えないメテオクラッシュのチェックをはずし、買取交渉にチェックを入れる。

 買取交渉が買取価格十パーセント上昇に変化した。


 またこのパターンか。

 必要経験値と獲得経験値を操作して、64ポイントを捻出する。

 買取価格は、十五、二十、二十五と上がって、三十パーセント上昇でかすれ文字になった。

 本当に使えるんだろうか。


「邪魔をする」


 声をかけて、商家らしき家に入った。


「これはミチオ様。どのようなご用件でございましょう」


 さっきの商人が中から出てくる。


「ここでは何を売っているんだ」

「私どもはこの村で唯一の商店でございます。基本的に、注文をお受けした品を町の市で手に入れて、お渡ししております」


 商品が置いてあるわけではないのか。

 ずいぶんと侘しいな。

 その程度の文明レベルなんだろうか。


「商品が置いてあるような店はないのか」

「……商品を常に手元に置いておくような商家は、そうしなければならない奴隷商くらいだと思います」


 商人がいぶかしげに語った。

 さすがに、奴隷は必要なときにすぐ調達というわけにいかないのだろう。

 だから奴隷商人ならある程度のストックを置いている。それ以外の店では商品を置いておくようなことはしないと。


 ひょっとして、奴隷を買いに来たとでも思われたか。


「悪い。変なことを聞いた。なにしろ、田舎から出てきたのでな」


 あわててごまかす。


「田舎であれば、商品を置いているような店はまったくないと思いますが」

「いや。町にはそのような店があるという話を聞いたのだ」

「さようでございますか。ベイルの町にも、そのような商家はございません。武器屋や防具屋なら、もっと大きな町に行けばあるいはそういう商家があるかもしれませんが」

「田舎者だと思われてホラを吹かれたのかもしれん。気にするな。それより、兎の毛皮を見てほしい」


 話題を変えた。


「兎の毛皮でございますか」

「村長にここで売ってほしいと言われたのでな」


 巾着袋から兎の毛皮を取り出す。


「これは……またずいぶんとお持ちなのですね」


 ずいぶんといっても五枚だけだ。

 さっき狩ったことは、いちいち言わなくてもいいだろう。


「買い取ってほしい」

「兎の毛皮の買取価格は、一枚二十ナールが相場でございます」

「うむ」


 ぶっちゃけ二十ナールと言われても分からん。


「もったいなくも私どもの店を利用していただくのです。今回は全部を百三十ナールで買取させていただきます」


 二十ナールが五枚で百ナールだから、見事に三十パーセントアップ。

 どうなってるんだろう。

 まあ、高く買い取ってくれるなら文句はない。


「それでよかろう」

「こちらでございます」


 商人は、白い硬貨を一枚と銅貨を多数、ジャラジャラとテーブルの上に置いた。

 白いのは銀貨かな。銀貨一枚が百ナールというところか。


「……二十六、二十八、三十。確かに、受け取った」


 銅貨を数えてみると、やはり三十枚ある。

 俺は兎の毛皮を入れてきた巾着袋に小銭を入れた。

 商人も兎の毛皮をしまう。


「私どもの菜園に今キュピコの実がなっております。取引させていただいた記念に、キュピコの実を差し上げたく存じます」

「キュピコ?」

「はい。よい苗を仕入れまして。ゆくゆくは村の特産品にしたいと考えております」


 俺がキュピコを知らないことはスルーされた。

 この世界では誰でも知っている有名なものなんだろうか。


「そうか」

「採ってまいりますので、ここでお待ちいただけますか」

「あ、いや待て。俺もキュピコがなっているところを見てみたい」


 奥に入ろうとする商人を引き止める。

 農作業をするチャンス。


「ミチオ様がでございますか」

「田舎の出身なのでな。そういうのには興味がある」

「かしこまりました。それでは、一緒に菜園まで来ていただけますか」


 俺は商人と一緒に表から外に出た。


「菜園を持っているのか」

「村に住んでいるものなら誰もが持っている程度の小さなものでございます」


 歩きながら、商人と会話する。

 情報収集は必要だ。


「この村には、農夫もいると思うが」

「村の外の畑は、農夫ギルドに属する者が耕しております」

「農夫ギルド……」


 そんなものがあるのか。


「この辺りの農夫はすべて農夫ギルドに属しておる者たちでございます」


 なんだかよく分からないが、大変らしい。

 農作業なんかしても無駄か。


「そういえば、……ビッカー殿はどうやって商人に」


 商人の名前を確認するのに鑑定を行ったことは内緒だ。

 便利だな、鑑定。


「私も商人ギルドに所属しております」


 基本的に、農夫になるには農夫ギルドに入り、商人になるには商人ギルドに入る必要があるようだ。


「俺が商人になるには、ギルドに入ればよいのか?」

「ミチオ様は商人になられるおつもりがおありになるのでございましょうか」

「いや。例えばの話だ」


 あわてて否定する。


「ミチオ様もどこかのギルドに加入しておられると思いますが」

「加入しては、おらんな」


 いないハズ。


「ミチオ様は冒険者ではいらっしゃらないのでしょうか。冒険者ならば、冒険者ギルドに入っておられるのが普通ですが」

「正式には冒険者ではないのだ」


 やべ。

 冒険者ギルドなんてものもあるのか。


「さようでございますか。ギルドに加入しないのは大変でございましょう」


 意外とあっさりスルーされた。


「まあ、な」

「ご存知でしょうが、ギルドは一つのギルドにしか入ることはできません。また、一度加入したギルドをやめることには厳しい制限がございます」

「う、うむ」


 そうなのか。


「どこのギルドにも加入しておられないのであれば、商人ならば簡単になることができましょう」

「ギルドに登録すればよいのか」

「もちろん、どの職業であっても神殿で承認を受けなければなることはかないません」

「当然だな」


 何が当然なのか。自分で言ってて分からない。

 どうやら、ややこしい手続きが必要のようだ。


「商人系のギルドには、この他に豪商ギルドもございます。こちらのギルドに入るには、長い間の経験を積まないと神殿で認められることはありません」

「そうか」


 よく分からないが、豪商は商人の上級職といったところだろうか。

 適当に相槌を打って、菜園に急ぐ。



 村のはずれに、どこにでもありそうな畑が広がっていた。


「ここが私どもの菜園でございます」

「おお。広いな」


 家庭菜園というには結構な広さの畑に、何種類かの植物が植えられている。

 どれも地球にもありそうな植物だ。


 あ。ニンジンがあるな。

 高さ一メートルくらいの植物の茎に、赤いニンジンがぶら下がっていた。

 へえ。ニンジンって、こんな風に実るものなのか。


 あれ?

 ニンジンって、実だったか?


「そちらが、キュピコでございます」


 ニンジンに近寄ると、商人が教えてくれた。


「ほほう」


 ニンジンではなくて、キュピコか。

 ニンジンは根っこだよな。こんな風に実ったりはしない。


「赤く実っているのが食べごろでございます。どうぞお召し上がりください」

「手でもいでいいか?」


 商人に確認して、収穫する。


「……いかがでございましょうか」


 二つほどニンジン、じゃなかったキュピコをもぎ取ると、商人が不安げに尋ねてきた。

 特産品にしたいとか言っていたか。


「このあたりにはニンジンはないのか?」

「薬用人参のことでございましょうか。森の中に行けば、あるいは」


 この世界にニンジンはないらしい。

 別に好物ではないのでどうでもいいが。

 いや。食べられないわけではない。ちょっと苦手なだけだ。

 なくてラッキー。


「俺の住んでいたところにこういう野菜があってな。少し似ている」

「さようでございますか」


 商人が期待を込めた目で見つめてくる。


「よ、よく実っているな」

「お味の感想を、お聞かせ願いますか」


 やっぱ食うのか。

 俺は意を決して、見た目ニンジンのそれにかぶりついた。


 おおっ。


 結構美味い。

 うん。味は悪くない。

 ちょっと酸っぱいサクランボ。

 ただし見た目ニンジン。

 すっごい違和感がある。


「……うむ。まあ味は悪くない。これならば売り物になるであろう」

「さようでございますか。ありがとうございます」


 商人がほっとしたように礼を述べた。

 ニンジンを知らなければこれもありだろう。



 ようやく日も傾いてきたようだ。

 俺はさっさと立ち去ることにする。



 帰り道、ジョブを確認してみた。

 ジョブ設定と念じ、ファーストジョブをいじってみる。



農夫 Lv1

効果 腕力小上昇



 あった。

 意外と簡単に手に入るものだ。

 この農夫のジョブは、収穫を行ったから手に入ったのだろう。


 何故かファーストジョブにも設定できる。

 前は駄目だったが、英雄もファーストジョブに設定できるようだ。


 サードジョブまでしか持っていないので、どれか一つ、はずさなければならない。

 効果が体力微上昇の村人より、腕力小上昇の農夫を選ぶべきか。


 必要経験値五分の一か獲得経験値五倍をはずせば、フォースジョブは設定できる。

 スローラビットと戦ったときに体が軽かったので、多分ジョブの効果は重複するのだろう(一番効果の大きい英雄の中上昇だけが効いている可能性もあるが)。

 効果の面では、ジョブは多ければ多いほどいいと思う。


 問題は経験値だ。

 四つのジョブを設定すると、経験値はどうなるだろう。

 サードジョブの盗賊が3にレベルアップしているから、サードジョブでも経験値が入ることは間違いない。

 入る経験値は、ジョブ一つのときと同じ経験値が四つのジョブすべてに入るのだろうか。それとも、四分の一ずつになるだろうか。

 経験値が分割されるなら、ジョブを絞ってレベルアップした方がいいかもしれない。


 分割されない場合はどうか。

 その場合でも、結局サードジョブまでの方がいい。

 ジョブが三つなら経験値は三倍、四つに増えても四倍だ。

 獲得経験値五倍の方が効率がよい。


 ジョブの数はサードジョブの設定のままで、ファーストジョブの村人Lv3を農夫Lv1に入れ替える。



加賀道夫 男 17歳

農夫Lv1 英雄Lv1 盗賊Lv3

装備 銅の剣 サンダルブーツ



 ファーストジョブとサードジョブには何か違いがあるだろうか。

 レベルの高い盗賊Lv3をファーストジョブに持ってくるべきか。

 しかし、今まで見た人間が誰一人持っていない英雄と村を襲ってきたやつらだけが持っていた盗賊は、あまり人目に触れさせたくない。気分的にできれば下の方で隠れていてほしい。



 村長宅に戻ると、ちょうど夕食の支度ができたところだった。


 夕食は、兎の肉のシチューと、何かの魚がメインの炒め煮。

 両方とも、かなり美味しい。

 この世界の料理は結構な水準にあると考えていいだろう。


 夕食に満足した俺は、明日のため早めに床につくのだった。


 あれ? ティリヒさんは?


付録

村人Lv25のおっさんの儚く悲しい生涯。

(一部未確定の設定を含みます)


0歳。

田舎の村で生まれる。

両親はともに村人。三つ年上の兄がいた。


10歳。

次男でもあり、将来は家を出ることを考えるようになる。

戦士として雇われるような堅苦しいのは好きではなく、特殊職、生産職に就けるような技術も頭もない。自由に生きたいと願ったし、幸い、腕白で力は強かったので、冒険者への道を志す。


12歳。

村近くに魔物が出たときの討伐に進んで参加する。


17歳。

戦闘面では村のリーダー的存在になった。

商人が町へ出るときの護衛も積極的に勤め、見聞を広める。


18歳。

村を強力な魔物が襲った。

中心となって戦い、なんとか倒すも、村民に多数の死者を出す。周囲の畑も荒らされた。

畑を荒らされたことから飢饉となり、体力の弱まった村民をさらに疾病が襲う。


19歳。

疾病で家族を失い、村を捨てて町に出た。

以前からの知り合いの冒険者に頭を下げ、パーティーに入れさせてもらう。待遇面などは劣悪だった。冒険者に転職した後に脱退することだけは認めさせる。


33歳。

ティリヒさん(17歳)を見て一目ぼれ。

しかし、雇われ探索者の身では積極的なアプローチもできず。


35歳。

こつこつとレベルを上げ、探索者Lv50となる。

神殿で冒険者にジョブ変更し、冒険者ギルドに加入した。

晴れてパーティーを抜けて一人立ちし、ついでにティリヒさん(19歳)にアプローチを開始する。

人生で一番輝いていたころ。ほむらのレイピアもこのころ入手した。


37歳。

ティリヒさん(21歳)と結婚。

ただし冒険者としては苦労する。長年パーティーの下っ端だったため、装備もそろわず、人脈もなく、人と交渉したりする経験もなかった。冒険者ギルド内でもやがて浮いた存在に。


40歳。

無理がたたって、怪我を負ってしまう。

怪我のときでも仕事を押しつけてくる冒険者ギルドともめる。冒険者のジョブを捨てて村人に戻ることを条件に、ギルドを正規に脱退した。

冒険者として生きることは諦め、ティリヒさん(24歳)の実家がある村へ一緒に行くことにする。


41歳。

長男誕生。

自身が中心となって、村近くの魔物の狩りも行う。片手剣に適性のある冒険者を辞めたため、村人としては鉄の剣をふるって戦った。

愛する妻のため、子どものため、村のために戦って生きる、それなりに充実した日々をすごす。


47歳。

村を襲った盗賊と戦い、戦死を遂げた。

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― 新着の感想 ―
ティリヒさん31歳か、高校生からすると確かにおばさんだな。 十分女盛りだと思うけど、村人Oの略歴を読んでしまったらちょっと手は出しにくいな…w
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