第六節 俺は俺だ!
前回のあらすじ
生徒会長、御園生真智と会うことになったが、どういうわけだ? なぜか秘密を知っている口ぶり。
それに親御さんを黙らせるためにこの女と同じ部屋って。
俺は、どうすればいい?
(ここが御園生生徒会長の部屋か……)
そこは女性特有の甘い匂いが立ち込めている。でもあまり住んでいる実感はわかない、部屋が広いのに少し殺風景だからだろうか。
見た感じ、ベランダから見える景色は校庭を覗けるからいい部屋ではあるのに。
あとはもっと明るい感じのピンクのクッションとかを添えれば、きっとここはにぎやかな場所になる。
あ~余計なお世話だな。
「ここの部屋は好きに使っていいから。もちろん常識の範囲内で」
彼女は真顔で何か含むように言った。どういう意味だ、おい。
「いったい俺が何をすると思っているんですか!」
「ある程度男のことは知っているから。雑誌がないと女性と一緒は辛いのだろう?」
エロ本なんて持ってくるか! 見られたかと思うと大事なところが縮み上がるわ!
これは冗談なのか? デリカシーのかけらもないな!
「別に辛くないです。それに女子からゴミを見る目をされるじゃないですか」
「心配しなくても大丈夫だ。その程度で済まないことはいずれ分かる」
どうしよう、マジで怖いよ。
彼女はもう優しく、風呂やトイレ、台所など詳しい説明をしてくれた。
でも、
それをされて彼女のスタンスが、認めているのか一つ下に見ているのか、いまいちよくわからなくなる。
(他の女子生徒と一緒で俺を観察したいんだよな? それとも実際はただの世話好きの女子なんだろうか?)
曲がりなりにも生徒会長だ。きっと生徒の見本になる優しい性格の持ち主……、
「さて、説明も終わったね。じゃあ、ちょっと着替える」
「わかった。俺は外に出て」
はらり、と彼女のネクタイが地面に落ちた。え?
「ちょ、ちょっと。俺がまだいるだろ!」
「モルモットがなにをいっている? 裸を見られたくらいで別に気にしないよ」
だってさー、俺は人間ですらなったよー。
短い髪を揺らしながら、長袖とスカートがベットに置かれた。魅力的なお尻が良心を粉々に吹き飛ばしてくる。
余りの唐突の出来事に思考回路はオーバーヒート寸前。これは、望んでいたことだったはずなのに!
「お前、それ男子全員にいっているのかよ‼」
「は? 君だけだよ。私にとって君は同じ道を志すライバルでもあり男性でもある、完全なる敵なんだ。
普通それの存在に気は使わないだろう?」
「敵ってどういうことだよ? 俺はお前に敵対心を持たれるようなことはしてないぞ!」
「本当にそう思う? 私が解決するかどうか迷っていたダイヤ事件を、君は直ぐに解決できたのに?」
「あれは俺もどうしてしてしまったのか分からないんだ。だから、火事を解決しようとしたお前の方が立派だ!」
ため息を吐く御園生生徒会長。理解していないと言いたいようだった。
「そうであるにしても、君は力を示した。なら、白黒つけたいと思うのもこの学校の生徒なら正しい行動なんだよ」
お前ら戦闘民族か! めんどくさい学校だな。 なんてところなんだよマジで。
え、あれ。俺は気づいた。なぜか、可笑しな方向に会話が進んでいる?
「もしかして俺達戦うんですか?」
「ああ、丁度生徒に披露するデモンストレーションをしたかったし、一年達の中で一番目立つ君となら成り立つと思ってね」
下着姿の彼女がクローゼットから取り出したのは、学校指定の戦闘服。
こんなことなら、超能力を持つんじゃなかった。
俺はそんなことを思いながら走って生徒会長、プラス自分の部屋から外に逃げ出した。




