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第五十九節 変わっていく

前回のあらすじ

もう二日たった。

どうやら焦り過ぎてしまった、死ぬかもしれない力に手を出す必要はなかったんだ。

思い出せ、最初から俺には刀しかないんだ。



「真智?」



「もう、呼び捨てで呼ばないでくれない? 私達は目が覚めたんだ。『丈様をきちんとわけあい隊』も名称変更する。これからは『剣神をきちんと分け隊』となるから」



 うん、どう変わったのだろうか。ちっともわからないぞ。




「この団体はあなたを二つに裂くことを至上目的に据えた団体。あなたは最低な人だとわかりましたが『ハグ』ポイントでぼろ儲けも出来たし、過去を洗い流すのには十分すぎると思わないと」



 彼女は俺との距離を遠く感じさせようとする。目線を合わせて。厳しい目の奥にわざと気持ちを描く。



 ショートカットである赤髪の色と反比例している、静かな安らぎが見えた。



「敵が多くなったね。今日は、宣戦布告のつもりだから、その≪序決七位≫、必ず貰う!」



 渡して仲直りできるのなら、さっさと渡してやりたい。彼女は自然発生にしては強い力を持っている。とても心強いことだろう。



 その彼女が、いつもの力を使わないのは。



「いつでもこい。待っているぞ」



「ええ、精々あぐらをかいていなさい!」



 俺と真智はすれ違う、お互いの生きたい道を回り道しながら



 安定していたもの全てが、脆く崩れ走り始めた。



 今日飲み物の炭酸、胸が痛いくらい染みるなぁ。



「はぁ、はぁ。遅い! 飲み物買ってくるのにどれだけ時間がかかってんだよ!」



「悪い、少し気合入れられてきた」



「つまらない嘘なんてつくなああああああ!? おいおい、炭酸しかないじゃん! 体動かした後は飲まないだろぉが! 頭おかしいんじゃないか? もう俺が買ってくる、って今出たら不法侵入じゃん! ああ、窮屈だぁああああ‼」



 ドカンガタンと相当頭に来ているようで暴れ散らかしている音が聞こえる。


 仕方ないか、ここ二日くらい休憩もなしだったからな。



「おいおい、余り無駄な体力を使うなよ。タイムリミットは明日なんだぞ?」



 飲み物を隅に置いて勝倉の方を向く、しかし彼はぽかんとしていた。




「え? 俺じゃないぞ?」



 お前以外誰がいるんだよ、証拠はこの音だ、現に今も聞こえて、聞こえて?



「警察だ。今すぐにそこを通しなさい!」



「警察がこんな夜更けにどうされたんですか⁉ 何か事件ですか⁉」



「今は伝えている暇はない‼ これ以上邪魔すると公務執行妨害とみなす、早くその扉を開けろ‼ おい、やれ‼」



 扉をこじ開けようとする爆発物の音、



 ここにいる限り外の音は聞こえないはず。これは、超能力で危険を伝えてくれている!



「ここは今、生徒会長が利用しています、生徒会長が何かしたのですか?」



「嘘をつけ、さっきタレコミがあったばかりだ。ここに方後丈がいるはずだ‼」



「仮に方後君でも、何か問題が?」



「こちら、はい。難航しています。特殊部隊の投入を」



「丈、この声は? 外で何が起こって!」



「いいから! 早くこの部屋から逃げるぞ、不味いことになった!」



 明らかに俺を捕まえに来ている、まだ俺には、やることがあるのに‼



 どうすればいい、どうすればどうすれば‼



 逃げようと思っても扉は塞がれている! でも、今使える俺の力だけじゃどうしようも、



「【武将刀召喚(ウォーロードソードキネシス)】‼ 俺に、答えをくれ‼」



 手をほとんど無意識に上に伸ばしていた。ジグザグに亀裂、縦、横、斜めにどんどん時計回りにズレて鼓動していく。



 俺の力が必死に答えを探そうとしている、俺は信じ切れない思いを振り払いながら、それでも信じる!



「これは?」



 掴んで引っ張ってこれたのは鬼丸(おにまる)(くに)(つな)、だった。こいつで、何が出来るのか?



「勝倉、コイツを掴め!」



「おう? わからないが、わかった‼」



 飛び込むように勝倉は掴もうとしたがスカッてしまう。顔を強打したがそれでも鼻を抑えながら二度目に伸ばした手でやっと掴むことが出来た。



「いくぞ、舌を噛むなよ!」



「はあぁあああばばばばばばばばばば‼」




 鬼を切る刀、別世界に繋がりがあり妖怪も切り伏せる。



 それは、別の三次元に移動することによって疑似的に、




 拡張され続けた結果、刀が身に付けたのは、



『テレポート』



 扉が壊れた!



「一人も、逃がす、な?」



 誰も、いない。でも誰かがいた。



 炭酸のペットボトルがシュワシュワと生き生きとして、彼らを出迎えていた。








『今世間を騒がせている、濃姫と呼ばれています侵略者は国宝の帝都ジオリホテルに立てこもったようです。それを手引きした人物は今のところ不明ですが、ほぼ確実に方後丈容疑者とする見方が強く警察は世界最初の男性超能力者の捕縛を』




「大丈夫、あなたならこの困難を乗り越えられる、だって私を助けてくれるぐらいなのよ? 私の情報に価値を与えたぐらいで」



 ラジオから漏れる声に部屋の主、元生徒会長だった女性は首を振る、



 彼女は彼女でこれからが勝負だった。



 もう、主人公だけに勝負は、させはしない。




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