第五十四節 ワンツーマン
前回のあらすじ
よくわからないまま黒歴史を増やされている。
これじゃ、勝倉を笑えないじゃないか。
根本がしてくれる行動力で強くなれる、どういうことだ?
心の中の会話は誰にも聞こえない、よな?
俺はとりあえず根本が声をかけた六人に、放課後からそれぞれ一時間ワンツーマン指導をすることにした。
これで何が変わるのか、俺には分からないが時には人の言うことに従うことも必要だろう。
信頼、している。及び腰なのは気にしているんだよ。
「いいか。まずは武衛大のオンボロ小屋で話したことを整理しよう」
「はわわ、はいい」
彼女はビクッと震え、周囲をきょろきょろと見渡している。
取って食いはしないよ。そこまで挙動不審になるな!
「こんなところ見られたら、いえ、今のところは大丈夫なはず」
「おい、聞いているか⁉」
「はい、聞いています」
変わって、創造隊リーダーは冷静だ。メモを取り出して一言一句取り逃さないつもりである。
さっき一時間付き合ってやった『ははは、はぃいい‼』といっていた女子生徒よりもコイツはしっかりしている。、大丈夫だろう。
さて、さっきの女子生徒の時に上手く説明できたことをコイツにも教えないとな。
「先に謝っとく。あの時の俺はまだ、しっかり理解していなかった」
「ええ、詳しいのか詳しくないのか。よくわからなかったですわ」
学級委員長だ。前俺が説明したときに使ったからか、ホワイトボードを持ってきてそれに図を書き写している。
所々、注意書きや、こんな感じじゃない? と書き加えられている箇所もあった。
それ、もう下校時間過ぎているけど返すの? もしかして、私物ですか??
ごほん、いい。気にしていては話が進まない。
「隠すのは嫌いだから今話すけど、昼休みに話しかけてきた剣神様は誰? やっぱり、敵?」
「おい、次元隊リーダーのお前がいきなり四次元フィールドを広げるな。だぁああ、せっかく置いて行ってくれたホワイトボードがぁ。壊すなぁ!」
「えへへ。剣神~さま~! 私達、『二階図書館同盟』は貴方についていきますよ~」
「とか言いながらホワイトボートを盗もうとするな‼ お前ら、なんだ‼ いや強くなるからって、嫉妬だな‼ せっかくワンツーマンをやりやすくしてくれるために委員長が置いていったのに‼」
「いやん、嫉妬は剣神様に対してです~! せっかく委員長を狙っていたのに‼」
「帰れ~‼‼」
「キョロキョロ、キョロキョロ」
あ、足ガクガク。この銭湯の時に歓声を上げた、眼鏡さんで終わりなんだ。頑張れ俺‼
「剣神様と付き合っているヴァイマンくんは? それとも、くんくん。別な男の匂いがする」
「帰らせて~‼」
俺は、繰り返して説明すればいい。それなのに、
どんどんキャラが濃い人が出ていて頭が付いていかない。
ゆっくりでいい、思い出せ。ええ、と。
「人間は超ヒモ理論でいくと九次元の動物である。そこは理解しているな」
「はぃい‼」
「この際だ。正しいとか、正しくないとかはおいておくぞ。そう、いいかえて話すと九次元は、『パラメーター』と同じだ」
「『パラメーター』ですか?」
「そうだ。ゲームでよくあるだろ? 自分の成長グラフと思ってくれ」
「フムフム、『パラメーター』」
委員長は九つの線を掻きそれの近くにパラメーターと書き加えた。
「で、『パラメーター』といったが普通の人間はほとんどその『パラメーター』に変更はない。でも、九次元に魔法、次元能力、錬金術を司っている次元があることからも分かるように『個性』を出すことができるんだ。ゲーム風に言うとどの職業でも魔法主体になって補正をかける感じだな」
「ええ⁉ それだと折角の筋肉がむだになるじゃないか!」
筋肉って、超能力者ですよね? もしかして体を鍛えていらっしゃる?
「帰れと言ったがここまで話したんだ、もう帰さないからな。質問は?」
「はいは~い。その『個性』は変えられるんですか~」
「俺達には無理、ん?」
そうか。理論をコンバートすればあるいは、俺は強くなれるかもしれない。要研究だな。
「まてそれ以上近づくな‼ お願い近づかないで‼」
「ふんふん。もっと近くで聞きたい。いいでしょ?」
「離れろ! だから‼ 俺達はもう、超ヒモ理論という空間次元の『個性』の中にいる、これは変えられない‼ そこで、大事な話になるのは『どういう回路を作るか』だ‼」
一気に話す、ここは一番の勝負所だ。
「魔法を使う場合、一番効率がいいのは創造の理論だろう。魔法理論で魔法を使うんだから当然だ。しかし、俺達は違う。魔法を放つとき、空間から創造に力が変換されていて空間が減っていき回路が一時的に処理が追い付かず、ロスが生まれているんだ。つまり、『ロスを気にせず直接創造を鍛える』とか、『ロスを小さくするために空間を鍛える』、など色々な回路の作り方があるんだよ」




