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第四節 女性だらけの新生活

【前書き】

前回のあらすじ

超能力を見せてしまった方後丈。それに受けて国はどうするのか⁉



どういう状況だ、これは?




 ひそひそと新入生達が噂している。そう、目立っているのだ。

 なぜかって?


 それは去年、俺が政府の約束を破って超能力を使ってしまったのが原因だった。



 ~去年~

「ああ、やってしまったねぇ~丈くん。これは言い逃れできないよ~」


「うるさい! 俺もどうしてあんな行動してしまったのか、分からないんだよ‼」



 無造作に置かれたクッションに顔を埋めて耳を塞ぐ。本当に俺。どうしたんだろう?


 テレビも傷口に塩を塗るように、今回のことを大きく取り上げている。


『これは現場に居合わせた一般人が撮った映像です。この空間の割れ方、完全な超能力です。でも使っているのは明らかに男性なのです! これについてどう思われます⁉』


『はい。これは詳しく調べてみましたが元々女性だった、という特殊な状況では全くないそうです。つまり先天的に男性が超能力を使うことが出来た。いやはや、驚きましたよ』


『これを受けて各国は男性に超能力を持っている者がいないか、調査を始めるとのことです。これは国家問題的にも無視できない話題です。なぜなら今、均衡を保っている男女平等が崩れ去るかもしれないのです!』


「でも、不幸中の幸いだね~。君が完成したということはバレていないみたいだ」


「バレたのと同じだよ! 今日もここに来るのに視線が痛いくらいに飛んできたんだけど!」


「そんなことどうしようもないだろう? それよりこれからのことを考えよう」



「これから?」



 ソファから顔を上げる。研究室の冷たい床からコツコツと長谷川博士の足音が響き、俺の傍までやってきた。



「君は、これからどうするかってことさ」


「どうするって、将来のことですか?」


「そうだよ。もしかしてこのまま普通に中学を卒業して高校生になれる、と思っているのかい?」


「それは」


「無理だよね。世界唯一の男性超能力者。その価値は、君が考えるほど簡単なものじゃない」

 長谷川博士が髪を上にかきあげる。その癖は、これから大事な話をするときによくやるやつだ。


「いいよ。入ってきて」


「失礼します」


「は⁉」



 入ってきたのは黒スーツに、デザインが大人しめのネクタイをつけている硬い感じの男性だった。髪もテレビでよく見かける政治家のものとほぼ一緒だ。


 それに倣って、すべてを見透かす目をしている。明らかに一般人ではなかった。



「あなたは、誰ですか?」



「申し遅れました。私は政府の超能力機関、その責任者をしている長谷川先生の後輩です。実は今までの国の助言は私から博士に伝えました」


「紹介するつもりはまだなかったんだが、君が行動を起こしたことで事情が変わってね。会わせることにした」



 俺は何かを失ってしまうことに、怖くなった。直ぐに空間に穴を開けようと手を上げる。対抗しようとした。


 すると黒スーツの男性が、手を挙げて静止を促す。

「待ってくれ、悪いようにはしない。テレビは騒いでいるが君が能力を持っていることを問題にするつもりはない。研究はこれからも完成させたことを隠そう。その代わり、といってはなんだが来年から行ってもらいたいところがある」




 ちょっと待ってくれ。えっ⁉




 ~今~

「凄いわよね。飛び級で入っちゃうなんて」

「どうしよぉ~。ちょっと声かけてみてよ」


「む、無理無理。男性なんて競争相手としか思ってなかったし」


 凄く、辛い。会話をする人がいない。元々陰キャだったしても高校デビューのチャンスさえなかったのは、俺だけではなかろうか。


 国の人間が提案してきたのは、早くも中三で高校生になれという無茶ぶり。

 でもそこはいいさ、しょうがないと思う。息がかかった学校に早く入れないといけなかったのだろう。


 いいやでもせめて男子高、くそ他に男子はいないのだった。だったら女子がいる共学の学校が良かったよ。悔しい、なんで男が恋しいのだろう。


 席替えの楽しみもさ、もうどこでもいいよ。だって、


 ここは峰空高等学校、お嬢様学校の超能力者育成機関。もちろん女子高だ。すなわち、隣に来る女子は必ず美少女である。


 自分で言っていてすごいなとホントに実感する。きっと世間では、このハーレム野郎! と騒がれているだろう。


 唯一、運がよかったと思えるのはあいつと同じ学校に通えることだろうか……。


 チャイムが鳴る。それに合わせて廊下のそばに寄った女子の塊と窓側に寄った男子の塊、つまり多対俺の構図がそれぞれ席に座ることでキレイに整えられる。


 良かったな。俺のおかげで女子、仲良くなったじゃん。感謝しなよ。


 コツコツと先生が近づいてくる音がする。二つ聞こえるので一人は副担だろう。


 男性の先生にも期待できそうにないよなぁ。



「はぁ~い。皆さん! 席について~」


「げぇ‼」


 期待以上にヤバい奴だ、これ。



「こらそこの男子~‼ 私がいい女だからって驚きすぎだぞぉ~。 気になっちゃうのかな~?」


 ザッと女子生徒からの視線が俺に集まる。


 それは見たことのある顔、だらけきった少しエロい体をこれでもかと見せつけてスーツを着ている。長い白髪はここ半年で結構伸びたらしい。地面に付きそうだ。


 長谷川博士、かっこ先生になった姿。スーツ姿を見るのは初めてだった。


「さ~皆が気になる男子は置いといて早速ホームルームを始めるよ~。まずは私の自己紹介から、永遠の二十歳で~す。長谷川レイアといいま~す」


 ハイテンションで飛び跳ねたりしている。おい、親近感がわく行動をするなよ。これじゃ博士、なめられるぞ。


「きゃ~先生かわいい~」


「先生ってあの、超能力理論を匿名で発表した博士と友達なんですよね! カッコいい‼」


「先生が担任になってくれて嬉しいです!」



 ……、結構評判がいいじゃないか。なんでだよ⁉



「いや~、ありがとう、ありがとうね~」


「ごほん! 先生……先を進めてください」


 副担に注意される。よかった。彼女だけはいたってまともな先生らしい。先生に睨みを利かせている。


「わか、わかったよぉ~。では。みんな、まずこのクラスは他のクラスとは別に違うところがあります。さて何でしょう?」

 髪をかき上げる。いつもの集中する癖だ。



「男子がいるところです!」



「正解。では男子は私たちにとってなんでしょうか?」



 手が多く挙がる。え、俺ってなんかここにいる理由あるのか。ただ、安全だからいるんじゃないのか?


 博士が一人を指名する。おしとやかそうでかわいい感じの生徒が席を立った。彼女は当てられたことでほんのりはにかんだ顔をして、

 口から、想像できない発言を繰り出した。



「はい、プライドを徹底的に折るライバルです‼」



 ん? 俺って、男の大事なものを失っちゃうの?



「そうです! この学年は特別に同学年の超能力男子が確保できています! これは共有財産、他のクラスも使うことになりますので彼だけはカリキュラムが少し違うことになりますね」


 しかし、と博士は俺にウインクをした。


「ですが、同じクラスになったということで男であった場合の癖、危機管理などをこのクラスは観察することが出来ます。これは大きなアドバンテージです。この利点を使ってまずは学年トップを目指してください。期待しています!」


『はい‼』


 嘘だろ、俺って、女子の出世の道具ですかね?


 帰りたい。ていうか、中三に戻りたい。



朝から夜の八時に投稿することにしました。よろしくお願いします!

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