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第三十六節 俺って?

前回のあらすじ

デートを手に入れたい少女達がしのぎを削る!

根本さんもその一人であったが、その奇想天外の行動に

現場は加速していくぅ!




「世良さん、とうとう白黒つける時が来ましたよ」



「そうね。この日を待ち望んでいたわ!」



「誰が、一番丈様の傍に相応しいか」



「誰が、一番丈のことをわかっているか」


『絶対、負けない‼』


 うん。白熱しているようだが俺には関係ない。たぶん。


 愛乃にしっかり勉強させてくれる戦いを見せてくれるかが不安ではあるがね。



「う~、流石に幼馴染と真智かいちょーにはかなわないか~」



「そんなことない。お前もどっちかのタイプを決めればすぐに追いつけるさ」



「そのことじゃないけど~。くそ~」


 俺の超能力理論はそんな差別的に作ってはいない。国の交換条件で男子は超能力を使えないとなっているけど、


 本当は嘘だからな。


 使いやすい能力はあるかもしれないが、どんなものでも極めれば、少しぐらい世界を変えられるだろうさ。


 と俺は思っている。でも、


 世良だけには勝てない、絶対に、俺でも。



「それでは戦闘準備!」


 世良は半円状の剣、ショテルを空にかなりの数浮かせている。


 一方、真智の方は小さめの宝石が空中に出てきた。パールっていうのか、あれ。


 それが砕け散る。は! また俺の記憶から消えていく‼


 御園生真智の超能力、【因果律(エム・オー)の改変(コーザリティネシス)】は御園生から聞いた話によると色々なものから存在を吸収し、因果力に変換して戦う力であるらしい。


 宝石等が世界を変えるエネルギーになる、と。どうなったかは二十年前に超能力理論を持って行ったことと同じで調べないと分からないだろう。



「真智の方は、俺の知っている限りバランス型だ。先輩達と鍛え方は同じだったって聞いたことあるか?」



「うん、だいたいはね。昔の学校で先輩の言うとおりにしていたら学校で浮きすぎるくらい強くなっちゃったらしいっていってた~」



「それは起点、創造、空間を均等に鍛えた結果だからだ。奇しくも彼女の何でもできる力と嚙み合ったってことだな」



「ええ~? こーちそのきたえ方、私達にはやっていいっていった~⁉」



「言わなかっただけだ。それに次元を鍛えることは共通だ」



「え~ん、うそつき‼」



「でだ、世良は俺の言う通りしているなら、一点特化型だろう。さて、ここで問題、どこでどういう風に、判断していると思う?」



「わからないよ~!」



「よし、そこを調べてみろ。ここからは自分で考えたほうが早い」



「え~」



「でも俺のやり方で鍛えた結果、かなり力は上がっただろ? そのままでいいかもしれないぞ」



「うん、そうかな~。明日からちょっと均等に鍛えるくんれんしてみるか~」



「頑張れよ。型にハマったら、お前もあんな戦いが出来るようになる」


 無数のショテルが飛んでくるのを空気で固めた壁を作りなんなく防ぐ真智。


 世良は世良で、真智が飛ばしてくる使い終わった硬い空気壁を円型トリガーの小型銃を使って一撃で壊す。



「流石だ、世良さん」



「ふん、まだ本気じゃないでしょう? お互いにね」



「ふふふ、では、ちょっと本気を出すね」


 彼女が取り出したのは、値段が高くつきそうな懐かしい虹色のビー玉だった。


 上空に放り投げる、きれいに破片が飛び散って割れたビー玉は、今度は逆に割れた位置で破片を吸収していく。


 圧縮されていくと言えばいいのだろうか、例えばそれは、超新星爆発を見ていると思うほど。


 空に浮かんでいると勘違いさせるくらいの二番目の太陽がそこに、生まれた。



「へえ、見た目だけは凄いわね。見た目だけは」



「そういわないで。あなただから使うちょっとした大技なのだからさ」



「じゃあ、力比べしましょうか」



「お手柔らかに」


 世良はきっと、「方円」を使うつもりだ。囲碁のように、陣地を広くとっているほど威力が強くなる世良の十八番おはこ


 相手の動きを制限するように、戦闘範囲いっぱいの地面に突き刺さる無数のショテル。


 それは彼女の陣地になり、完全に真智を囲んだ。



「さあ、『あたり』よ!」


 これは、ヤバいな。さっさと逃げよう。



「あれ、ちょっと、と!」



 真智の生み出した太陽がぐらぐらと揺れ、赤くなったり黒くなったり、点滅し始めた。



「世良さん。ごめんなさい」


 技をぶつけようとした世良は動きを止める。


「なによ。何で謝るのよ!」



「どうしよう。威力が高くなり過ぎて制御できなくなっちゃった」



『は?』


 世良だけではない、校庭にいる生徒全員が素っ頓狂な声をあげた。



「どうやら、『矛盾の解決』が働いたみたい。ということで、死なないでください」



 要領を得ない言葉、でも、最後の文の意味は全員に辛うじて伝わった。



「試合中断‼ みんな避難、避難ー!」



 長谷川先生が叫んだタイミングは、絶妙だった。








 その日学校には、テレビ局が大勢詰めかける事態になった。

 軽く地面が揺れて、学校周辺の木々から鳥たちが飛び出していったり、余りのファイヤボールの大きさを見て近隣住民による苦情の電話が職員室に鳴り響いた理由と同じことを聞きに来たのだ。


 校庭にできた、隕石が落ちたと錯覚させるほどのクレーター。


 そこが遠めに見える生徒指導室で、世良、真智、長谷川先生と……なぜか俺が校長先生に怒られていた。





 え、なぜ?



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