第三十五節 戦争
前回のあらすじ
転校生は青髪の紳士的な男性だった!
どうするじょーくん? ハーレムではなくなった(もとから違)よ?
ちょっと悔、しいです。
ってそれより姉貴、いったい何を始めるつもりだ!
校庭で、俺達クラスはかなり緊迫した内紛状態になっている。
「学級いいんちょー! きょーこそあなたに勝つる!」
「ええ、全力で相手して差し上げますわ」
え~なぜこうなったのかというと、
「ただのくじ引きにするなんて私達の学校ではありえないよ~。よって、こんなのを用意をしました!」
ドンと置かれる、かなり重そうなくじ引き用の箱。
え、ドンて……。誰かを撲殺したいんですか?
「ここに当たりのくじが一つだけ入っている。そして外れは無数です! 唐突だけど、これから一年生でトーナメントをして貰います」
「長谷川先生、まさか――」
「そう、そのまさかなのです。勝ちあがった数だけくじを引く権利を与えま~す。あ、もちろん引けば引くだけ外れに番号が振ってあるからその数が多い人にもしかしたら、権利が与えられる、かも?」
おう。女子生徒達は、目線でお互いをけん制しあう。
「委員長、には勝てないからまずは準準決勝までいくことが」
「能力が把握できていないのは、世良さんだけ」
「うふ~勝つつもりだけど、わたしはうんだけは良い方だから」
それぞれが自分に見合った作戦を、短時間で構築する。
「よしよし、ではみんな、他のクラスと合同で動くから戦闘服を着て校庭に集合~!」
待て待て、これはデートという名の学校紹介だろ? 意識が高すぎじゃないですかね⁉
「やっぱり最近の女子はかっこいいね、方後君も、そう思わないかい?」
近づいてくる話題の人物。今の時代の女性に慣れているのだろう。
嘘だろそんな、俺がおかしいの?
「ヴァイマン、いいのかよ。デートの相手が決められているんだぞ?」
「? 別に普通のことじゃないかな。それに、強い人から話を聞けるなんて最高じゃないか。」
あれか、お前も戦闘民族なんだな。失礼、男子はみんな意地で戦っている物ばかりだと思っていたよ。
そもそも、お前だけだよ。超能力者相手に恐怖しないのは。
そんなそりの合わなさそうな相手でも、友達になったほうがいい。
ということで、つつがなく自己紹介を切り出した。
~*~
とまあ、こんなことがあったところだ。
「う~ん。いっかい戦、まけた~」
「お疲れ様。じゃあ検討会もかねて、実況をお願いね」
「ふぁ~い」
トーナメント式だから、すぐにやられたらやることがない生徒もいる。
と、俺は思っていたのだが、
「コーチは~いた! ねえねえ、一緒にかんせんしよ~」
『は! その手があったか!』
近づいてくるのは超武戦の起点リーダーであるちょっと気の抜けた声で小柄、紫の髪をポニーテールにまとめている根本 藍乃さんだ。
うん、ちょっと苦手な相手である。それは、
甘えたと思ったら、小動物のように逃げ出し。逃げ出したかと思ったら、目を爛々と光らせて捕食者のように質問しに来る。
なにか、つかず離れずを体現したような性格の女性だ。
そのことで、いつも女子生徒は彼女の行動に驚かされているらしい。
『藍乃の振り見て我が振り直せ』、俺がつい覗いてしまった、『丈様をきちんとわけあい隊』の家訓だった。
「実況を頼まれたんじゃないか⁉」
「ん~いいのいいいの。こーちはわたしの試合を見てどう思った~?」
「お前の?」
「そうそ~、もっとね、ガツンとね、いっぱーつ当ててやれば勝てる方法とか、教えて?」
近い、どんどん俺に近づいてくる!
ていうかお前ら、ちゃんと試合しろ! こっちに攻撃を飛ばしてくるな!
「確かお前の力は相手を操る系だったな」
「うん。こーちのおそわった通り、起点の量を増やすくんれん、しているけど。超武戦から変わっていない」
「バランスはどうだ?」
「バランス? 何それ美味しい?」
「いや、わかっているだろうが食べ物じゃない。そもそも、この世界は九次元がバランスよく成り立っている。
体質で一つの次元に打ち込む方がいいやつと、バランスよく伸ばして次元絶対量を増やすことがいいやつがいる」
「ほえ~、そうなんだ。どうするの~」
「そう、か。なら昼休み空いているか? 詳しくおしえ」
ドカカカカン‼‼
「せ、先生。御園生さんが時間を圧縮してトーナメントを進めてしまいました。次で、決勝です!」
「そうなの~。で、誰と誰かな?」
あそこに、とその手が指し示す方向を見ると、真智が世良とにらみ合っているのが見えた。
また真智無理しやがったな。あれほど繊細な能力なんですって言っていたのに。
「ちょうどいい。彼女達で説明するよ」




