第二十九節 愛の重さ
前回のあらすじ
丈達のそばにいつの間にか現れたのは、信長のお嫁さんである濃姫という
謎多き少女だった。
混乱する二人、世良は本物か確かめるために攻撃を始めてしまった!
「うるさい! 本当に刀なのかどうか確かめたかったの‼ 悪い⁉」
「お前、知らないだろうから言うけど当たったら即、俺が死んじゃう攻撃なんだぞ!」
「ふん! 少しは死にかけたほうが私の優しさを分かってくれるんじゃない?」
「わかるか! その前にあの世の神様の優しさに触れてしまうわ‼」
「丈様、大丈夫。私も一緒に逝きます」
「お願い! 怖いからもうちょっとドライの関係になろう⁉」
「いいえ、私はもっと深い関係になりたいです」
真智が男がコロッと勘違いしてしまうであろう体の押しつけかたをしてくる。それを見て世良の怒りのボルテージがあがっていくぅ!
ドタバタと、図書館の中なのに‼
俺の収拾能力が限界を迎えたと感じた、そのとき、
濃姫が話題を振って話を逸らしてくれる。もっとも、ほどんどお前が原因だから助けてもらったとは思わないが!
「信長様。お取込み中だと思いますがこちらにも伴侶の方々を紹介してくださいませんか」
「違う、結婚していない! まったく。濃姫、紹介する。ピンクの髪の女子が」
「苦手分野、家事洗濯、裏切る心配はないか、私達へのメリット等々を聞かせてくれれば十分です。名前を覚えるつもりはありません。全部をまとめた特徴で覚えるので」
ええ~。それって名前覚えたほうが早くない? あれか、武将の嫁だからいちいち覚えていられないのか?
でも、状況が更に深刻化した気がするよ。
「は? それはないんじゃないかな。濃姫さん」
ここで、真智の言動がキリッとしたものに変わった。いいぞ! いってやれ! 生徒会長だったカリスマ力で、濃姫に常識というものを教えるんだ。
「丈様、その引っ付き虫の名前を覚えたくないのは理解できる。でも恋のライバルというものを、あなたは簡単に考えていないかな? 名前はもっとお互いを知る、大事なものだよ」
う~ん? 少しおかしいが言っていることは理解できる、ような気がする。
「なら、あなたはそれで信長様とどんな関係を築けたの?」
「私と丈様は付き合っています。デートもしました」
「は? さっきの嘘でしょ? どうなの丈!」
「う、深いわけがあって」
「それを聞いているのよ! 付き合っているのいないの⁉」
「でーと、というのは逢引きのようなものでしょうか。ふふ、話になりませんわね」
「……あン、なんといったの?」
「私と信長様はそんな小さい話ではありません。文字通り、私の体を貫いてくれましたわ。
それはもう愛を感じるほどに」
「は??????????」
「丈様、詳しく聞きたいのですが」
「ま、待て。嘘だから、俺はそんなことしていない‼‼」
「では、証拠を見せましょう」
いきなり図書館で、濃姫が衣服の前を開き始めた。健康的な肩から色気がもれだしていて、今にも犯罪者に間違えられそうです。
「ほら、ここです。見えますか?」
裸になった濃姫は、俺は目を逸らしていたから予想でしかないが、何かを女性陣に見せたらしい。
「あ、アンタ。恥ずかしくないわけ! 服、服を。あぅ、きれい」
「近くに寄っていいですよ。よく見えるようにしますね」
「で、でも、それが証拠にはならないわよね」
「ふふ、でしたらここで実践しましょうか?」
「ええ⁉ ははは、く、はにゃああああああああああああああああああああ‼」
世良が壊れた! 頭が混乱している状態で濃姫に近づいていく、ような気配がする。
何を確かめるつもりだ! 正気に戻れ!
「なるほどここまで、待て、丈様に襲わせる作戦なのか。いいだろう。私も丈様に初めてを」
もう一人が釣られて脱ぎ始めたようだ。
あれか、詰んだか俺の人生。だってこれ政府も俺を守れないんじゃ。
こういうことが起きる女性達の楽園、リク~戻ってきてくれ~。今なら転校手続きにサインをするからさ。
『一年A組 方後丈君 長谷川先生がお呼びです。至急生徒会室に来なさい』
俺はここから逃げる口実が出来たことを喜びながら、今までで一番のスタートダッシュを切った。




