第二十七節 突然
申し訳ございません。章のテーマを『織田信長の懐刀と呪われた転校生』に変更します。
誠に勝手ですがよろしくお願いします。
五月、入学初日から超武戦までの慌ただしい日々が過ぎ去った俺、方後丈は授業中に屋上で寝転がっていた。
う~ん。今日は快晴。昼食後のささやかなまどろみを楽しむ。
言っとくがサボりじゃないぞ。今は自主練の時間だし瞑想中である!
これをやっておくだけでさ。俺のやる気が回復するんだ。
そう例えば、
「ちょっと、自主練に付き合ってよ! ねえ、丈!」
「丈様。私のお弁当はどうでしたか?」
「は、手、手料理って⁉」
……こういう面倒事に巻き込まれたときの体力を少しでも確保することが出来るんだよ。なぜここが分かったのか。話はそれからだがこの際どうでもいい。
俺は適当にあしらうことにした。
「悪い、世良。今日はパス」
「そうですよね丈様。私と二人っきりになって大事なことを伝えてくださるのですよね」
「黙りなさい転校生‼ アンタ転校してからなんでそんなに丈に馴れ馴れしいのよ⁉ 私よりも長く一緒にいるわけでもないのに!」
「愛の力よ。丈様と私にしか分からない、深い深い関係の」
手を頬に当てながら赤くなる御園生真智、さん? いや、今や俺と同年代になっている。元々高三の生徒会長だったけど気にしないでいいだろう。
「真智。弁当は美味しかった。これでもういいだろう。寝かしてくれ」
「まあ、だったら私もご一緒に」
「は、ふ、ふざけるんじゃないわ‼ 行くわよ丈‼ 今日は私の連射速度とあなたの迎撃速度のどちらが早いか決めるんだから」
「ツべし‼」
俺の近くまで来た世良にビンタを連続でされ、思いっきりみぞおちに拳が叩きつけられるのを持ち前の反射神経で何とかかわす。
アブね、マジで‼
「そう、なら私も一緒に」
「なんでそうなるのよ‼ 来るな、近寄るな、どっか行けぇ!!!!」
「待て、お前ら静かにしろ! 今は授業中だ!」
騒がしい屋上、それに釣られたのかドタバタの足音も聞こえてきた。
これは、今日はマズイ! この足音の数‼
『剣神様~‼ 戦いましょう!』
くそ、だから静かにしろって言ったのに! 俺に日常をください神様!
俺は学校中の注目の的になってしまった、英雄のような扱いを受けている一般市民だ。もちろん先に話した武衛大と峰空の合同訓練で活躍したからだけではない。
俺は殆ど知られていないが、この女性だけしか持っていないといわれている超能力の開発者である。
それで開発者とバレない程度に学校中のお嬢様を鍛えているためこのように発見されたら最後、相手が納得するまで付き合わなければならないのだ。
でも、ここ最近気を付けなければならないと思うことがある。
ごく一定数、俺のファンがいるらしいのだ。
その子は見た目じゃわからない。でもどんどんと密着してきて、なんというか、いい雰囲気になってくるのだ。
そこまで来ると赤信号。話をはぐらかして逃げだしていた。
「またここに来てしまった」
それは、二階の図書館。ここの一番奥が俺専用のスペースになっているらしい。
言われたんだ。百合百合しいここに住み着いている女生徒達に。
『私達が剣神様をお守りします!』
なんだろう。後から何かお願いされそうで怖いよ……。
「これで二人きりになれましたね、丈様!」
「ちょっと、私がいるのを忘れているんじゃないわよ」
「あら、まだいたのですか。お疲れ様もう帰っていいよ」
「なんでアンタに命令されないといけないの!」
「お前らホントに仲がいいな~」
『よくない(です)‼』
ほら見ろ、息ピッタリじゃないか。
俺ももう少し、相手のことを信用して砕けて話せればと思う。そうすれば、きっとここの先生である長谷川博士が前々から口酸っぱく忠告していたことを理解していたはずなのだ。
それを聞いたふりをした、結果がさきの超武戦事件だ。
それにあの事件はまだ終わっていない。全てを話してくれた一斗の言葉に若干の齟齬があるんだ。
特に気になるのは、教官が御園生を襲おうとしたことを知らなかったこと。
それを聞いた同時刻、武衛大の運営が大きく変わり始めたらしい。
今は、もっぱらそれの情報待ちだ。
「丈は……私といたほうがいいの‼」
「いえ、私と丈様は付き合っています。オッケーも貰いました」
「待て待て、それは」
「いいえ、彼は私の物ですわ。私達、結婚していますもの」
『え?』
全員が不思議な声をあげる。
い、今の誰だ?




