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8話:ブラックコーヒーの悪夢

ドキッとした。

さすが自称・人間関係構築スペシャリスト。

観察力が異様に鋭い。

……いや、観察力以前の問題か。

海で電磁バリアなんて展開されたら、誰だって問い詰める。


俺は念のため、美久をこの場から離すことにした。

まだ自分を人間だと思っている彼女の前で話すわけにはいかない。

「美久、自販機で飲み物買ってきてくれないか?」


「わかった♡熱海君は何のジュースがいい?」

「ブラックコーヒーかな」


「横山熱海、あなたは頭がおかしいんですか!?普通、オレンジジュースとか、スポーツドリンクとか、お茶とかですよね!?」

翼は即座にツッコむ。が好きなものは好きなんだから仕方がない。


「普通を定義しないでくれるか?」

「そうそう、熱海君のそういうところ大好き♡私もブラックコーヒー派♡」


翼は、この二人は駄目だと思ったのか、熱海の姉に助けを求める。

「お姉さんは海に来てブラックコーヒーなんておかしいって思いますよね!?」

姉は少し考えた後、

「うーん、人によるんじゃない?」

全く興味がない様子だ。

今は弟の友達の秘密を探ることで頭がいっぱいらしい。


「じゃあブラックコーヒー4つ買ってくるね♡」

「ええっ!?僕違うのがいいんですけど!?」

翼の叫びもむなしく、美久は飲み物を買いに言ってしまった。


...


3人になり、姉が口を開く。

「さっきのわたしの質問、無視したみたいだからもう一回言うね」

「弟よ、あなたのお友達について、わたしに隠していることはない?」


だが、

「知らない」

即答だ。


口が軽い姉なんかに教えたら、明日には1000人知っていることになる。

「ふーん?それで通ると思っているの?」

姉はにやりと笑う。

「教えないと、あなたが小学生の頃クラスで一番可愛いみきちゃんって女の子に手紙で告白して振られた話をお友達にバラしちゃおうっかなー?」

なんでそんな黒歴史を掘り返してくるんだ。

というか、翼は隣にいるので黒歴史がダイレクトに伝わっているんだが。

翼は笑いを堪えているし。



「恥ずかしいからやめてくれ」

「これ以上恥ずかしい話言われたくないんだったら、さっさと白状しなさい!」


ぐぬぬ。

逃げ場はない。

話すしかないようだ。


「このことはくれぐれも内密に。拡散なんかしないでほしい」

最初に念押しし、言った。

「俺の友達、美久と翼はロボットだ」


沈黙。


数秒後。


「あはは、そんなわけ、あるわけないじゃない」

姉は笑った。信じていないようだ。

そして、

「なんかこう、美久ちゃんと、翼くんは、何か超能力が使えるんでしょ?」

勝手な妄想を繰り広げている。


そのとき。


翼が会話に割り込んできた。

「いえ、正真正銘ロボットですよ。」

「ほら」と言い、腕がぱかっと開く。

中から通信機が取り出される。


姉、完全停止。

「えーーーーー!?」

浜辺に絶叫が響いた。


数秒後。


「……これは内緒案件ね」

ようやく信じたようだ。


...


ちょうどその頃。

美久は自動販売機からジュース(ブラックコーヒー)を買って戻ってきた。


「はい、熱海君♡ワタシのとっておきだよ♡」

美久は俺に何故かブラックコーヒを10本渡してきた

「熱海君、ブラックコーヒー好きって聞いていっぱい買ってきちゃった♡」

「う、うん。嬉しい」

確かコーヒーって一日に4杯以上飲むの危ないって聞いたことあるんだが。

大丈夫かこれ?


しかし、全部飲まないと、美久が悲しんで何かを起こすかもしれない。

溺れておかしくなっているばかりだというのに、

これ以上負担をかけるわけにはいかない。


よし。


俺は覚悟を決めた。


プシュ。


1本目

2本目

3本目

4本目

5本目

6本目

...

10本目

「……うえ」

普通に気持ち悪い。

もう帰りたい。


「そろそろ帰らないか?」

「時間も時間ですし..(ブラックコーヒ飲みたくないし)...帰ってもいいんじゃないでしょうか」

翼が言う。

「熱海君が帰るならワタシも帰る♡」

相変わらず、俺の意見に全賛同の美久。

「いいんじゃない。」

俺の言葉はつゆ知らず、何かを頭の中で考えている姉。


こうして一行は海水浴を解散することになった


...


翌日。


早朝5時、スマホが鳴る。

この時間の通知音。

...嫌な予感しかない。

恐る恐るスマホを確認すると、

意外な人物からだった。

翼だ。

内容はこうだ。


「美久さんを修理屋に持って行きたいのですが、

僕からの誘いだと応じてくれないので

横山熱海、あなたから誘っていただけませんか?

誘い文句はデートのノリでお願いします。

デートだと必ず美久さんは応じてくれるでしょう。

待ち合わせ場所で僕も合流しますので、よろしくお願いします。」


とのことだった。


...修理屋だと?

生体反応検知ができなくなった件は、でっちあげ話で以前翼に話した。

記憶領域の故障についても、海に溺れたためとしたので大丈夫そうだ。

だが、他にも内部的に色々と壊れていて、それを修理屋で見つかる可能性が高そうだ。

(いきなり銃を取り出して建物破壊し始めたりするしな。)


他の故障が見つかった場合、翼にまた話をでっちあげなければいけなくなる。

...ブラックコーヒーより悪夢だ。

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