5話:夏休みの海計画と自称人間関係構築スペシャリスト(姉)の襲来
俺は美久に6月から高校生活を振り回されっぱなしだった。
玄関の花壇が粉砕されたり、行きつけのゲーセンが爆破されたり、もう散々だ。
そんなこんなで7月、夏休みに突入した。
夏休み初日、早朝5時、スマホが鳴った。
こんな時間になんだ?とスマホを確認する。
美久からの連絡だ。
「大好きな熱海君へ♡夏休みだね♡一緒に海行きましょう?」
え、なんで俺の連絡先知ってるんだ...。
それより、ロボットが海なんか入ったらそれこそ故障まっしぐらだろ。
だけど、断ったらまたどこかが爆破されかれない。
なので
「わかった」
とだけ返信をすることにした。
...そういえば、海といえば水着だよな、
今、美久は自分を人間だと思い込んでいるんだよな。
海で普通の人間の女の子の水着姿を見て自身との差に気がついたら?
ロボットであること、そして俺を殺さないといけないことを思い出し、無事ジ・エンド。
うわ、ありえるかもしれない。
この件については未来の俺に任せることにし、
俺は思考を放棄した。
あ、そうだ。あと出かけることを姉にもつたえておかないと。
正式に紹介していなかったが、俺には家族、姉が一人居て、両親、親族共々とは疎遠である。
よって、俺と姉の2人暮らしである。
姉の名前は横山京子。人間関係構築以外は点でダメ人間だ。
お得意の自称人心掌握術で人から借金するわ、
仕事できないのでこれもまた人心掌握術で仕事押し付けるわ、
家庭では掃除、洗濯、料理全てできずに俺に押し付ける。
一度やってられるかと見放したこともあったが、
見放したら、家の中が廃墟と化してしまったのだ。
掃除しようとしたら掃除機の柄で家のあらゆるものを薙ぎ倒し、
洗濯しようとしたら、洗濯機が故障。
料理しようとしたらあらゆるものが真っ黒焦げに。
思い出しただけでもやばすぎる。
最初はわざとやっているのではと思っていたが、
ずっと続くし、わざとではなかったみたいだった。
「姉ちゃん?」
「んあ?」
昼過ぎなのに京子は寝起きのようだった。
下着姿で布団から這い出し、とてもじゃないがだらしがない。
「俺、友達と遊びに行ってくるから2日間家空ける」
聞いた途端、「え!?」と京子は飛び上がる
「ダメ!ダメよ!この家がどうなってもいいと思うの!?」
「良くないとは思う。だけどさ、姉ちゃんが家事できないせいで、俺出かけたくても出かけれない時とかあるじゃん。」
「流石にそろそろ限界」
「むむむ。」
京子は押し黙る。
諦めたかのように
「わかったわよ。」
了承をした。
理解を示してくれたんだな。
2日後の自宅の地獄状態は覚悟の上だ。
「わたしも一緒に行くわよ!」
「は?」
予想外すぎて、俺は思わず言葉を失った。
普通姉弟が友達と遊ぶ時についていくことなんてあり得るか?
ましては男女兄弟であるのに。
「その反応、おかしいって思っているわね!」
「ふふふ、大丈夫よ。わたしこう見えて誰とでも仲良くなれるんだから!」
そういうことじゃないと思うんだが。
言っても、聞く耳持たなそうなので、俺は諦めることにした。




