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3話:偵察兵ツバサの空回り

「おっと失礼。

先ほどからイチャイチャを目の前で見せつけられ、怒りのあまり、正気を失ってしまっていたようです。」

声を発した少年は独り言のような声で己を省みていた。


……いきなり「美久を返せ」とか。

元カレかよ。


こいつ……美久と同じ匂いがする。


「申し遅れました。僕は三橋翼って言います。苗字は三橋ですが、三橋美久さんとは何も関係はありませんよ」

白々しい自己紹介だ。教室には他の生徒もいるし、事を荒げないための配慮だろうか。

三橋翼と名乗る少年は熱海(アタミ)に近づき、

「昼休み、屋上へ来い」

と俺の耳元で呟き離れていった。

久々に鳥肌が立った。


このパターン何度目だよ。

全く、真面目に付き合っていると胃が痛くなってくる。

あー、そもそも俺ってこんな真面目じゃなかったよな。

よし。無視しよう。


昼休み。

三橋翼は律儀に屋上で横山熱海(アタミ)を来るのを立って待っていた。

〜5分後:

「……遅いな。まあアイツ遅刻魔だし」

〜20分後:

「ご飯でも買いに行ったのかな?仕方ない、待つか」

〜40分後:

「昼休み終わるんだけど!?」


横山熱海(アタミ)に接触し、情報を得なければいけないのに。

これじゃフェスタ上官に合わせる顔がない。

急いで横山熱海(アタミ)の行方を探す。

そうだ!先生なら何か知ってるかもしれない!

急いで職員室へ行き、担任の先生に聞き出す。

「あの、先生、横山熱海(アタミ)君はどこに行きましたか?」

「早退したよ。あ、ちなみに三橋美久さんも早退しましたね。」


「はあああああ!?」

横山熱海(アタミ)は最初から僕と話す気などなかったというわけか!

クソ野郎だな。


「そっちがその気なら、悪いがこっちも手段を選ばないからな!」

不真面目野郎が早退していく場所なんてE8偵察モデルツバサ様にはお見通しなんだよ!

そう、

ゲーセンだ!


横山熱海(アタミ)は昼休み、面倒ごとに巻き込まれそうだったため早退しゲーセンに来ていた。

そして何故か美久も熱海(アタミ)の腕に抱きつきながらゲーセンについてきていた。

「体調不良で早退しながらのゲーセンとはなんとも不良っぽいですね!そんな熱海(アタミ)君もカッコいいです♡」

あっ!

美久は目を輝かせている。

美久が目を輝かせている方向を見ると

ピンクのうさぎの人形のUFOキャッチャーだった。

「欲しい?」

「いや、そういうわけじゃないんですが、可愛いなあって思って」

こう見ると美久も普通の女の子に見えるよな。


「任せな。とってやる」

自分の命は大事だが、...今のところ殺される気配はない。

よし、好感度稼いどくか。


「え!いいの!すっごく嬉しい♡」


〜5分後:

「うーん、なかなか取れないな。」

「応援しています♡熱海(アタミ)君!」

〜10分後:

「あ、残り100円しかないや。次がラストチャンスだ。」

「…」

〜ラストチャンス後:

「あー、とれなかった。ごめん、美久」

「いいえ、熱海(アタミ)君が謝る必要なんてないんですよ」

熱海(アタミ)君のお金を全額奪ったこんなポンコツ機械…無くなっちゃえば…」

許せない。

許せない。

う、あ、あ、あああ、ああああああああ!!!


感情回路に異常発生。

強撃モードを実行します。


スウっと美久は意識を失い、

腕からRPG。

次の瞬間、UFOキャッチャーのガラスめがけて

——発射。


ドォォォン!!


強烈な爆風。


かつてゲーセンであった建物は廃墟と化した。


なんで俺、無傷なんだよ。


唖然としてしまい。何も考えることができなかった。


数分後、美久は目を覚ます。

「あら、ピンクのうさちゃん、ワタシの手の中にありました♡少し焦げ付いていますけどね♡」

「もしかして、ワタシが気を失っている間に、熱海(アタミ)君がとってくれたんですか?ありがとう♡やっぱり熱海(アタミ)君は優しくてカッコいいです♡」


俺ははっと気づく。

……爆破したよな?

これ普通に犯罪だよな?

俺も共犯扱い?


取り調べとか絶対イヤなんだが。


「おい、美久逃げるぞ!」

「なぜですか?」

「建物が壊れているんだぞ?」

「え?ワタシ達が壊したわけないじゃないですか!」

美久は今、自身が人間であると思い込んでいる。ロボットであると思い出した瞬間、ついでに任務のことも思い出し、俺を襲ってくるかもしれない。

だからここは

「そうだよな、俺たちが壊せるわけないよな」

(危ない危ない、口を滑らすところだった)

次の一手は、ここは瓦礫が散らばっていて危ないから一旦離れよう、

と言えば、、、


完璧なその言葉を言う前に、

昼休み、熱海(アタミ)に約束反故された少年がやってきた。

「はあっ、はあっ、はあっ!やっと見つけたと思ったらなんですかこれは!?」

「ここってゲーセンがあった場所ですよね。なんで廃墟と化しているんですか!?」

「やはり、横山熱海(アタミ)、貴様がやったのか!」


「違う!」


美久のメンタルケアだけで手一杯だというのにこいつの相手までしないといけないとは。

2人同時の相手はさすがの俺も無理だ。まず一刻も早く美久には帰ってもらおう。

「美久、ここは瓦礫が散らばっていて危ない。そして俺はこの翼という男と二人だけの話があるんだ。

悪いが席を外してもらうことはできないか?」

真剣な表情で美久に向けて言った。

思いが伝わったのか、

「うん。わかった。ワタシのこと心配してくれたんだね♡じゃあ先に帰ってるね」

と言い素直に帰ってくれた。


「フン、やっと二人でお話しができますね。美久さんを帰らせていただいたことについては感謝します」

「さて本題に入りましょうか。」

「僕はE8偵察用中性型モデルツバサ。」

「美久さんと同じ、アンドロイドロボット。」

「戦闘は専門外ですが、偵察は得意でね」

「僕の現状の任務はP289戦闘用少女型モデル美久の現状調査となっています。」

「さあ、横山熱海(アタミ)、美久さんについてわかる事を全て吐いてください。」



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