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19話:後始末

翼は保健室に向かっていた。

あの人に会うためだ。

「フェスタ上官。少々揉め事がありまして、軍のほうから学校側に

本件についてなかったことにするようお願いをしたいのですが」

「ふむ、隠蔽か。」

フェスタは少し考えた後、

「現場はどこだ?」

翼に問いかけた。


「僕の教室から出てすぐの廊下です」

翼の言葉を聞くと同時に

フェスタは急いで保健室を出ていく。


「え?上官?」

フェスタは一瞬だけ翼を見る。

「なんでもない。翼君は待機していてくれ」

急にフェスタが出ていき、驚く翼。

「後始末のこと了承した、ということでいいのかな?」

翼は、わずかな違和感を覚えた。


....


壁に銃痕、床が抉れ何かが起こった後の

静まり返った廊下。


一人の白衣を着た女性が銃痕をなぞる。

視線が、床の一点で止まる。


血痕はない。

「....、この痕跡は....」

「……外したか」

何かを考えるフェスタ。

ほんの一瞬、舌打ちが漏れる。


だがすぐに表情を整える。

「いや、後始末だったな。隠蔽するように連絡を入れなければ」

フェスタは一瞬だけ目を細め、思考を打ち切った。


....

放課後。

俺は教室から出て廊下を見る。

「……綺麗になっている」

どうやら翼がしっかり後始末してくれたらしい。


トンッ


ふと、肩を叩かれる。


振り返ると美久がいる。

「何か忘れてない?」


うーん、なんだっけ....?

10秒沈黙。


「あっ!カラオケ!」

閃いたように声を上げてしまった。


俺の反応を見るなり

「忘れてたでしょ」

美久はムッとする。


「いや、忘れてない」

目を逸らしながら応える。


「まあいいや、行こ?」

忘れていたことはバレバレのようだったが、

美久は何事もなかったかのように行こうとする。


「えーあたしも一緒に行く」

俺と美久の話声が聞こえていたのか、突然未綺が話に割って入ってきた。


「は?あんたは誘ってないんだけど?」

話に割って入られたことが気に食わないのか、美久は低い声で応える。


「熱海くん、あたしも一緒に行っても構わないよね?」

こっちに問いかけてきた。

正直、未綺にはもう危ない目に遭わないで欲しいので来て欲しくない。

ただ、彼女の好意をむげにすることもできない。


....今でもまだ、彼女のことが気になるからだ。


「はあ、どうすれば....」

俺は頭を抱える。


困っている俺をみて察したのか、

「....わかりました。私達について行ってもいいですよ。」

美久は冷たい声で未綺が同行することを許可した。


「やったー!意外に優しいのね」

同行が許可され、嬉しそうな未綺。


「あなたのこと、認めたわけじゃない。熱海君のために許可しただけだから。」

美久はムスッとしている。


美久は俺から目線を離す。

フッと未綺が俺に近寄る。

「さっきの告白、返事待ってるから」

耳元で囁いた。


耳が焼けるみたいに熱い。

だめだ。これは違う。

これはただの動揺だ。


……俺は、大丈夫だ。

――本当に?

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