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1話:翌日なぜか溺愛?モードに入りました。全力で自分の命を守ります。

現状を整理しよう。

例の告白の後、美久は目の前でプシューッと頭から音を出して倒れて動かなくなってしまった。美久のことをなんとかすべきかも考えたが、

とにかく、今は、自分の命が優先だ。

下手に生き返って、また命を狙われるのも面倒だ。

というわけで熱海(アタミ)は屋上で美久を放置し、帰宅することを選択した。

「屋上で倒れた女の子を放置?これが男のやることなのか?非道にも程がある?非難したいならすればいい!こっちは命狙われてるんだからな!」

誰に見られているわけでもないがあらぬ方向を向いて熱海(アタミ)は叫び散らかす。

「はー、今日は色々あったな早退するか」

(屋上のことが先生や周りの生徒に露見するのも嫌だしな。正直に話しても頭おかしい扱いされるだろうし、だからといって作り話をでっち上げるのも面倒なんだよな)


場面は変わり、ここはとある日本の軍事施設。

「P289戦闘用少女型モデル美久。

14時30分10秒以降、モデルの生体反応を検知できず。

これは重大な任務放棄と思われますが、フェスタ上官、P289の処遇いかが致しましょうか。」

黒髪短髪で軍服を着て小柄で性別が不詳とも言えるような子供が真面目に上官に現状報告を行う。


「現場を確認しないことにはなんとも言えんな。」

紫の艶やかな髪、豊満な胸をはち切れそうな軍服に収めた女性は落ち着いて言う。

「ツバサ君、悪いが現場の状況を偵察してきてくれないだろうか?

このままあの核爆弾級の危険物を放置しておくわけにもいかないし、

P289が危険物との接触により故障を起こしてやむなく動けていない可能性だってある。

E8偵察用中性型モデルツバサの君なら朝飯前だろう?」


「はあ、長官は本当に人を煽てるのがお上手だな。」

「わかりました!E8偵察モデルツバサ、出撃します!」



翌日。

横山熱海(アタミ)の自宅前。

青い目の中にハートを灯した女子生徒が1人、今か今かと目的の人物が来るのを待っている。

ワタシは熱海(アタミ)君が好き♡

熱海(アタミ)君に恋してる♡

ワタシは熱海(アタミ)君と一緒に登校したくて熱海(アタミ)君の家の前で出待ちしてるの♡

けれど何時間待ってもアタミ君出てこないの。もう始業時間とっくに過ぎてるのに。

熱海(アタミ)君と会えないのがこんなに切なく辛いなんて、

悲しい。

悲しい。

あ、あ、ああああああああああ!!!


感情回路に異常発生。

散弾モードを実行します。


美久の背中から散弾銃が四本飛び出し

美久を中心とする全方位に向けて散弾銃の発射が行われた。


数分後、美久は目を開ける。

「あら?熱海(アタミ)君の家の花壇がぐっちゃぐちゃになっちゃってる♡片付けてあげようかなあ♡」

美久は自身が行った破壊行為をまるで覚えていない。



一方、横山熱海(アタミ)の自宅内。

朝9時過ぎ、当然のように今日も寝坊をしたのだが、起きる時、なんだか大きな音が聞こえた気がした。

恐る恐るドアの覗き穴から外を見たんだが、奴がいた。

奴の周りは粉塵と化し外に出してあった花壇などは粉々になっていた。

美久。このロボットは俺が昨日殺される寸前で告白したことにより

大きな故障音を上げて倒れていたハズだったんだが、、、


いつ復活したんだ!?


そんな疑問を悶々と考える暇もなく、

「あ、やっと熱海(アタミ)君と会えた!」

美久は勢いよく振り返り赤い目で覗き穴を凝視した。


ドアを開けなければ殺される。

殺される。

本能がそう伝えたため渋々ドアを開けた。


ガチャ。


「やあ、おはよう、美久」

「おそようだよ♡熱海(アタミ)君!」

「ワタシ、大好きな熱海(アタミ)君と一緒に登校したくて何時間も待ってたんだから♡」

「ねえ、熱海(アタミ)君はワタシのこと...好きなんだよね?」


(は?大好き?昨日、殺されかけたのに?

命を守るために勢いで言った告白が効いたのか…?)


変な顔は見せられない。前言撤回なんてしたら、今度こそ本当にヤバいことになる。


「うん、美久のこと大好きだよ」

「うふふ♡」

美久は熱海(アタミ)の言葉に嬉しそうにしている

「美久、昨日のこと覚えている?」

さりげなく聞く。

熱海(アタミ)君の情熱的な告白、心がギュッとなって、嬉しくて昨日は眠れなかったよ」

美久は告白後倒れた。記憶回路にも異常が見られるみたいだ。

それにしても心がギュッとなるってどう言うことだ?

ロボットは心がないはずなのにそうなることがあるのか?

「そうか、それは俺も嬉しいかな」

熱海(アタミ)は美久がかけてほしそうな言葉を慎重に吟味しながらかける。


「ふふ!」

美久は満足そうに熱海(アタミ)の腕に抱きつく。

うん。これも非リアから見ればリア充がいちゃついているように見えるんだろうな。

実情はいつ殺してくるかわからない相手に腕を掴まれているってだけなのに。


そんなと熱海(アタミ)と美久の登校中、

イチャイチャを見せつけられイライラしている者が一人。

軍事基地から派遣された偵察隊のツバサである。

ツバサは熱海(アタミ)と美久の後方100メートルを常に維持しながら、ストーキングをしていた。

特に美久には見つからないようにと気を配っているようであった。


「フン、あれが横山熱海(アタミ)。とても核兵器並みの危険物には見えませんね。」

しかし油断は大敵。

「!?」

「P289は一体何をやっているのですか!」

「横山熱海(アタミ)にずっと引っ付いて、恋人か何かの真似ですか!?」

「こうも見せつけられるとイライラしますね!」

「こちらは任務だから偵察してるというのに。」

「さっきから恋人ごっこしかしてないじゃないですか!」

ツバサの小さな体が、怒りでプルプル震える。


「フェスタ上官、より詳細な状況把握のため横山熱海及びP289への接触許可をお願いできないでしょうか」

ツバサは通信機器を取り出し、フェスタ上官と連絡を実行する。

「恋人ごっこですか。たしかに目に余るような状況ですね。詳細な状況把握のため接触を許可します。」

「…ありがとうございます」


危険物処理の任務がこんなに難航することになってしまうとは

軍事基地にいた頃は思いもしなかった。

P289を見ている感じ故障しているようにも見えるし状況は最悪そうだ。

任務をまともに継続できるものが現地にいないのであれば

自分がなんとかしなければ

ツバサは意気込むのであった。



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