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16話:恋のライバル登場?

玄関を開けた瞬間、姉が立っていた。


笑っていない。


「……怪我、したでしょ」


声が低い。


「いや、していない」


「嘘」


一歩、近づいてくる。


「血の匂いがする」




「ごめん、学校で少し顔を怪我した」


「もう、二度と怪我しないで」

姉は深刻そうな顔で言った。


家の中はいつも帰った時より散乱している。

テレビは床に転がっている。

画面は無事だが、電源コードが引きちぎれていた。

――力任せに引っ張られたような断面だった。

テーブルの上には食べかけのカップラーメン。

横に倒れて汁がこぼれてテーブルから滴り落ちている。

黒ずんだ床。

焦げたような、お香のような匂いが鼻につく。

拭いた形跡のある雑巾まで黒い。

ゴミ袋は口を縛られず、放り出されていた。


「どうしてこんなに散らかっているんだ」


「.....いつものことじゃない?」

姉は具体的な理由を言わない。


「はあ....」

ため息をつき、

大人しく俺は姉が突散らかしたものを片付ける。

特に黒ずむ床が厄介だ。

なんだこれ、全然落ちないんだが。

数十分後。


落ちない。

雑巾の跡に沿って、じわりと色が滲む。

いくら擦っても、黒は広がるだけだった。


一体何をやったんだか、姉を問い詰める必要がある。

だが姉は「用事がある」と家を出て言ってしまった。

こんな夜に用事ってなんだよ....。


さらに数十分後。


黒ずむ床を眺めながら

「仕方がない。諦めるか」


落ちないものは仕方がない。

綺麗好きの身として諦めるという行為は苦渋の決断だった。

同時にこんなことをした姉を恨んだ。


この日、姉は帰ってくることはなかった。

黒ずんだ床が、リビングに残されていた。

....


翌日。朝7時。


スマホの通知音。

飛び起きる。


「熱海君、今日の放課後一緒にカラオケ行こ?」

美久からの誘いだ。


一般的には、学校でカラオケ行こうか、というのが普通の流れなのでは?

相変わらず変なところがあるなと思いながら

いや、

朝学校に遅刻しないための通知なのか...?

美久がこんな時間に俺にメールを送ってきた真意を探る。


...考えすぎか。


そして、俺は家を歩き回る。

...まだ姉は帰ってきていないようだ。



「....学校行くか。」

仕方がない。

もし美久のメールが学校に遅刻するなよ、という真意で送ってきたのだとしたら、

遅刻したら、また面倒だ。


......

学校。


やっと着いた。

遅刻しないで学校行ったなんて初めてなんじゃ...?

我ながら頑張った。


「眠い....。」

熱海は眠い目を擦りながら、自分の教室に入る。

珍しく俺が遅刻せずに来ていることに

周りは奇異の目を向けているが気にせず自席に座る。

微妙な雰囲気が流れている。

「今日は転校生を紹介する。入れ。」

だが先生のその一言で流れが変わった。


ガラッ。


教室の扉が開く。

黒髪の少女が入ってくる。だが、翼とは違う

髪は腰まで伸ばしたロングで制服のスカートは膝下。

”清楚”という言葉がピッタリの少女だ。


少女の顔を一目顔を見た瞬間。

俺は凍りついた。

俺は彼女を知っている。


望月(もちづき)未綺(みき)です。」


ああ。

あのみきちゃんだ。

思い出したくもないが、

俺は小学校の頃、手紙で彼女に告白して振られてしまった。



手紙の内容を思い出す。


「好きです。

僕とじゃ釣り合わないかもしれないけど、

みきちゃんの誰にでも優しいところに惹かれました。

卒業したら付き合ってください。」

....。


顔を合わせたくない。

なぜ、こんな低偏差値の高校なんかに転校してきたんだ


「親の転勤の都合で転校してきました。

それと....。」


俺は未綺と目が合う。


「えへ、この学校に転校してきてよかったって今思いました。」

未綺は微笑む。

そして彼女の目線は俺の少し後ろを見る。


何かを察したのか

美久は未綺に向けて鋭い視線を送っていた。


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