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12話:保健室のフェスタ先生

夏休みも終わり、

学校が始まる。


修理屋での一件以降、

美久は俺を無理やり誘ったり、

家で出待ちするようなこともなくなった。

その後の夏休みは、充実そのものだった。

充実と言っても、実際、家の家事や姉のパシリが主だったが。


「はあ、学校か……昼休みに間に合うように行けばいいか」

朝から授業なんてだるいからな。


....

昼過ぎ。

俺は登校し教室の扉を開けた。


扉の開閉音を聞いた担任は俺の方を向き、

「悪いが保健室まで行ってくれないか?」


俺は教室を引き返した。

これが例の保健室登校か。

噂で不登校児がよくやっていると聞いたことがある。

よほど俺の態度が酷かったのだろうか。

と思いつつ

保健室の扉をガラっと開く。


そこには紫の艶やかな髪、白衣を着て、

豊満な胸をはち切れそうなワイシャツに収めた女性がいた。

「ようこそ横山熱海君、直接会えることを待ち望んでいたよ」

なぜかこちらを知っていた。

「あの...俺を知っているようですが、誰ですか?」

「ふむ...」

女性は何を言うか悩んだ後、

「保健室の先生だよ」


「いや、それは知っているんだって!」

ノリツッコミをしてしまった。


「ごめんごめん、冗談だ。私はフェスタ。翼君がお世話になっている」


あー、思い出した。翼の上官だ。

なんで同じ学校にいるんだよ……。


「今日は君に頼みごとがあって直接呼び出した」

「例の保健室登校とかではなかったんですね」

「なんだね、例の保健室登校とは。」

フェスタはこういうことには疎い様子だったため

「何でもないです。それで頼みごととは何ですか?」

話題を戻した。


「修理直後で美久は不安定だ。だから君が美久の側で見守ってやってほしい。」

「美久は君のことが好きだろ?」


「それだけですか?」

美久は俺にしつこく付き纏わなくなったとはいえ、一緒にいようと思えば一緒にいてくれるだろう。

頼みごとが案外軽いものだったため、少し素っ頓狂な感じだ。



....てかこの学校、軍関係者多過ぎだろ。


....


昼休み。屋上にて。

熱海は美久に腕を引っ張られる。

「熱海君♡一緒にお昼ごはん食べよ♡」


「わかったわかった」

しつこく付き纏わなくなったはずなのに、

なんでこんなことになっている??


「そういえばね、ワタシ保健室の先生に呼び出されたんだ♡

そしたらね、


好きという感情は抑え込まないほうがいい。

それは……安定化にも繋がるからね


だって♡」


どうやらフェスタは俺たちをくっつけようとしているらしい(美久の安定化の意味で)

ただ、付き纏いが復活してしまった点を見れば、

....余計な迷惑だ。


....


昼休みが終わる。


学校の授業はもうついていけてないので

今日も早退しようとする。

美久に止められた。


「熱海君、ワタシ知っちゃったの、高校って、あまりに成績悪すぎると卒業できないって」

「ワタシ熱海君と一緒に卒業したい。」

「一緒に卒業できなかったら...」

美久の声が震える。


...嫌な予感。


カチッ。


不気味な機械音。


美久は意識を失う。

背中から散弾銃が飛び出す。

周囲に乱射を始める。


バババババババッ


「うわあああ!!」


「巻き込まれる!!」


修理されてなかった...!?

ヤブ修理屋じゃねえか!?


と思いつつ熱海は銃から逃げ惑う。


ちょうどその時、音を聞きつけたのか、翼が登場する


「翼!助けてくれ!」

翼は銃の乱射を初めて見たようで、数秒驚いた後、

「仕方がないです!美久さんを強制再起動します!」

銃弾の雨が降る中、美久の方向に突き進み、再起動してくれた。


「僕は横山熱海、あなたの脅威度が上がっているのを検知して、駆けつけたのですが、

まさか、襲われている側になっているとは」

意外そうな表情をする。

そして


「あなたが危険に晒されるほど脅威度が上がる?」


翼は一つの真相を掴んだかのように言葉を発したが、

「....なんで?」

重要な(何で?)の部分はわからないようだった。


「とりあえず、脅威度のためにもあなたを危険に晒さない方が良さそうですね」


「あと、気になったのですが、何で美久さんは暴走しているんですか!」


あー、翼にバレると色々面倒そうだったから話してなかったんだっけ。


「知らない知らない、元からこうだったんだ」

「元から?そんなこと以前ゲーセンで話した時は聞かなかったですよ」

「話すの忘れていたんだ」

、ということにしておいた。


....


強制再起動された美久は目を覚ます。

「ワタシ熱海君と一緒に卒業したい、一緒に勉強しよ♡」

さっき起こったことを繰り返したくないので

渋々、

「うん、勉強しようか」


「熱海君がやる気になってくれてワタシ嬉しい♡」


……散弾銃の残骸が、まだ転がっているというのに。


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