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0話プロローグ:美少女ロボットに危険物判定されて殺されそうになりました

学校はダルい。

横山熱海(アタミ)はいわゆる不良生徒であった。


髪の毛は真っ赤に染め、制服のボタンは全開、シャツはズボンからはみ出す。

実家から学校が遠いのが悪いと文句を言いつつ

昼過ぎ、学校へと到着する。


2-Bの教室のドアを授業中にも関わらずバンッと勢いよく開く。

授業をしていた男教師は震えながら俺をチラリと見、沈黙。

教室で友達同士で話しながら授業を話半分で聞いていた不真面目な生徒たちも俺を見るなり沈黙。


沈黙の中をズカズカ歩き、自分の席にどっかと座る。

まるで重役出社。


——カッコいいだろ?

そう思いながら、実はちょっと気まずい。

横山熱海(アタミ)は、意外と小心者だ。


こんな気まずい沈黙を打ち破る、1人の女子生徒!

ピンクロングでぱっつん前髪に何処か人工物のような青い瞳、セーラー服のスカートは膝上、ほんわか系女子高生を彷彿させる。

「あなたが熱海アタミさんですね。ワタシは今日転校してきた三橋美久(ミク)です。同じグループのメンバー同士、仲良くさせて下さいね。」


熱海(アタミ)は思い出す。

……ああ、そういやこの学校、問題児だらけで「監視グループ制度」とかいうクソみたいなルールがあったな。


同じグループの仲間は校内では毎日行動を共にしないといけないとかそんな制度だったはずだ。

まあ、そんなの実際のところ生徒同士で口裏合わせて制度自体形だけのようなものになっているというのに。


「勝手にやってろ」

言ったのも束の間。


バシュンッ!


突然の大きな音。


一瞬何が起こったのか理解できなかった。

美久の手が熱海(アタミ)の顔目掛けて高速で突っ込んでいた。

「痛っ!」

「おい、何で手が伸びるんだよ!?」

普段の威勢を忘れ、思わず突っ込む熱海(アタミ)


「ああ、正式な自己紹介を忘れていました。

改めまして、ミハシ製造P289戦闘用少女型モデル美久です。見ての通りアンドロイドロボットです。」

自己紹介を済ませたかと思うと即座に美久は挙手する。

「先生、あの、ワタシ熱海(アタミ)君にグループのメンバーとして大事な話があるので少し授業抜けても良いでしょうか?」

「わかった。早く戻ってくるんだぞ」

変なことに関わりたくないのか先生は目を逸らしながら即座に了承した。

先生も先生で授業抜け出すって言うのに止めないのかよ。


熱海(アタミ)君、大事な話があるの。屋上行きましょ?」

美久に言われるがまま、屋上へと向かう熱海(アタミ)


「いやいやロボットって、、、

おかしいだろ!」


そもそもここは偏差値低めな普通の高校だ。

そんなところに戦闘用ロボットなんていてたまるか!?


「非常に驚いているようですね。」

まるで熱海(アタミ)が非常に混乱し驚くことを予測していたかのように美久の返答は冷たくそっけない。

「はあ」

美久の目が青から赤へと変化する

美久の目の変化に伴い、空が暗転する。

「ワタシの内部構造に構成されている戦闘スカウターが高危険度物体をこの高校から検出したのです。

危険物体の数値は驚異の2万越え。核爆弾に値する数値です。

高危険度物体の排除のためワタシは上官に口を訊いてもらい

この高校に転校してきたのです」


「?、何故ここまで詳細にワタシがここへ来た理由を話すのか不思議に思っているようですね」


「それはですね、あなたが検知された高危険度物体であり、現時点をもってワタシの勝利が確定しているからですよ。ハハハ。」


「それにしても、危険と判定され突然殺されることになるとは、、

ワタシもロボットとはいえ慈悲プログラムは内包されています。

最後に10秒間殺される前の猶予を与えましょう。

好きに己の人生を省みて下さいな」

もうすぐ任務終了するという余韻に浸りながら

二ヘラ顔で美久は熱海(アタミ)に向けて指先に詰まっている銃口を向ける。



さっきからペラペラと…

自分が勝って相手が負ける、

それが確定してるかのような喋り口。

ロボットVS人間、そりゃあロボットが勝つに決まってるよなあ。

ああ、むかつく。

むかついて目の前の女の顔面を殴ってしまいそうだ。

落ち着け。落ち着け。冷静になれ。

顔面を殴ろうとしたところで、相手は戦闘ロボットだ。

こっちが勝ち目なんてないし、逆に殺されるのが早まるだけかもしれない。

考えろ。考えるんだ。

ああ、もう、

一か八かだ!こういう一方的なタイプにはあの対処法が効くって

自称人間関係構築スペシャリストの姉が言ってたっけな。

あんまり信用できるかは疑わしいが

もうこれ以上最善手と呼べる方法はなさそうだ。

やってやる!


熱海(アタミ)は足に力を入れ美久の方向目掛けて飛びかかる。

そして

「好きだ!!!美久のことが、大好きだー!!」

自分でも意味が分からない。

でも叫んでいた。

「美久のことが! 世界で一番好きだーーー!!」


「?????!!!」

言葉にならない言葉が美久から上がる。

美久の今にも熱海(アタミ)に向けて打とうとしていた機関銃を内包した手がストンと落ちる。


好き?好き?好き?

え?ワタシのことが?


顔面の温度の急上昇を確認。

未知の外部刺激を検出。排除しますか?

YES。

スリープモードへと移行します。


美久はバタンと崩れ落ちるように倒れた。

やった?

俺は成し遂げたのか?

生きてる。俺は確かに生きてる。

この修羅場を一時でも抜けることのできた安堵により

熱海(アタミ)自身も膝の力が抜け、倒れそうになってしまった。



ここから熱海(アタミ)と故障?美少女ロボットによる勘違いラブストーリーが始まるとも知らずに。


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