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東京幻怪録  作者: めくりの
五章 彼方の光との共鳴

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第六十六話 「謎の痕跡」

 夜の原宿。復興作業が進む街の一角で、アトラスの情報部門の二人、セリーナ・カルデナスとジエン・シュウウェイは、最新の携帯型スキャナーを手に奇妙なエネルギー反応を追っていた。スキャナーには、一般の妖気とは異なる特殊な波形が映し出されている。


「このエネルギー反応、地球上の既存データに一致するものがないわ」

セリーナが眉をひそめ、スキャナーのデータを確認する。


「まるで異星のものみたいだな」

ジエンが冷静に返答しながら、ドローンを操作して周囲の状況をモニタリングする。


「それにしても、冥府機関はこの種の反応をどうやって感知しているんだ?古い技術に見えるが、確かに何かを捉えている」

ジエンは、日本特有の霊的なアプローチに半信半疑ながらも、興味深そうに話した。


_______________________________________________


同じ時間、冥府機関のメンバーである葵と夏菜は、近くの別の地点で調査を行っていた。彼女たちの前には、簡易な式台が置かれ、夏菜が術式を展開している。


「妖気と何か別のものが混じっている…明らかに人間の魂ではないわね」

夏菜がそう言いながら、静かに観察を続けた。


その時、セリーナとジエンが現場に姿を現した。彼らの持つハイテク機器のライトが辺りを照らし、葵は少し目を細めた。


「最新機器で何を探しているのかしら?」

セリーナが皮肉めいた口調で尋ねる。


「私たちは魂や霊的な残滓を感知しています。あなたたちのスキャナーに映るかどうかは知らないけど」

葵が軽く微笑みながら答える。


「映るかどうか確かめてみるさ」

ジエンがスキャナーを式台に向けると、波形が急激に変化し、セリーナが驚いた声を上げた。


「これは…未知の物質が関与しているわね。やはり、何かが地球の常識を超えている」


葵は黙ってその様子を見ていたが、心の中では別の会話が始まっていた。


「ルミエール、これはあなたと関係あるの?」

葵は心の中で問いかけた。


「可能性は高い。この痕跡は、私の故郷のエネルギー特性に似ている。だが、完全に一致するわけではない」


葵は表情に出さないよう注意しながら心の中で答えた。


「…もし彼らにあなたの存在が知られたらどうなるの?」


「アトラスの技術力を考えると、私を敵とみなす可能性がある。だが、君が慎重に動けば、問題は起きないだろう」


葵は深呼吸し、再び調査に集中するふりをした。右腕には変身アイテム「エターナルリンク」が静かに眠っている。必要になれば自動で装着されるはずだが、今はまだその時ではないと感じていた。


調査を進める中で、エネルギー反応が近隣の廃ビルに集中していることが判明した。冥府機関とアトラスは一時的な合同調査を決定。両チームは廃ビルの中へと足を踏み入れる。


ビル内には奇妙な痕跡が散見される。壁に焼け焦げた跡、床に残る謎の発光物質。ジエンがそれを分析すると、物質の成分が既知の地球上の物質と一致しないことが判明した。


「完全に異星由来だな。こんな痕跡を残す存在は…おそらく知的生命体だ」


セリーナが周囲を警戒しながら答える。


「つまり、宇宙人ってこと?」

葵が冗談めかして言ったが、その目には緊張が見えた。


夏菜がふと周囲を見回し、低い声で呟く。

「妙ね。この空間、妖気が完全に遮断されているわ。まるで異なる次元にいるような感覚」


その時、建物の奥から低い音が響いた。全員が武器を構え、警戒態勢に入る。


音のした方向に進むと、中央に奇妙な球体が浮かんでいた。周囲の空気が静止し、重力さえ歪んでいるような感覚がした。


「これは…私たちの技術のものではない」

ジエンが驚きの表情を浮かべる。彼がドローンを球体に近づけた瞬間、球体が激しく光を放ち、周囲を包み込んだ。


一瞬の閃光の後、葵の意識に再びルミエールの声が響いた。


「このエネルギーは…私の種族の痕跡だ。しかし、単純なものではない」


「どういうこと?」

葵が心の中で尋ねる。


「この球体は、メッセージだ。私の故郷からの通信に似ているが、何かが混ざっている。敵意を感じる部分がある…これは我々の仲間ではないかもしれない」


葵は内心の動揺を隠し、静かに前に進んだ。


球体から発せられた光が周囲の壁に映像を映し出した。それは、未知の文字と映像だった。都市が破壊されるシーン、人類らしき存在が逃げ惑う様子。セリーナが急いで記録を取りながら呟いた。


「これ…地球じゃない。だが、何らかの警告かもしれない」


「もしくは脅迫だ」

アレックスが低い声で言い、チームに撤退を命じた。


冥府機関とアトラスは球体の映像を全て記録し、その場を離れる。だが葵は、その場でそっと心の中で呟いた。


「ルミエール、これは本当に警告なの?」


「それはわからない。だが、このメッセージを受け取った以上、近い未来に新たな脅威が訪れるだろう」


葵は右腕を見つめ、変身アイテムが静かにそこにあることを確かめた。


_______________________________________________


帰還後、アトラスのメンバーはメッセージの分析に没頭した。一方で、冥府機関は妖気がほとんど感知されなかったことから、異質な存在との関係を疑問視していた。


セリーナが一言。

「君たちの術式では、この宇宙的な存在に太刀打ちできないかもしれない。私たちが先に手を打つべきだわ」


葵は内心の秘密を隠しつつ、軽く笑って返す。

「どうかしらね。日本のやり方なめんなよ~」


こうして、宇宙人の痕跡を巡る緊張感の中で、両チームの関係はさらに複雑さを増していくのだった。

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