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東京幻怪録  作者: めくりの
四章 東京・大阪交流会

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第五十四話 第一試合:風間亮 vs. 浪速翔太

 訓練場の中央で、両者が向かい合った。冬の寒風が吹き抜ける中、亮と翔太の表情にはそれぞれ自信と挑戦の意志が浮かんでいる。


「よろしくな!亮くん!今日はええ勝負しようや!」

翔太が笑顔で右手を差し出しながら軽く頭を下げる。


「こちらこそ、翔太さん!手加減はなしでお願いします!」

亮も笑顔で手を握り返す。その握手は短いながらもお互いの実力を認め合うものだった。


「手加減なんかせぇへんで!せっかくの交流会や、派手にやろうや!」

翔太の明るい関西弁に、亮も思わず肩の力が抜けた。


「俺も負けませんからね!今日こそ、先輩たちに成長したって言わせます!」

亮の言葉に、観戦していた隼人が「おう、期待してるぞ!」と声をかける。


_______________________________________________


「始めや!」

堂島隊長の合図と同時に、翔太が双剣「雷刃」と「風刃」を一気に抜き放つ。その動きは俊敏で、彼の周囲にはまるで嵐が巻き起こるような気配が漂う。


「速いな……でも!」

亮もまた、指輪に妖気を注ぎ込み、風を操り始めた。軽量刀を片手に持ちながら、彼は素早い動きで距離を取りつつ翔太の攻撃を見極める。


翔太は双剣を構えて一直線に突進し、「雷刃」で切りかかる。その剣には雷のような妖気が纏わり、周囲の空気を震わせた。一方、亮は風を刃のように形作り、それを翔太の剣に向かって飛ばす。


「ええやん!けど、まだまだやで!」

翔太は双剣を交差させ、風の刃を弾き返す。その反撃の勢いで「風刃」を振り抜き、鋭い風の一撃を亮に向かって放つ。


「俺だって負けないって!」

亮は軽量刀を振りかざし、風の防壁を作り出して攻撃を防ぐ。その一連の動作はスムーズで、隼人が「おっ、亮もずいぶん腕を上げたな」と感心するほどだった。


「亮くん、なかなかやるやん!けど、これで終わりや思たらあかんで!」

翔太が再び距離を詰めながら言う。


「そんな簡単に終わるわけないじゃないですか!俺、まだ隼人さんにも勝ててないんですから!」

亮は軽く笑いながら応じる。


「おっ、名前出してくれるやん!せやけど、俺が勝ったら隼人さんに自慢したろか!」

「その時は、俺がもう一回挑戦しますから!」


二人の軽口に、観戦していた葵が「二人とも楽しそうだね~!どっちが勝つかな?」と笑顔を見せる。麗奈も「いい試合になりそうね」と頷いた。


亮は風の流れを操り、一瞬の隙を突いて翔太に近づく。軽量刀を高速で振り、反撃のチャンスを狙う。しかし、翔太は双剣を巧みに操り、その攻撃を受け流す。


「はええなぁ!ほんま感心するわ!」

「ありがとうございます!でも……まだ終わらない!」


亮が指輪にさらに妖気を注ぎ込むと、突風が翔太を包み込むように吹き荒れる。その風は切り裂くような勢いを持ち、翔太の動きを一瞬だけ封じた。


「おおっ、ええやん!せやけど、俺も本気出さなあかんみたいやな!」


翔太は双剣を高く掲げ、それぞれに妖気を注ぎ込む。雷と風が剣に宿り、まるで嵐のような力が放たれる。


「さあ、勝負や!」

「来い!」


二人の攻撃が激しくぶつかり合い、訓練場には眩い光と風の渦が巻き起こった。その圧倒的なエネルギーに、観戦していたメンバーたちも思わず目を見張る。


翔太の双剣が亮の風の防壁を切り裂き、彼の刀とぶつかり合った。その瞬間、翔太が一歩引き、亮の攻撃をかわす。


「くっ、まだまだだな……!」

亮が息を切らしながら笑うと、翔太が双剣を下げてにっこり笑った。「いやいや、めっちゃおもろかったわ。ええ動きしてたで!」


堂島が手を叩いて試合終了を告げる。「ええ勝負やった!二人とも、お疲れさんや!」


「ありがとうございました!」

亮と翔太が礼を交わし、爽やかな笑顔を浮かべる。


「亮、よくやったな」

隼人が頭をポンと叩き、「成長したじゃねえか」と笑う。亮は「死線くぐりまくってるんすから!」と返し、その場の空気はさらに和やかになった。

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