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東京幻怪録  作者: めくりの
二章 冥府機関の系譜

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第二十四話 第一章 第六節:時代を超える冥府機関

 時代は平安――冥府機関が創設されてから数百年が経過していた。

神々の加護が消え、人間と妖怪の力関係が変わりつつある中、冥府機関は密かにその役割を果たしてきた。しかし、世は表向きには安寧を謳歌しており、妖怪の脅威は影に隠れていた。表に出る戦いは減少し、人々の記憶から冥府機関の存在が薄れていく中、組織は新たな役割を模索していた。


「人々の中には、妖怪の存在そのものを忘れ始めている。私たちが戦う理由が薄れつつあるのではないか?」

新たなリーダーである「鷹見義隆たかみ よしたか」は、そう呟きながら戦術会議に臨んでいた。


義隆は、冥府機関の中でも卓越した戦闘能力と判断力を持つが、時代の流れに対応するための難しい舵取りを迫られていた。特に、影喰いの使用に対する議論が絶えず、平穏の中でその存在意義が問われることも増えていた。


_______________________________________________


義隆は、次代を担う人材を育成することに注力していた。特に注目していたのは、若き剣士「小松蓮こまつ れん」と、術士の家系に生まれた「秋月沙織あきづき さおり」だった。


蓮は、剣技の天才と呼ばれる一方で、己の力を過信しがちな面があり、妖怪との戦闘で何度も命を危うくしていた。沙織は、強力な霊術を扱えるものの、戦いへの恐怖心を抱えており、現場での冷静さを欠いていた。


初陣:怨霊の乱

平安京の郊外で、突如として怨霊が発生し、村々を襲う事件が相次ぐ。

義隆は蓮と沙織を初めての実戦に投入し、これが彼らの試金石となった。


「沙織、霊術で怨霊を封じ込めろ!蓮、お前は周囲を警戒して村人を守るんだ!」

義隆の指示の下、蓮は剣を振るいながら怨霊の進行を食い止め、沙織は祈りの言葉を紡ぎ、封印の術式を完成させていった。


しかし、二人の未熟さが露呈する場面も多く、怨霊の動きを完全に封じることができず、村の一部が壊滅状態となってしまう。

「これが……私たちの実力なの?」

沙織は自らの術が不完全だったことに打ちひしがれるが、義隆は静かに言った。

「結果だけを見て落ち込むな。この戦いを糧に次へ繋げる。それが冥府機関の使命だ」


____________________________________________


この時代、影喰いの使用は制限されていた。かつての戦いの中で多くの犠牲を伴ったため、影喰いの使用には厳しい規定が設けられていた。しかし、新たな脅威が浮上する中、影喰いの力を再び必要とする声が上がる。


「影喰いを使うことは最後の手段だ。それは、私たちが超えてはならない一線だ」

義隆は会議の中でそう断言するが、一部のメンバーからは異論が出る。


「このままでは、黒羽根の女が再び動き出した時に対抗できない。影喰いを封印したままでは……」

黒羽根の女の影響は長い年月の間も消えることなく、時折その力が目撃されていた。彼女はまだ完全に姿を現していないが、その存在は冥府機関のメンバーに恐怖と不安を植え付けていた。


義隆は悩んだ末、影喰いの継承を考え始める。影喰いを持つべき次代のリーダーを決定することで、再び黒羽根の女と対峙する準備を進めるためだ。


「影喰いを持つ者は、組織全体の命運を背負うことになる。だが、その重さを受け止める覚悟がある者が現れるのか……」

義隆は深い溜息をつきながら、未来に思いを馳せた。


____________________________________________


この時代、冥府機関は妖怪や怨霊の脅威を封じながらも、その存在が薄れていく現実と向き合わなければならなかった。蓮や沙織のような若者たちが成長し、組織を次の時代へ繋いでいく姿を描きながら、物語は次なる展開へと進む。


黒羽根の女の影が薄れつつあるように見えても、その脅威が消えることはない。そして、冥府機関のメンバーは再び彼女と向き合う運命を受け入れることになる。



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