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東京幻怪録  作者: めくりの
一章

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第十四話「筋肉の誇り」

真夜中の特務機関専用ジム。結城隼人は鏡の前に立ち、分厚い胸筋をぐっと張り、笑みを浮かべながら腕を組んだ。トレーニングウェアから覗く腕は、ロープのように浮き出た血管と隆起する筋肉が見事に張り詰め、いかにも重量感とパワーを象徴している。


「今日もやるか、筋トレ大会!」


隼人が声を張り上げると、隣にいた風間が笑いながら肩をすくめた。「兄貴、ほんと筋肉好きっすね。でも、今日は本番の対決相手がいますからね。準備万端で挑んでくださいよ」


「おう!筋肉は裏切らねぇからな。筋肉で勝てばどんな妖怪だってぶっ倒せるってもんだ!」


隼人が豪快に笑い、持ち前の戦斧を傍らに立てかける。ジムの奥から妖気をまとった巨大な妖怪が現れる。その妖怪は隼人にも匹敵するような体格と筋肉質な肉体を持ち、まるでプロボディビルダーが巨大化したかのようだった。筋肉のラインが一つ一つ浮き上がり、筋肉量は尋常ではない。


「今日の相手はこいつか…おいおい、こりゃ驚いたな!」


風間が実況を開始する。「さて、筋肉妖怪登場!なんだこの筋肉は…鋼のような胸筋に、岩のような腹筋が見事に揃っております!」


隼人がニヤリと笑い、筋肉妖怪と向き合う。「いい筋肉だな、こいつも鍛えてきたようだな。まあ、俺の方が勝つけどな!」


筋肉妖怪は無言のまま、いかにも筋肉自慢といったポーズをとる。見せつけるかのように力を入れると、背中の広がりと腕の太さが隼人にも負けないほどで、周囲の空気に緊張が走った。


「さあ、いよいよ筋肉バトル開始!まずはポージングでの勝負か!?」


風間の実況が響く中、隼人がゆっくりと胸を張り、両腕をバルクアップさせて構える。その姿に、妖怪も負けじと筋肉を誇示し始めた。二人の間には言葉はなく、ただそれぞれの筋肉を際立たせるかのようにポーズが繰り出される。


「こっちの兄貴も負けてませんよ!肩の筋肉と胸の張り出しが圧倒的!隼人さんの勝利宣言だ!」


隼人がさらにポーズを取り続け、妖怪に向かって挑発するように言った。「お前の筋肉も大したもんだが、俺の筋肉には勝てねぇぜ!」


妖怪も負けじと体を揺らし、まるで筋肉が意思を持っているかのように震え上がる。その時、妖怪の巨大な腕が持ち上がり、筋肉をフルに使った一撃を放とうとした。隼人はその動きにすぐに反応し、戦斧を手に取って応戦する。


「来いよ!俺の筋肉は戦闘用だ!」


隼人の筋肉が全力で動き、戦斧を構えると妖怪の一撃を受け止める。強烈な衝撃音がジム内に響き渡り、二人の筋肉同士がぶつかり合う。隼人は息を整え、筋肉に妖気を込めることでさらにパワーを引き出し、妖怪を押し返す。


風間が興奮した声で叫ぶ。「ここで出た!隼人兄貴の筋肉が妖気で強化されたぞ!これは…妖怪にも負けないパワーが!」


妖怪もまた妖気を纏い、筋肉を膨らませて隼人に迫る。だが隼人は怯むことなく、力強く戦斧を振り上げて妖怪に斬りかかる。


「いっちょ上がりだ!」


隼人の戦斧が妖怪の肩に深々と食い込み、筋肉同士のぶつかり合いが最高潮に達する。だが妖怪は再び筋肉を誇示するように復活し、隼人に向かって猛攻を仕掛けてきた。


「このしぶとさ…筋肉自慢の妖怪も本気だな!」


風間が感嘆の声を上げながら実況を続ける。「まさに互角の勝負!筋肉妖怪と人間の頂上対決が繰り広げられております!」


隼人も次第に笑みを浮かべ、「いいぞ、そうこなくちゃつまらねえ!」と叫びながら再び斧を振り上げる。その瞬間、妖怪の筋肉も全力で隼人を押し返そうと力を込め、互いの体がぶつかり合う。


「筋肉の美しさと力のぶつかり合い…これは誰も止められない!」


やがて隼人が勝利を確信し、全身の妖気を戦斧に注ぎ込み、最後の一撃を妖怪の胸筋に叩き込んだ。力強い斬撃が妖怪を貫き、その巨体がジムの床に崩れ落ちる。


「勝ったか…」


隼人が息をつき、戦斧を振り下ろした手を見下ろすと、妖怪の筋肉が光を失い、静かに霧のように消え去っていった。風間が駆け寄り、歓声を上げる。「隼人兄貴、最高でした!筋肉勝負、見事に勝利です!」


隼人は軽く息を整え、「筋肉は俺を裏切らねぇんだよ」と豪快に笑った。その時、本庄麗奈がゆっくりとジムに現れ、穏やかな表情で隼人に声をかける。


「隼人さん、お疲れさまでした。やはり、あなたの筋肉は頼りになりますね」


麗奈の優しい言葉に隼人は照れくさそうに笑い、頭を掻く。「ありがとな、麗奈。でも、まあ筋肉はまだ鍛えられるし、これからもガンガン鍛えるぞ!」


麗奈は微笑みを浮かべ、「では、またいつでも筋肉を癒しますから」と柔らかく答えた。その一言に、隼人はさらにやる気を見せ、彼の背後に力強い筋肉の影が映っていた。

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