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殺人者のたわごと、そして微笑 その5

作者: 青木弘樹

作:青木弘樹


 数日が過ぎた。

 清田はしばらく家でゆっくりしていた。

 今回のことで清田は少しだけ名前が売れ、過去に出した小説が今になって売れたりもしていた。

 また、本を出さないかとの依頼も数件きていた。危険を冒した甲斐があったというものだ。


 夕方。清田はテレビのニュースを見ていた。

「では特集です。資産家連続殺人事件についてです」

「ゲストには心理学者の乾まさお先生をお迎えしております」

「先生、よろしくおねがいします」

「よろしくおねがいします」

「さて、容疑者の田代健太郎なんですが、なんでも逮捕されて以来、自分の罪は認めているものの、最初の殺人については自分はやっていないと供述しているようですね」

「そうなんですね」

「先生、これはいったいどういうことでしょうか?」

「そうですね。いろいろなケースが考えられますが、彼の場合、おそらく狂言ではないでしょうか?」

「狂言?」

「ええ。彼は他にも自分のやったことを、貧富の差をなくすための正義の裁きだ、などと言ってるようですが、警察を混乱させるための狂言ではないかと、私は思います」

「なるほど。捕まってしまった腹いせに、あることないこと、適当に言っていると」

「まあそんなところでしょう。犯行の手口はすべて同じであり、すべての犯行はおそらく彼の仕業だろうと、私は思いますね」


「、、、」

 清田は黙ってテレビを見ていた。


 そして、、、このニュース番組を微笑しながら観ている女性がいた。

「心理学者なんて、、、当てにならないわね、、、」

 この女性、風俗嬢のリン(鎌倉愛梨)である。

 彼女はなぜ微笑していたのか。それは、この連続殺人の最初の犠牲者を殺したのは、、、彼女だからである!

 つまり田代の言っていることは本当なのだ。

 殺した動機については誰も知らない。そして永遠に誰にもバレることもないだろう。


 その夜。

「リンちゃーん。ご指名だよ」

「はーい」

 リンはエレベーターに向かった。

 そして客の待合室からエレベーターに向かったのは、なんと清田だった。

「清田さん!また来てくれたんだ」

「ま、まあね」

「うれしい」

「ははは、、、」

 そして二人は部屋に入った。

「今日はね、とってもいいことがあったの」

「そうなんだ」

「うん。だからね、今日はいっぱいサービスしてあげるね、清田さん」

「はは、うれしいな、、、」

 喜ぶ清田。しかし彼は知らなかった。リンの最大の秘密を、、、。



 人は、どれだけ長く生きようとも

 どれだけ知識を詰め込もうとも

 所詮は誰も何も知らない、、、。


 お気をつけて。

 あなたのとなりにも

 罪を犯しておきながら、のうのうと日常生活を送っている人が

 いるかもしれませんよ、、、。



 ★THE END


 

  






 

ありがとうございました。

私は本も出版しております。

よろしくお願いいたします。


青木弘樹

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