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優しいけれど、過保護な兄(下)

ジュリエットの兄、【ディボルト】がモデルの栄藤琉斗(るいと)の話の下。かなり重いです。あとがきにページに相関図と、イメソンとかに関してのあとがきあり。

重すぎてあとがきにみんなで海行った時のおまけあり


3話まで、それぞれの自己紹介的に話しが進みます。4話からは、基本ヒロイン視点となる予定。


次回は真打登場のミオ君です。


この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。

20歳以下の喫煙を匂わせる描写があります。

弓道、香道の知識はふわふわです。

 実家で食事を取るその日、元々職場には半休を申し出ていたので、琉斗が離れに着いたのは15時近くだった。夜に帰宅して、恐らく出張帰りであろうあの女に鉢合わせるのが嫌だった。鍵を開けて玄関の扉を閉めると、朱里が居間から廊下へ出てきた所だった。

「あ、やば」

 彼女は兄が帰って来たことが分かると、そう呟いた。琉斗は朱里の姿に、眉をひそめた。朱里は紺色のブラタンクトップに、スウェットパンツという出立ちだった。その手にはコーンアイスが握られている。2月だというのに、だ。髪が濡れているので、風呂上がりなのだろう。

「おかえり、早かったね琉兄。……てっきり夜帰ってくると思ったのに」

「ただいま。なんだその格好」

「やっぱり言われると思った。んーとね。今日、2月なのに暑かったじゃない?微妙に厚着で大学行っちゃったから、帰り熱くて。お兄ちゃんたち来る前に、シャワー浴びてさっぱりしようって。で、髪乾かす前に、アイス食べたくなっちゃったの」

 確かに、今日の気温は2月なのに20度を超えていた。琉斗は靴を脱ぐと、何の気無しにそう語る朱里の肩を掴んで、後ろに向かせた。彼女の髪からフローラルなシャンプーの香りがふわっと上がる。正面だと、決してささやかでない胸の谷間が見えて、目のやり場に困った。

 そのまま浴室に彼女を向かわせながら、琉斗は喧々と言う。

「それはいいとして、まずまともな服を着てから居間に出ろ」

「いいじゃん別に。こっちの方にはお弟子さんたち来ないし。松江さんも、買い物中だし」

 背を押されながら朱里は、また始まった、とでも言いたそうな顔をした。松江さんとは、栄藤家の家政婦のことである。

「お前な、そういう問題じゃないんだよ。宅配とか来たらどうするんだ」

「玄関先に置いてくださいって言うし。別にこのままでも出れるから」

「絶対、やめろよ」

「本当に琉兄は過保護。それに家族しかいないじゃん今」

 振り返って琉斗を仰ぎ見た朱里の視線に、言葉を詰まらせた。深く、ため息が出た。

「それと琉兄、彼女、また変えたでしょ」

 その言葉に、琉斗はどきりとした。別に、付き合ったことはないので、変えたつもりもないが。そこら辺ひどく流動的な関係を、琉斗は送っている。

「……なんで分かるんだよ」

「……別に何となく」

 朱里は正面を向くと、持っていたバニラアイスをぱくりと食べた。

 勘がいい、と言うより、朱里は昔から鼻がいい。

 瀧由流香道家元の父は当初、流派を朱里に継がせるつもりだった。なので、中学に上がる前までは、それなりに稽古をさせていた。香道には組香と呼ばれる、様々な香りの組み合わせを当てる遊びがある。香道の集いというのは、一般的にこの組香の会を指す。その組香における朱里の的中率というのは、驚異的なものだった。

 本来の血筋やその才能から言っても、朱里が家元になるのが1番適任であろう。が、現在は琉斗が継ぐ事になっている。

 琉斗はばつの悪い顔をした。

「あー、もうアイスないのか」

 思わず下手な話の逸らし方をした。

「これさっきコンビニで買ってきたやつだから。食べる?」

 朱里はアイスを差し出した。その薄桃色の下唇に、白く残るバニラ。

 一瞬、美味しそうだな、と思った。

 すぐに目を逸らして、琉斗は呆れたように言った。

「食わねぇよ。お前の食べかけなんて」

「もう。人の善意を無下にして」

「悪意、だろ」

 本当に、自覚がないところが悪意だ。

「え?」

「ほら、髪の毛乾かしてやるから」

 琉斗は幼い時から朱里の髪をドライヤーで乾かしている。それこそ彼が寮に入る前まで、行っていた。

「いいよ、自分でできるから」

「……アイス持ったままでか?」

「……じゃぁ、久しぶりにお願いします」

 朱里を洗面所の鏡の前に立たせると、その頭にタオルを被せてガシガシと拭く。

「なんで、こんな濡れたまんま、出てくるんだよ!」

「痛いよ、ちょっと!琉兄!」

 そうは言いつつ、朱里は笑っていた。その様子に、琉斗は仕方がないように微笑む。

 中学生の時に起きたあの一件以来、琉斗は朱里を意識するようになってしまった。自分の気持ちを否定する度、その思いは強くなっていった。自ら気になって、従兄妹同士の婚姻が認められるのか調べたことがある。

 法律上は問題ない、という文字に、一瞬心が透いた直後、暗澹たる気持ちになった。それは片方の親がという場合であって、自分の場合は両親のどちらも朱里の親類だ。血が濃すぎる、気がした。法律的に問題はなくとも、道徳的には問題があるだろう、と琉斗は思った。そも、養子とはいえ兄妹として育ってきたのだから、世間が許してくれないだろう。そして何より、身内からそういう目で見られる気持ち悪さを、琉斗は誰よりも理解していた。朱里に、大切な人に、そんな思いはさせたくなかった。琉斗はこの気持ちに、頑丈な鍵をかける事にした。

 それでも、居間で勉強している朱里が、顔を赤らめながら同級生から貰ったであろうラブレターなどを見ている時は、心が揺らいだ。琉斗の気配に気づいて、弾かれたように手紙をノートの下に隠した朱里に、“稽古のことで、父さんが呼んでいた”などと、事なげに嘘をついた。朱里がパタパタと玄関から外に出るのを確認してから、その手紙を一読し、顔を歪ませる。夕食の支度をする家政婦の後ろを何気なく通ると、勝手口を出る。その庭先に、落ち葉を燃やす焼却炉があった。琉斗はその手紙を文字など分からなくなるまでビリビリに破くと、焼却炉の中にばら撒いた。その時琉斗は、笑っていた。

 母屋から帰ってきた朱里が血相を変えて手紙を探す姿を、琉斗はテレビに夢中な振りをして、横目で見ていた。しばらくして、おずおずと“緑色の封筒見なかった?”と尋ねる朱里に、“知らない。お前が無くしたんじゃないのか”と、彼はテレビから目を逸らさず言う。それはひどく冷たい横顔だった。背後で家政婦に泣きつく妹の声が聞こえた。

 琉斗に、罪悪感はなかった。

 朱里に、妹に纏わりつく虫を叩き落としたところで、罪悪感など湧くはずもなかった。

 

 琉斗は櫛で朱里の髪をすくいながら、丁寧にドライヤーを当てる。自分の癖のある髪とは違い、朱里は直毛で芯のある髪をしている。髪も同じ黒だが、鴉の羽のような青み掛かった黒さとは違い、彼女はやや赤黒い。

 似ているようで、似ていない。鏡に映った自分と、朱里を見ながらそう思う。

 ドライヤーの音だけがする部屋で、琉斗は目の前で飛んでいたのにも関わらず、唯一叩き落とせなかった“虫”の事を思い出していた。

 ──おぉそうかそうか。良かったなミオ君!

 そう、ミオ。

 ミオ・須藤・ロッソのことだ。


 それは中学3年の夏のことだった。当時、琉斗は私立中学に通っていたが、都立の高等専門学校に入学すべく、受験勉強に励んでいた。その高専に学びたい専攻コースがあるから、とは建前で、本音はそこの学生寮に入るためだった。

 母の、自分に向ける目線が耐えられなかった。けれど、1番の理由は違う。その理由は朱里にある。

 当時朱里はまだ小学5年生だった。まだあどけなさが残る彼女だが、これからどんどん綺麗に成長していく事は確約されていた。その姿を間近で見続ける事が、自分にとって毒になっていくのを、琉斗は危惧していた。自分を律する目的で、彼は寮に入る事を希望した。

 当然、母は猛反対するだろうから、秘密だった。先に父を説得した。この栄藤家で、絶対の決定権を持つのは父の寿雄だ。説得するにあたり、琉斗は自分が瀧由流を継ぐ事を父に宣言した。順当にいけば、瀧由流は朱里が継ぎ、琉斗は実の父が代表取締役だった紀平香堂を継ぐはずであった。けれど、紀平香堂は今は幸子のものだ。琉斗はそんな所に入る気も、実の父の”代わり“になる気も、毛頭なかった。香道の厳しい稽古の方が、彼にとっては何倍もましだった。

 これは育ての父である寿雄にとっても、悪い提案ではなかった。朱里は多少の反抗期もあり、この頃の香道の稽古に身が入っていなかった。娘には香りを聞き分けられる天賦の才があるにしろ、所作の細やかさや稽古に対する勤勉さは、琉斗の方が上だった。芸道においては、才能より、努力が重要視されることの方が多い。

 高専入学後、週末は稽古を受ける事を条件に、父は琉斗の寮生活を許可した。

 父が許可したのだから、母が何を言ってこようと、この決定は覆らない。母にばれるのは時間の問題だったが、琉斗は安心して勉強に集中する事ができた。

 少なくとも、あいつが来るまでは。

 夏休みに入る前週、父が突然にイギリスから親友とその子供が来日し、母屋の方で1ヶ月ほど滞在する事を告げてきた。受験を控えた大事な夏だというのに、外部の人間が、それも外国人が母屋であれ滞在するというのは、琉斗にとってはあまり良しとする所ではなかった。しかもその子供は、13歳の息子だという。その時点で嫌な予感はしていた。

 彼らがイギリスから来日するその日、母屋で香道の集いが行われていた。琉斗は勉強があったので参加しなかったが、朱里はその名前に合った朱色の着物に、唐草紋様が施された金色の帯を締めて、集いに参加していた。着物を着ている時の朱里は、多少不機嫌なのもあり、いつもより表情が固い。それが返って大人びた印象を与えて、綺麗に見えた。

 夕方近くだろうか。集いが終わったようで、客人たちが母屋から去っていく足音が聞こえ、それから半刻もしない間に、正門にタクシーが着いた気配があった。琉斗は区切りのいいところで、シャーペンを置くと、靴を履いて母屋に向かった。

 丁度、朱里と父が、イギリスからの客人を出迎えているところだった。イギリス人と聞いていたが、その父の顔は日本人のそれで、話しているのもネイティブの日本語だった。ただその息子の方は違っていた。

 プラチナブロンドの柔らかい髪に、はっきりとした端正な目鼻立ち。エメラルドにも似た緑色の瞳が印象的だった。

 ミオ・須藤・ロッソ──。彼は、その名前からも分かる通り、父が日本人、母はイタリア系イギリス人の、ダブルだった。

 ミオは、固まっていた。その瞳が夕日に照らされてなのか煌々としていた。その視線の先に、朱里がいた。朱里は彼の事を、やや緊張した面持ちで見つめていた。ミオが、息を呑むのが分かった。彼は完全に朱里に見惚れていた。

 あぁ、だから嫌だったんだ──。琉斗はミオのその様子に顔を歪ませた。払い落とさねばならない虫が、増えてしまった、と思った。

 

「終わったぞ」

「ん、ありがと。やっぱり琉兄にやってもらうと違うね。すべすべ。美容師になったら?」

 リスみたいにアイスのコーンの部分を齧って食べ終えた朱里が、そう言って琉斗を振り返った。

「エンジニアなんだよ、もう。……ここ付いてるぞ」

 朱里の口元に、コーンの屑が付いていた。

「え、ここ?」

 朱里は付いているのと反対側の口元を拭った。

「違うこっち」

 琉斗は無骨な親指で朱里の口元を拭うと、おもむろにそれを口に含んだ。

 甘い──。そう、思った。

「もう、子供じゃないから。琉兄いっつもそう」

 朱里はムッとした顔でそう抗議した。少し照れているようで、その姿がかわいかった。

「……髪乾かされてるやつが何言っても、説得力ないな」

「そうだけど、もう!」

 散々振り回したのだから、これぐらいは許してほしい。


「ただいま」

「あ、お母さんだ」

 家政婦の手によって、食卓にセットされていくすき焼きの鍋を、朱里はソワソワしながら見つめていた。その様子を琉斗はリラックスしながら見ていると、玄関先からそう声がした。母の、幸子が帰ってきたのだ。

 その声に弾かれたように朱里は立ち上がると、玄関に向かっていった。琉斗の顔が、強張る。彼は向かいに腰掛ける父と同じく、椅子に座ったままだった。

「おかえりなさい」

「ただいま朱里。あら、もう琉斗帰ってるの?」

「うん。3時過ぎにもう来てたよ」

「そう……。朱里、これ福岡のお土産」

「わ、ありがとう」

 母が朱里を連れ立って居間に入ってきた。

「おぉ、お疲れ、幸子」

「はい、ただいま戻りました」

 幸子は寿雄に対し、ずっと敬語を使っている。

 幸子は50代であるが、30代後半と言っても、違和感がない。そして何より大企業を牛耳る代表取締役としての華やかさと、オーラがあった。

「琉斗!おかえりなさい……!」

「……どうも」

 母は先ほどの冷やか表情とは一変、琉斗を見つけると笑顔になった。琉斗は、視線をぐつぐつと煮える鍋に向けたまま、母を見ようとはしなかった。気持ち悪かった。例の一件があって以来、琉斗は母のみならず父に対しても、敬語で話すようになった。

 琉斗はこの母を、この女を、嫌いを通り越して、憎んでいる。これはまさにあの夏の、朱里とミオも関わった出来事に起因する。

 須藤親子がどうして日本に来たか、といえば、ミオの父の仕事のためである。彼の父はイギリス育ちの日本人で、イギリスの大手香料メーカーの研究員だった。今回新たな香料の開発のため、視察とバカンスを兼ねて日本を訪れたのだ。彼は父が大学時代、イギリス留学した際の親友だった。また今回、息子であるミオを連れ立ったのは、彼の気晴らしになれば、と思ったためである。

 ミオの父と母は、その前の年、離婚をした。それ以来、塞ぎがちになっていた息子を心配しての行動だった。

 ミオは日本語がうまく話せなかった。聞くのは父親から普段話されていたから多少できるが、言うとなると難しいようだった。なので大概英語で話した。琉斗は彼の言っている事を辛うじて理解できた。けれど、朱里の方は英会話教室には通っていたとはいえ、本場の早口の英語は珍紛漢紛だった。

 最初こそ、ミオは緊張していたようだが、すぐにこの家に慣れた。何より、朱里と彼はよく一緒になって遊んでいた。言葉が通じないなりに、英単語が載ったイラスト本を指差したりして、コミュケーションを取っていた。

 琉斗はそんな2人が笑い合いながら庭を歩く様子を、2階の部屋の窓から見ていた。その度にノートをシャーペンでぐるぐると真っ黒に塗り潰したい衝動に駆られたが、耐えていた。琉斗は夏期講習で忙しかったし、何より朱里がこの家で、始終楽しそうにしている顔を、変な嫉妬心で歪ませたくはないと思ったからだ。琉斗はミオに対しては普通に接していたが、内心いつも殺気立っていた。でも、それも一夏の我慢だ。

 そしてミオたちが帰国する日の前日、それは起きた。

「琉斗!どういうことなの!」

 寮に入るつもりである事が、母にばれた。その年は冷夏だった。実際その日は日が照っておらず、腕を引き込まれて入った土蔵の中は、涼しかった。ここなら、誰にも話を聞かれない、と思ったのだろう。琉斗はこの母と2人っきりという状況に、嫌悪で鳥肌を立てつつも、冷静だった。いつかはこうなると分かっていたから。

「もう、父さんには話して許可を得ましたから」

「どうして!あそこなら十分家から通えるでしょう!?なんでわざわざ寮なんかに……それもあなた、瀧由を継ぐですって?」

 それも、ばれたか。きっと父が全て話したのだろう。父には逆らえないから、琉斗を説得しようという魂胆が見え見えで心底嫌な気持ちになった。返ってその決意が固くなる。

「えぇ。もう約束したので」

「なんでそんな他人行儀に話すの琉斗!どうして?あなたは紀平の人間なんだから紀平を継ぐべきでしょう!?」

「今は栄藤のあなたが社長なんですから、今更紀平も何もないんじゃないですか。……そっちはあなたの本当の娘の、朱里に継がせてください。もう、決めた事なので」

 毅然とそう答えた琉斗に、母は破顔した。その場にへたり込んで、彼女は琉斗になおも縋りついた。

「……もう、どうして?何が悪かったの?お願いよ琉斗!何で出ていくの……!お母さんが悪いの?どうして?」

 そう、お前の全てが悪い──。そういう思いで母を見下す琉斗の脳裏に、朱里の顔が浮かんだ。琉斗の顔が一瞬戸惑ったのをを母は見逃さなかった。

「……琉斗、あんたまさか、朱里の事」

 何故、分かった──。琉斗は顔を青くしてしまった。

「そう……なのね。嫌だ嫌だ嫌だ!あぁまた汚れた女が私の大切なものを奪ってく!汚ない汚ないきたない!」

 琉斗のその反応に、床を叩きながら母は絶叫した。その言葉に、琉斗は激昂した。

 朱里が汚いだって。汚いのはお前だ──。

 妹の子供に、かつて愛した男を重ねて、懸想するようなお前のことだ。

「おい!朱里は汚くなんてない……!あんたよくも実の娘にそんな」

「実の、……娘?あははははは!」

 そこで女は高笑いをした。琉斗は女が狂っていると心底思った。女は立ち上がると、爪が食い込む勢いで琉斗の両肩を掴んだ。

「いい事を教えましょうか、琉斗。あの子はね、あの女はね、私の娘なんか、じゃない。血なんてこれっぽっちも繋がってない!」

 実の娘じゃない──。

 では本当の、兄妹ではないのか──。

 僕と、朱里は。

 琉斗は、驚くより先に、顔を微かに綻ばせてしまった。嬉しかった。

 その顔を見て、女は満面の笑みを浮かべた。

「でも安心して!あなたとあの子は、ちゃんと血が繋がっている。良かったわね?あははははは!」

 その言葉に琉斗は一瞬にして崖から突き落とされる感覚がした。目の奥が湧き上がる怒りで赤黒く点滅する。

「……おまえ、なんかに。お前なんかに何がわかる……!」

 この時琉斗は初めて明確に、殺意を抱いた。


 ぐつぐつ煮えたぎる鍋に、肉を浮かせて食べる。琉斗の隣で朱里が肉を美味しそうに頬張っていた。

「もっとゆっくり食え朱里」

「んー」

 そう言われて朱里が不満そうな顔をした。その様子に、向かいに座る両親が笑っていた。一見穏やかな一家の団欒。琉斗はすき焼きのつゆが混じった、生卵のお椀を見つめる。だけれど内情はこれに似てる。ひどくどろどろとして混沌としてる。母は朱里を見るふりをして、うっとりとした視線で琉斗を見ていた。きっと、その面影に秋斗を見ている。気持ちが悪い。視線など決して合してやるものか、と思う。

 やっぱりあの時殺しておけばよかった──。その度に琉斗は思うのだが、この女のために刑務所に入って朱里と会えなくなるなんて、それこそ愚の骨頂だ。むしろこの女の思う壷のような気さえして、今はどうでも良くなった。琉斗にとって虫けら以下の存在がこちらに視線をやったとして、気持ち悪いだけで、他はどうという感情も伴わない。

「そうだ。今日はみんなに報告する事がある」

 父はおもむろにそう切り出した。そうだ。今日はそれが目的だった。家長の言葉に、皆にわかに緊張していた。

「イギリスのミオくんが、4月からこっちの大学に半年間留学するそうだ」

「ミオくん……」

 朱里が、そう呟いた。琉斗と母の顔が、一様に青ざめた。

「そこで、その間はうちの母屋から通ってもらうことになった」

「な、父さん……!」

「ミオくんも過ごした事のある場所から通った方が、慣れるのも早いだろう?なぁ幸子」

「え?……えぇ。確かミオくんは朱里の2歳上でしたっけ」

「そうだ、今年で23歳だな。去年大学を卒業して時の写真が……これだ」

 父が母に携帯の画面を見せた。

「まぁ、かっこいい!朱里、あなたミオくんと仲良かったじゃない!恋人になれるかもしれないわよ」

「え……」

 琉斗は頭の中で何かが切れる音がした。23の男を、父が常にいるとはいえ母屋に住ませる事、自体異常なのに、まして2人が恋仲になることを望むなんて。しかも母は琉斗の気持ちが分かっていて、言っている。鬼畜の所業極まりない。

「母さん、いい加減にしてください。父さんも、あいつのせいで朱里が倒れたって事、覚えてないんですか?」

 琉斗は母を睨みつけてそう言い放った。睨みつけられた事さえ若干嬉しそうにするのが、吐き気がするほど気持ち悪い。

「む……ミオくんのせいってお前。医者も熱中症が原因かも知れないって言ってたじゃないか」

「……そ、そうよ。まして土蔵の2階は湿気がこもりやすかったんだし」

 そう、母と琉斗が言い争ったあの土蔵の2階に、朱里とミオがいた。

 全て、聞かれていた。


『ジュリ?……ジュリ、ジュリ!ジュリエット……!!』

 土蔵の2階から、何かが倒れる音と、ミオの叫び声が聞こえた。琉斗も母も血の気が引いた顔で、2階に駆け上がると、朱里が倒れていた。

『死なないで……!ジュリエット!僕を置いてかないで……!!』

 その傍らで、ミオが泣きながら朱里に縋りついていた。

「朱里!」

「あぁ朱里!」

 琉斗と母が、朱里に駆け寄った。朱里は気を失っていた。血の気が失せ、青白かった。その顔を見た瞬間、全身が凍りつく感覚がした。

『ジュリエット……!』

「……ッ!動かすな!お前朱里に何をした……!」

 琉斗はミオの肩を掴んで自分に向かせた。

『何もしてない!君たちの会話を聞いていたら、ジュリエットが急に震えだして……』

 ジュリ・エトウ──。なぜミオが、この状況で朱里をフルネームで呼ぶのか分からなかった。それよりも、朱里が倒れたのは、自分たちの会話を聞いたからという事実が、琉斗の体を震わせた。

『たお、れ……』

 そこでミオは気を失った。

「お、おい!ちくしょうお前が倒れるな!」

「朱里!ごめんね!朱里……ともこ、母さんが、ねえさんが悪かったわ……ごめんね、ごめんね」

「母さん!救急車!いやもういい俺がかける!父さん呼んできて……!」

 そこから朱里は救急車で運ばれた。ミオは救急隊が到着する直前に目覚めた。その後本人が大丈夫だと言うので、診察は受けなかった。

 朱里は搬送先の病院で検査を受けたが、特段異常はなかった。

 だけれどその日、朱里が目覚めることはなかった。

 翌日、予定通りミオたちはイギリスへ帰って行った。ミオと琉斗はあれから一言も言葉を交わさなかった。帰る時でさえ、互いに黙って睨みつけるだけだった。

 ミオは具体的には彼らが何を話していたか分からなかったが、琉斗たちのせいだ、と思っていたし、琉斗はそもそもミオが朱里とあんなところに2人きりでいたせいだ、と思っていたからだ。

 その日の午後、琉斗たちは朱里が入院している病室へ面会に行った。母は仕事で来なかったが、父が別室で医師の話を聞く間、琉斗は1人、朱里の傍にいた。

 倒れた時より、顔色がよくなっている。その白い手をそっと握る。その手に、額を付けながら、琉斗は悲痛な思いで念じた。

 神様、お願いだから、朱里を目覚めさせて──。

 亡くなった両親を生き返らせてほしい、と祈って以来、初めて神にそう願った。

 そのためなら僕は何だって我慢するし、投げ出したっていい。

 朱里だけ生きてさえいれば、それでいい。

 すると、握っていた手が微かに動いた。弾かれたように顔を上げると、朱里が薄目を開けた。

 ──るいと、お兄ちゃん。

 寝ぼけているのか、彼女はいつかと同じあどけない顔で微笑んだ。

 ──朱里、朱里、じゅり。

 琉斗は朱里をぎゅっと抱きしめた。

 その愛おしさで、涙が出た。

 後で分かったが、朱里はここ数週間の記憶を、失っていた。


 朱里の部屋の戸を、琉斗は叩く。

「はーい、あれ。お兄ちゃん泊まっていかないの?」

「あぁ、帰る。あー、俺も3月からこっちもどる」

「え?離れで暮らすの?」

「いや、母屋の方で。ミオもあっちだし」

 それにあんな格好で朱里にうろうろされては、敵わない。

「そっか……」

 朱里は少し寂しそうな顔をした。

「何だ、寂しいのか。久しぶりに添い寝でもするか?」

 そう意地悪そうに朱里の顔を覗き込むと、朱里はむくれた。毎度この顔の朱里はフグみたいでかわいい。

「からかうのやめてよ。……んー、ただこの家1人で住むには、広いから。母さんも、たまにしか帰ってこないし」

「まぁ、そうだな」

 朱里は琉斗が寮に入った時からずっと、この家で1人だ。

「でも琉兄とミオくん来たら、賑やかになるね」

「……そうだな」

 嬉しそうにそういう朱里に、琉斗は半目になった。

「あ、そうだこれ渡し忘れてた。山梨の」

「なに?あ、ほうとうケモナンだ!かわいい!」

 ケモナンと呼ばれる朱里が好きなキャラクター。やはり全く可愛くない、と琉斗は感じる。

「ありがとう、琉兄!」

「あぁ、……じゃあまたな」

「うん、気をつけて」

 だけれどそれを愛でる朱里はとてもかわいい、と琉斗は感じる。微笑んで、その頭をポンポンと撫でた。


 ヘルメットをかぶって、バイクに跨る。昼間は暖かかったが、夜は流石に寒い。小雨がパラパラと降っていた。エンジンをかけると、琉斗はバイクを走らせた。

 土蔵での出来事の後、父──、寿雄に、琉斗は朱里の本当の母親は誰なのか、聞いた。彼は重い口を開けて、自分の幼馴染だ、と答えた。寿雄には結婚する以前よりずっと前から、付き合っている女性がいた──。

 朱里に対するこの思いを、伝えるつもりは一生ない。

 かと言って、他の女と結婚するつもりも一生ない。

 流派も、途絶えさせる。だから跡を継いだ。

 この狂った家系は、自分の代で清算させるつもりだ。

 ただ、朱里だけ幸せに生きてくれればそれでいい。

 贅沢を言うならば、最後の時に朱里に手を握っていてもらいたい。

 もし朱里が先に逝くような事があったら、その後琉斗は長くはないだろう。

 栄藤朱里は、琉斗のすべて、だ。

 栄藤琉斗は、そういう男だ。







 ここまでの関係図。

挿絵(By みてみん)

 

以下、イメージソングに合わせたあとがきと、今回が重すぎたので書いた、今後の展開のちょっと出し(ラブコメテイスト)。

 

針ケ谷晴樹、イメージソング

【高嶺の花子さん】【君の恋人になったら】

晴樹君はback numberだろ、という感じ。1曲目は中学時代の、2曲目は今の彼のイメソンですね。特に2曲目が大学生男子っぽくてあざとかわいい感じですが、別に付き合ってなくても、彼は余裕で3時間以上は朱里ちゃんのこと考えてるんで。分類するなら彼はストーカー型ヤンデレですね。外堀を埋めるのが上手いので、きっとミオ君が現れなければ、琉斗さんに睨まれつつも、朱里ちゃんは晴樹君と結婚してたでしょう。パリス(婚約者)がモデルなので。

 今後やりたいシチュ:煙草の火移し


 栄藤琉斗、イメージソング

 【馬と鹿】【Prisoner of love 】

 晴樹君との温度差でグッピーが死ぬ。多分、3人の中で断トツ過去も朱里ちゃんに対する思いも重い男なので。彼の話は物語の核心部分でもあるので、予定より長くなってしまいました。彼は無害型ヤンデレです。朱里ちゃんにはネガティブな事しないけど、自分の情緒がやばくなっていくタイプ。1番お兄ちゃんが常識人かな〜と思って書き始めたら、いやこいつもヤンデレだわ、ってなりました。この人もミオ君が現れなければ、特段行動に移すことなく終わっていたかと。

 今後やりたいシチュ:朱里による拷問耳かき

 

 ミオ・須藤・ロッソ、イメージソング

 【ロミオとジュリエット】平原綾香

 【ロミオとジュリエット】1968年映画主題歌

 全ての発端となった曲。本当、ヤンデレ好きの人にこそ聞いてほしい1曲です。最後本当怖いから。原作においてもなんですが、ロミオとジュリエットが出会ったことでの悲劇じゃなくて、ロミオのやらかしによって引き起こされる悲劇なんじゃ、っていう。原作のロミオ、無害なふりしてジュリエットの従兄妹も婚約者も殺してますからね、結果的に。こちらの本編はそんな感じにはなりませんが、彼は他者排除型のヤンデレとなります。このあとがき書いた時点で、ミオ君は脳内プロットしかできてないですけど、多分断トツで素がやばい男子です。思考、じゃなくてもはや元が、っていう。R15にしてるのは大体ミオ君のせいだよ、っていう。

 今後やりたいシチュ:ストリートピアノでの連弾


 栄藤朱里、イメージソング

 【きらり】

 これは朱里ちゃんが3人の誰かとくっついた時のエンディングに流れる曲ですね。もう男性陣の朱里ちゃんに対する愛情カンストしてるんで、逆に朱里ちゃんの好感度が誰がどれだけ上げるかでルートが決まる、乙女ゲーに見せかけたヒロイン一択制のギャルゲーだと思って頂ければ。朱里ちゃん、容姿ばっかりしかまだ注目されてないんですが、野郎どもを救済するディーバなので。朱里ちゃんターンになったら掘り下げていくよ〜っていう。


栄藤幸子、イメージソング

【知らないんでしょ?】

 最後になんてものを入れるんだ、な幸子さんのイメソン。幸子さんは、うん、メンヘラですね。\みんな違ってみんな毒親/な本編ですが、幸子さんはそうなる過程が壮絶なので、そら病むわっていう。これは幸子→妹の朋子、または朱里に向けたイメソンです。幸子さんは朱里を嫌っている、わけではなく、愛情もあり、憎しみもあるって感じ。大変複雑な気持ちを向けています。これはまた、朱里から幸子さんへのイメソンにもなるので、そこら辺の葛藤を書けたらなぁ(大の字)、って感じです。


 本編では察してくれ、程度しか書かない予定なので、ここで幸子さんの過去を書きます。

【以下かなり重いし長いので注意】

 

 まず、家庭環境から言わせれば、父の愛人との子供である妹の朋子さんと過ごしていた。自分の母が、朋子に接する様は至って普通、というか冷たくしたりはしなかったし、自分もそうであろう、と時に黒々とした気持ちを抱えながらも、努めていた。

 幸子さんには許嫁の寿雄さんがいたけれど、本当は初めて会った時から、その弟の秋斗さんの方が好きだった。だけれど、彼は妹の朋子を愛しており、最終、彼と妹は子を成して結婚した。幸子さんは朋子さんに裏切られた気持ちを抱えます。その2人から産まれたのが琉斗。琉斗は妹に似ず、秋斗さんそっくりな顔を幼少期からしていました。

 一方で、寿雄さんと幸子さんは妊娠はすれど、お腹の中で育たず、安定期に差し掛かる前に2回、流産をします。彼女は不育症でした。

 そんな折に寿雄さんが他の女性を妊娠させた事が発覚します。その女性は寿雄さんの幼馴染で、ずっと以前から2人は秘密で付き合っていました。そんな男とは家とは関係なく離婚しろよ、幸子さん!と思うのですが、彼女にはプライドがあった。離婚してその女性が後妻として迎えられるのも、そのことによって、会社で秋斗さんとぎくしゃくするのも嫌だった。ここなかなか狂ってる設定なんですが、相手の女性は生まれてくる女の子を、栄藤家で育ててほしい、と申し出るわけです。経済的な理由も含めて、ですが。そうして産まれたのが朱里。彼女は産まれてすぐ、幸子の子供となります。普段はベビーシッターが全部面倒を見ると言えど、抱き抱えて見ると、幸子さんは朱里に対して愛情が芽生えました。一方で、嫌悪も。

 そうして、秋斗さんと妹が亡くなることによって、琉斗が息子となります。琉斗に対しての幸子さんの愛情の傾け方は異常でした。

 幸子さんと、琉斗が言い争った際、汚いやつらと言ったのは、父と愛人の娘の朋子と、寿雄の不倫相手、その子供の朱里のことです。幸子さん的に、秋斗さんも、寿雄さんも、琉斗も、みんなやつらに取られたと思っている。ちなみにフォローになりませんが、とても仕事はできる人です。

 そんな人に”幸“っていう漢字を充てる自分が1番鬼畜だな、って思いました。読み終わって、幸子さんのとこ、ホラーかよ、っていう。



 以下朱里、彩乃+ミオ、晴樹、琉斗で海に来た時の話

 プロットなので、本編で加筆予定。


 【未登場の登場人物が出てきます】

 三島彩乃:朱里に中学時代からの弓道部の後輩。

 晴樹と同じ学部の同級生。晴樹が朱里を偵察するために、ずっと連絡を取っていた人物は彼女。

 彩乃はジェンダーフルイド で、今は経済学部に2つ歳上の彼女がいる。

 

「お待たせしましたー!」

「Oh!アヤノかわいいね」

「お、そうっすか?針ケ谷もほら、これぐらいの早さで女子褒めないと、ほら」

「えぇ。あー、うん、いいんじゃね?」

「雑」

「褒めてやっただろ」

「先輩以外にもちゃんと猫被ってんだろ、その勢いでやれよ」

「CAT?どういう意味?」

「……なに、こいつ普段猫被ってんの?」

「バチボコ被ってますね〜はるきくん」

「三島、余計なこと言うなよ。……ところで先輩は?」

「ちょっとまだかかるから先行ってて、って。ふふ、実は今日の水着、先輩と一緒に買いに行ったんだよね〜。マジずっと眼福だった。針ケ谷、私に感謝しろよ」

「何をだよ」

 彩乃は顔をにやつかせた後、晴樹を指差した。晴樹は心底うざったいような顔をした。

「お待たせ!遅くなっちゃってごめんね」

「せんぱーい!待ってました!どう?かわいいでしょ、朱里先輩」

 彩乃は朱里に手を振った後、男性陣を振り返った。

 彩乃は期待していた。ネットミームで言うところの外国人4コマの、4コマ目になる男たちの姿を。

 けれど、その反応は、予想に反するものだった。

「……」「……」「……」

 これは、2コマ目と同じ反応だ。晴樹とミオは真顔で固まっていたし、琉斗は目を逸らしていた。

 思ってたのと違う──。そう彩乃が首を傾げていると、晴樹とミオが綾乃の脇を通り過ぎて、朱里の元へ早足で向かった。ほぼ同時だった。

「……ジュリ、この格好だと日焼けしちゃうよ?」

「そうですよ朱里先輩。ラッシュガードどこです?取りに行きましょう?」

 ミオは左手、晴樹は右手を朱里の肩に置きつつ、もう一方の手で互いの手を振り払っていた。かと思うとこちらを振り返らず、2人で親指を彩乃の方に向けて立てて来たので、笑ってしまった。

「あれ、彩乃ちゃんが選んだでしょ」

 ちゃん付けで呼ばれた──。琉斗にそう言われて、綾乃は少し驚いてしまった。

「え、そうです」

「……センス、いいね。その水着もよく似合ってる」

「あ、あざーす!」

 そう微笑まれたので、不覚にも少し照れてしまった。栄藤兄妹、怖っ──。彩乃は心底そう思った。おそらく意識した行動じゃなくて素でやっている。そういうところが朱里先輩そっくりだ。

「ねぇ、ジュリ。ネコかぶるってどういう意味?ハルキ、カブってるってアヤノ、言ってた」

「猫?はるき君が?」

「あー、先輩。それ三島がいつもみたくからかってきただけですから。……ミオ、先輩が困るから余計なこと聞くなよ」

「Got it……今のハルキみたいなこと言うんだね。猫被る」

 

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