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鍵15‐1 緑のバケモノの独白

テウタテス視点です。


「デアーグ‼︎」


 赤い美しいバケモノの怒号が響く。



「なんでカイのこと傷つけたの? カイは関係ないじゃん。良い子じゃん!」

「なんで、なんで良い存在がぼくの所為で傷つけらなきゃいけないの!」

「嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い、大っ嫌い‼︎」


 赤い綺麗なバケモノの嘆きが聞こえる。

 なんでと、嫌いと、連呼する様は幼い子供の癇癪のようだ。けど、そんな子供じみた姿でも赤い優しいバケモノを深く傷つけるものだ。


 オレ様は基本、よそのバケモノ同士のことには干渉しねぇ。でも、今回は口を挟まねぇと、この後の試合にも響くし、何よりデアーグが不憫だ。


「ちょっとエルくんってば落ち着けって、こいつだってこいつなりの考えがあってなー」

「黙れ部外者、あと気安くエルって呼ぶな」


 剣呑な雰囲気に常人だったら呑まれるだろうが、生憎オレ様は緑のバケモノなんでちっとも怖くねぇや。


「おお、怖いね〜」


 ふざけた様子で肩をすくめて見せれば、怒りの矛先がこっちに向けられる。

 瞳に宿る怒りはこちらを焼き尽くしてしまいそうだ。


 ちょっと損した気分になったが、まあ赤のあいつにそれが向くよりはマシだろう。


 だってのに肝心のそいつったらオレ様の肩を押して間に割り込んできた。



「……エルは俺のこと嫌いね、それでも俺はエルが大好きだよ。世界で一番大好きだよ」



 すっげぇ優しく甘い声だった。もうお茶に入れる角砂糖に例えるんなら、入れすぎてじゃりじゃりに感じるくらいのだ。


 ぶっ飛んでやがる。

 やっぱり赤と緑のバケモノは別のベクトルでおかしいんだよな。


 普段のデアーグの様子からして、嫌いなんてエルくんに言われて世界が終わる以上のショックだろうに、返事がそれ。ブレない。



「エルがどうであろうと、何をしたって、俺はエルのことが大好きだよ。

 俺のこと嫌いだって、

 俺や兄上を裏切ったって、

 俺を殺したって大好きだよ。愛してるよ。

 ……傷、ありがとう。兄上とお揃いだ」



 ああやっぱオレ様とは別のバケモンだわ、こいつ。


 傷つけられても、裏切られても、殺されても、愛してるなんてこいつ以外の口から出たら信じらんねぇけど、こいつの場合マジなんだろうなって確信がある。


 同じバケモンでも度合いが違うのか、エルくんデアーグの言葉についていけずに言葉を失っている。


 己がつけた指の傷跡の赤と穏やかな目をしたデアーグの顔を交互に見てる。


「今回はごめんね。エルの方が正しかったね。全面的に俺が悪いよ。カイ・キルマーはある程度信じても大丈夫そうだね」


 ここで謝るかぁ……信じてもいいなんて本当は思ってねぇだろうに。


 オレ様は今回のことでカイ・キルマーのことは見直したし、ちょっとごめんってなるし、信じても良いと思うけどよぉ……断言する、こいつは絶対に信じてない。


 いざとなったら簡単に殺せるから、うろちょろしてんのうっぜぇけど放っておくかってノリだ。


 それは流石にオレ様がさせねぇけどよ。


 あいつ殺したら、きっといつかデアーグも後悔すると思うんだ。


 エル君はもうデアーグの謝罪に、怒りやら、安心やら、困惑やら、色々な感情を処理し切れないのか泣きそうになってる。

 なんつーか可哀想だけど、デアーグのこともある程度知っているからオレ様は口をつぐんでおく。


「でもね、エルは良い子だから危ない目に遭わせる存在も多いの」


 真っ白なエル君の頬を撫でる血に塗れたデアーグの手は優しかった。壊れものを触るかのような手つきだった。


「だから俺がエルのことを守るの」


 そう微笑むバケモノの目は慈愛に満ちていた。



 やっぱり、オレ様はデアーグのことが嫌いじゃねぇ。


 だって、赤い優しいバケモノの根本はオレ様と同じだから。オレと同じで、仲間のバケモノをバケモノ以外から守ろうと必死なだけだから。






 ***






 緑系統の貴族は、別に緑色の色彩が容姿になくたって大して気にも止めねぇらしい。

 他の系統は割と系統に合った色彩が容姿にあることが多いみてぇだが、うちの系統だけは昔からそうでもねぇらしい。



 そう、あくまでらしいだ。オレ様の生まれた家は違った。


 オレ様は輝く金髪に赤い瞳と、緑系統とあんま仲良くねぇ黄と赤の色彩を持って生まれたもんだから、親や兄弟達には相当異端視された。


 母親というイキモノはオレ様に言った。

「その色はみっともないから、坊主にしてしまいましょうか。きっと似合うわ」


 父親というイキモノはその隣でため息をついた。

「目の色はどうにか出来ないものか……赤は流石にな」


  兄というイキモノは哀れむようにこちらを見た。

「可哀想にこんな色で生まれてきて」


 姉というイキモノはそれらを励ますように笑った。

「お父様、お母様、お兄様、これも天のご采配だわ。気にすることないわよ」


 オレ様はそれを見て、聞いて、育った。

 だから、知ってた。異端だと、みっともないと、憐れまれるような存在だと、天のご采配と誤魔化さないといけないほど、おかしい存在だと。


 オレ様の家族という連中は、貴族の中の一般の枠を外れない連中だった。緑系統の貴族は割と常識外れや、規格外の身体能力を持った存在がいる方みてぇだが、残念なことにオレ様の家は違った。


 だから、オレ様が世話係の使用人と戯れた結果、使用人がオレ様の拳で高く舞い上がり地に落ちたのを見て、バケモノとして恐れた。自分のしでかしたことに驚いているオレ様を叱りもしねぇ、機嫌を取るように愛想笑いして拒絶した。


 それまでも、ずっと家族というものと一線を感じてたけど、その後にはもうどうしようもない隔たりが、壁が出来てた。



 それからしばらく、バケモノなオレ様は一人だった。

 自室から出る度に家族や使用人がビクつくもんだから、自室にこもった。

 食事を運んでくる使用人は立場上、笑顔で給仕してきたが、表情が引きつっているのを見抜けない程、察しは悪くねぇ。

 だから試しに、食事を持ってきたと扉の外からした声に、「ドアのまえにおいて」と伝えたら、ホッとしたような声が返ってきた。



 バケモノはふつうのニンゲンと関わらないのが正解だった。



 たまにご機嫌取りのように食事と共に置かれる冒険ものの本に出てくるバケモノと自分を重ねた。



『そのバケモノは見るもおぞましいすがたをしていました』

『バケモノのとてつもない力に村びとたちはにげまどいました』


  普通の子供だったら勇者が勇敢に戦うシーンを何度も見るだろうは、オレ様はずっとバケモノが出てくるシーンばかりを見ていた。だって、自分の仲間が出てくるから。


 出てくるバケモノの中でも、大きな猫のバケモノが大好きだった。自分と同じ毛色と瞳の色を持ってることや、自由気ままに気に入らねぇもんをぶち壊す様が大好きだった。

 自分の好きなように生きて、自身を害してくる主人公が口にする正義を笑い飛ばしたそんなバケモノに憧れた。



 オレさまは多分、ここに生まれるそんざいじゃなかっただけだから。

 ぐうぜん、バケモノなのにニンゲンのところに生まれただけだから。ナカマはきっとどこかにいるはず。


 そんなことを挿絵のバケモノをなぞりながら思っていた。




 ある夏の日、急に扉が勢いよく開けられ、家族という人間が満面の笑顔で話しかけてきた。


「お前はこの家の誇り」だとか、

「素晴らしい」だとか、

「自慢の弟」だとか、

「家族として鼻が高い」だとか、


 色々言ってた。正直、何が起こっているのか分からなかった。


 オレさまはバケモノだ。ニンゲンじゃない。


 だから、みっともないんだろう?

 あわれまれるような存在なんだろう?

 みんな近づきたがらないだろう?

 向きあわずなだめてはれもの扱いするんだろう?


 それで、ずっとオレさまはなっとくしていたのにさ。


 どーして、いまさら、ニンゲンあつかいするんだよ。オレさまに近づくんだよ。オレさまをほめるんだよ。


 分かんねぇや。分かりたくもねぇや。


 オレさまはバケモノだから、いま、あふれたこのはかいしょーどーをぶつけるしかできねぇや。



 ――喋ることの出来なくなった屋敷の人間達を踏みながら、オレ様は屋敷の外に出た。物心ついてから初めて出た外だった。



 そして、そこで出会った。自分と同じバケモノに、自分以上のバケモノに。



「あら、迎えに来たらキレイなかみをした子がずいぶんとあばれているのね」



 亜麻色の髪の少女は、麦わら帽子にサンダル、緑のワンピースと避暑地に遊びに来たかのような気の抜けた格好だった。

 オレ様がそんな普通の人間に見える姿に再び破壊衝動が湧き上がる前に、一瞬で距離を詰められた。


「はじめましてで悪いけれど、やりすぎには躾をするわ」


 獣のような灰色の瞳を持つ少女の姿のバケモノに、オレ様は完膚なきまでに鎮圧された。



  ***



 オレ様は人間離れした身体能力を天から生まれつきで与えてもらっている特別な存在だったらしい。しかも今まで、侯爵家以上の家にしかそれはいなかったらしい。だから、君への対応が遅れた大人のバケモノに言われた。


 王都のシュトックハウゼン公爵家の別邸。そこには、オレ様と同じような奴が何人もいた。


 オレ様と同じ存在、オレ様と同じバケモノがいる、そこはオレ様の居場所だった。

まぁ、そこでもオレ様の髪色を見てシャムロックは冷たい視線を浴びせてきたが、それでも居心地は良かった。


 憐れまれねぇし、外に出て自由にしていられる。大勢からの咎めるような視線はねぇし、オレ様がすることに大して驚きも怖がりもしねぇ。お互いに気が向けばバケモノ同士で戯れ合うことも出来る。



 そんな中、レトガー家の双子にも出会った。


 オリスはオレ様と同じバケモノなのに、いつもビービー泣いてた。

 自分の力が怖ぇと、誰か傷つけねぇかと、いつも自分のことを馬鹿みてぇに恐れて泣いてた。

 泣き喚く姿を見ては、細かい事気にせずバケモノらしく生きればいいってのにと不思議で堪らなかった。

 傷つく弱い奴なんて、どうせオレ様達とは違う生き物なんだから気にする事ねぇのにってさ。


 逆にテレルはオレ様達とは違う弱い人間なのに、いつも平然としてた。

 オレ様達のことを全然恐れなかった。当たり前のようにバケモノであるオリスの隣にいんだ。


 オリスが勢い余ってテレルの骨を折ってしまった時、骨の折れたテレルではなくオリスの方が「ごめん」とギャン泣きしてたし、テレルは真顔で自分の腕を押さえながら「そういうこともある」と慰めていた。異様だった。



 テレルは変な人間だった。バケモノじゃねぇのに、変な奴だった。



 ある日、気になってテレルにオリスの事が怖くねぇのかと、怪我させられているのに嫌いにならねぇのかと聞いた。


 するとテレルはキョトンとした顔で、

「ぎゃくになぜ同じ日に生まれた兄上をおそれる? わざとやってるわけでもないし」

 心底不思議そうにそう返してきた。


 曇りのない空色の瞳で、真っ直ぐこちらを見てそう言ったのだ。愛想笑いもせず、ただ真剣に。


 その上、

「そういえば、テウタテス、あなたと話すのはこれが初めてだな。ボクはテレル・ドロッセル・レトガーだ。よろしくたのむ」


 そうバケモノのオレ様に対して、躊躇なく握手を求めてきた。



 衝撃だった。



 今まで見てきた人間とあまりにも違いすぎて、どう接すりゃいいんか分かんなくなっちまって、その手を握らず、何も言わずに走り去った。


 走って、屋敷の屋根の上で丸くなった。丸くなってたら、なんでか分からねぇけど、胸が痛くて、熱くて、何かしら声を出していなければ身が破裂しそうで、吠えた。


 年下の子供の空色の瞳と伸ばされた手を思い返すだけで、思考が閃光によって眩んだようになった。でもその感覚は全然嫌じゃなくて、その感覚に浸っているのが心地良かった。


 気づけば日が暮れていた。銀と青の月が昇っていた。


「テウタテス」

「……シグリ様」


 オレ様が丸くなっていた近くで、同い年の少女が屋根の縁で腰掛けて足をぶらぶらとさせていた。


 いつからそこにいたのかは分からない。でも、日が落ちて気温が下がった対策のカーディガンを着てないのと、彼女の言葉の響きから割と長い間、日が落ちる前からそこにいたんだろう。


「良かったわね」


 冷え切った、でも柔らかい手に撫でられるのが心地よくて、向けられた慈愛に満ちた眼差しが暖かくて、優しくてかけられた言葉によって自分の感情が鮮明になって、登っていない唯一の月と同じ色をしているだろう瞳から涙が溢れた。




 ***




 シグリが……好きだ。オレ様より強いし、優しいから。

 テレルは変だけど良い奴だ。俺より弱いのに恐れないから。

 オリスは……泣いている姿が、何故か昔の、部屋に一人でいた頃のオレ様と被った。


 あいつの側にはテレルがいんのに、それでも泣くんだ……いや違ぇ。多分テレルが側にいるからあいつは泣くのだ。


 テレルみてぇなバケモノじゃねぇのにオレ様達に平然と向き合う変な奴がいる。

 だから他のバケモノじゃない奴にも馴染もうと、怖がられまいとすんだろう。自分の力を恐るんだろう。



 そんなことしても無駄だってのに。


 お前の側にいるテレルが特殊例だっただけだ。

 他の連中にも希望を持ってさ、いつか馬鹿を見る。

 でも、それで馬鹿を見て、テレルの特別さをより知って、バケモノなオレ様達とテレルだけを尺度に生きていけばいいと、最終的に気づければいいと傍観していた。本人が期待したいうちは期待しとけば良いだろってな。



 オレ様は、既にその段階は過ぎ去って、バケモノやテレルみたいな奇特な奴以外には、期待しねぇ。

 別のイキモノとして認識してる。だから、オレ様は世で言う一般人のことはどうでもいい。

 一般人様とやらがこっちをバケモノだと恐れ拒絶すんだったら、オレ様は一般人とやらを力の無い哀れで愚かな存在として見下してやろう。


 泣き虫なオリスはそれが出来るようになるまでに、たくさん傷つくだろうが、あいつは大丈夫だ。だって、あいつにはテレルがいるんだぜ?


 でも……オリスは泣き虫だったのを変な方向に克服しちまった。



 その要因のシグリ様も酷く生きづらそうだった。


 基本動き回るのが好きな緑の性質があるってのに、彼女は令嬢らしさ、しかも緑系統全体の手本となるように振る舞えと強制される。

 優しい性格にも関わらず、立場的に赤や黄の貴族との対立を望まれる。



 別に本人は辛いだなんて口にしねぇよ。けど、どう見たってオレ様と闘ってた時の方が、パーティに出てる時より屋敷でのんびりしている時の方が楽しそうだ。


 きっとシグリの行いは貴族令嬢として正しいものだろう。彼女は彼女の役割を果たし、周囲の期待に応えていた。

 緑の令嬢たちを率いるにふさわしい人物だと称賛されてた。



 けど、オレ様は生憎と貴族のルールをあまり知らずに生きてきた。

 そんな俺から見た彼女は籠の鳥だった。

 配下の緑の令嬢達どころか、紫の公爵子息令嬢が病弱故に紫の令嬢達のことも面倒を見ていた。令嬢達の世界が正しく機能する為の生贄だった。


 そうにしか見えねぇんだ。

 だって、優しいから、良い人だから、強い人だから、そう言ってシグリ様より弱い連中は彼女のことを利用すんだ。


 いくら強者だろうと無敵では無いし、弱点もある。

『口撃姫』だなんて対立勢力から恐れられるくらい、舌戦に強くたって、本来の気性が争いを好まないものだから精神的疲労は蓄積していった。


 なのに周囲の弱者どもは自分でどうにかするべきような問題も、彼女になんとかしてもらおうと、楽をしようと縋りやがる。

 欲に目を眩ませて対立を煽って、更に問題を増やしやがった。


 幼い頃、力加減が上手く出来ず、楚々とした動作や、刺繍やカップを割らずに持つことの出来なかったあいつのことを影では「令嬢としては失格」だなんて散々嘲笑っていた連中さえも、そんなこと忘れたかのように縋るのだ。クソだ。


 オレ様は心底そいつらを軽蔑したし、そんな奴らの為にシグリが何かする必要はねぇと思った。


 けど、シグリは優しいから、頼られたら無理をしてでも応えちまうんだ。



「私は強いから大丈夫よ。弱者を守るのは強者の義務よ」

「緑の令嬢のトップとして、みんなの期待に応えるのが当然よ」


 そう彼女が笑って言うから、

 自分の胸に渦巻くこの不満も、あくまでオレ様の正しさだから、押し付けちゃいけねぇと思った。


 シグリが正しいって思ってんなら、同じように弱者を守ることもオリスがそれで納得してんなら、オレ様は納得しちゃいけねぇけど放置でいいかって思ってた。好きにさせてればいいって思った。


 二人ともオレ様より強ぇから、いざという時はどうにか出来るって思ってた。


 強いから、オレ様が特に何もしなくても全部こなして勝手に幸せになるだろうと思ってた。


 でも駄目だった。駄目だったんだ。あいつらにも限界があっから。




 テレルは最初からわかってた。あいつは変な奴だからちゃんと分かってて、二人にずっと忠告してた。


 流石だよな。だからシグリもテレルといる時一番笑うんだよな。オリスだってそうだ。テレルといる時が一番素が溢れでる。


 だからオレ様もテレルを気に入るんだ。

 テレルの言うことなら聞けた。だって、あいつはバケモノのことを幸せにしてくれるから。オレはもう望んでいないが、バケモノ同士で与えられないものを、テレルは当然のように与えてくれるのだ。


 オレより強いシグリとオリスがテレルの前で気を許してんのを見るのが大好きだった。ずっとそれが続けば良いと思ってた。

 それを途絶えさせるくらいなら、オレの感情も、貴族の決まり事も、常識も、無くなっちまえと思ってた。




 でも結局は続かなかったんだ。それも全部、弱者の所為だった。


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