精霊さん奮闘記 2
精霊さん奮闘記・・・思ったより長くなりそう・・・何話まで行くのやら・・・
最初の部分少し変更、重力魔法について話を追加しました。
あれから、人間の子供と住むようになった・・・子供と言っても、年齢は15歳・・・一応成人の年齢らしい・・・・・・
・・・完全に子供だと思っていた・・・・というより、成人であれしか魔力は無いのか・・・
私は身体能力についても聞いてみた・・・魔物一匹、ゴブリンすら倒したことが無いと言う・・・ちなみに、武器は重くてもてない・・・・
・・・・赤ん坊は重くないのだろうか・・・?ふと見ると、赤ん坊が重力魔法を使って、自身の重さを無くしているのに気が付く・・・そこまでして引っ付きたいのだろうか・・・・私の方には全く近寄ってこないのに・・・
・・・っと嫉妬している場合じゃない・・・とにかく、こやつには生き延びる為に、魔法でも覚えようか・・・さすがに、これでは、いくらこの村で保護しているとはいえ、この森で過ごしていくのには心許ない・・・・大丈夫、時間をかけて訓練すれば、どんなに魔力が無い人でも、それなりに魔力は増えるから・・・・・・多分・・・・
とにかく、彼の魔法の適性を見なければ、私は的を準備して、彼にそこに魔法を打つように指示を出す・・・的自体、魔法でコーティングされている為、ちょっとやそっとでは壊れない様にしている・・・これを使えば、何度でも命中力の練習になるはずだ・・・
・・・・どうでもいいが、魔法を撃つのに赤ん坊は降ろさないのか・・・えっ、背中に引っ付いて離れない・・・引っ張っても服を掴んで離そうとしない・・・・?そうか・・・・・・・・・仲がいいんだな・・・・
「じゃあ、あの的に当ててみろ」
そう言うと、人間の子供・・・ムウが、魔力を練り込み始める・・・・うん?何だ・・・赤ん坊の魔力がムウに流れ込んでいる・・・?・・・・もしかして、これ・・・やばいんじゃ・・・・
そう思った瞬間、ムウが魔法を放った、その魔法はまっすぐ的に飛んでいき・・・・・・次の瞬間的を粉々にしていた・・・えっ・・・魔力でコーティングした的だったよね・・・・あんなに、簡単に壊れる物なんだなあ・・・
「はっ?!!」
放った本人まで驚いているよ!!だろうね!!ほとんど赤ん坊の魔力だけで魔法はなったからね・・・そうじゃなくて!!
「駄目だ!!これじゃあ練習にならん!!!魔力を乗せるのをやめんか!」
「へっ?」
「・・お主では無い、背負っておる赤ん坊に言っておる」
そう思わず言ってしまった・・・ムウに対し、先程の魔法について、赤ん坊が魔力をムウの魔法に纏わせた結果、あれだけの威力になった事を伝えた・・・
「はっきり言って、さっきの魔法のほぼその赤ん坊の魔力で放ったからな」
そう言い放ったが、ふと我に返る・・・自我が無い赤ん坊に言っても仕方が無いだろうに・・・人体錬成で生まれたとしても、普通の赤ん坊の様に成長をしていく・・・そのはずだ・・・
・・・だが、先程の魔力を乗せるタイミング・・・・私達の会話を聞き、魔法を的に放つ事を知っていなければ、行われないはず・・・・もしかして、もうあの子は自我があるのではないか・・・?
・・・次の魔法をムウに放った時、赤ん坊は魔力を乗せる事はせず、彼は自らの魔力だけで魔法を放った・・・結果、マッチと同じ位の火しか灯らなかったのは驚いたが・・・
・・話を聞いて、魔力を乗せるか、乗せないか判断するとは・・やはり・・・私の推論は・・・
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それから一週間、様子を見てみた・・・赤ん坊は本当にムウと言う人間にベッタリだった・・・それこそ、片時も離れなかったくないようだ・・・
一度、抱っこさせてくれと頼んでみた時があったが、私が抱っこしようとしたとき、あの子は泣き叫んで、ムウの服をぎっちり掴んで離さなかった・・・・
それどころか、私が触れそうになった時、一瞬魔力暴走の気配すら感じられた・・・私はフウの身体から、魔力が膨張するのを見て、この辺り一帯が吹き飛ぶことを覚悟した・・・だが、次の瞬間、ムウが赤ん坊の頭を撫でた時、その膨張は無くなり、魔力暴走の兆候すら無くなっていた・・・
その出来事に、驚きつつも、私が触れようとするだけで、魔力を暴走する程嫌がる赤ん坊を見て、私は、物凄く悲しかった・・・・
ムウの修行の方は、相変わらず、火の魔法はマッチの火しか出せず、水魔法は、ただの水たまりしか出来なかった・・・代わりに・・・・
「きゃっきゃ!!」
ムウの背中に引っ付きながら、火の玉を出して、遊んでいる、赤ん坊の姿があった・・・ご丁寧にムウに教えた、魔法の使い方をきちんとマスター・・・いや改良して魔法を使っている・・・・
どう考えても、自我がある・・・それこそ、魔法の使い方のレクチャーを言葉だけで理解できるくらいの知性がある位・・・・
『のう・・・聞こえているか・・・?』
私は意を決し、赤ん坊に念話を送ってみた・・・まあ、向こうが念話を使えるか・・・それは解らないが・・・
『・・・なあに・・・?妖精さん・・・?』
・・・あっさり、念話で返してきたな・・・結構、難しい分類の魔法なんだぞ・・・これ・・・精霊さんは、あの子供が、私の事をそう言っていたから、そう呼んでいるのか・・・・・お母さんって最初は呼んで欲しかった・・・
『いや・・・お主、話が出来るのか?」
『・・・・?そうだけど、それがどうかしたの?』
・・・いや、普通生まれたばかりで自我何て生まれないから・・・というより、言葉とかどうやって覚えた・・・物覚えが良いにしても早すぎるだろう!!!
とにかく、話が出来るのなら、色々聞かなくては・・・初めは・・・そう・・・
『・・・いや・・・・お主、ムウの事をどう思っている・・・』
あいつの事だ!もし、少しでも不満があるようなら、私が引き取って・・・
『お父様の事なの?大好き!!』
・・・・・解っていたさ・・・こう答えられる事位・・・だって今でも、念話しながらもぴったり引っ付いているんだもの・・・・
・・・ちょっと待て・・・お父様・・・?
『・・・何故・・・お父様って呼んでおるんじゃ!!』
『・・・?私を育ててくれている人で男の人だから、お父様なの!・・・』
『・・・お父さん呼びは、何とか許容しよう・・・様付けなんじゃ!!』
『・・・?尊敬しているからなの・・・尊敬している人に対し、様付けは可笑しく無いの!!』
・・・いやいやいや・・・子供・・・いや、赤ん坊の状態で、誰かを敬うとか普通は無いから!というより、自我発達しすぎじゃろう!!
『・・・・お父様呼びは、一般的では無い・・・街に出た時、ムウを変な目で見られたくないだろう・・・様付けはやめた方が良いぞ・・・』
『・・・・解ったの・・・きちんとした関係になってから呼ぶの!!』
・・・様付けをする・・・きちんとした関係って何なのだ・・・・・
・・・取り合えず落ち着こう・・・とにかく、少しでも、話をして、赤ん坊の気持ちを知らなければ・・・
『・・・何で、そんなに好きなんじゃ・・・』
とにかく、何故そんなに懐いているのか知らなければ・・・何で私には・・・触らせてもくれないの・・・
『・・・お父様は私を救ってくれたの・・・一人で泣いていた私が居たの・・・その時にもう私は、魔物を沢山殺してしまっていたの・・・だけど、お父様は・・・怖がらなくて・・・・ただただ、近づいてぎゅって力強く抱きかかえてくれたの・・・・』
・・・・・・・・・・・・・えっ、この子、もうこの森の魔物倒しているの・・・?確かに、あれだけの魔力を持っているから、魔物相手に隠れたり、転移したり、障壁を張って、対処出来るのではないかと思っていたけど・・・まさか、倒すなんて・・・
『・・・ちなみにどんな魔物だった・・・?』
『・・・?確か・・・熊とか虎みたいな、魔物だったの・・・・?』
ベアーキラーとキルタイガー・・・どちらも、この森で最上種の魔物だ・・・・今の私でも対応できる魔物だが、普通の人は、出会った瞬間、死ぬとされる魔物だ・・・
・・・・・・・・何て言えばいいのだろう・・・と言うより、殺したって言っていたよな・・・多分、この子の周りにそれらの死体があったんだよな・・・その死んでいる魔物達を見て、よく赤ん坊の所に行けたな・・・・
・・・ずっと迷っていて、誰にも会えずにいたから・・・寂しかったのか・・・?そうだろうな、私に会った瞬間号泣していたもんな・・・・だとしても、それらの死骸がある中、よく近づこうとしな!!その肝玉だけは驚愕するわ!!!
『・・・?話は終わりなの・・・』
『・・・ああ・・・・終わりだ・・・』
・・・・・・何だろう・・・あの2人につけ入る隙が無い・・・・・特に赤ん坊の方がもはやベッタリだ・・・・・・・・いいじゃないか・・・幸せそうだし・・・・第一、私自身赤ん坊を見た時育てられるか、自信が無かったんだ・・・彼なら赤ん坊を幸せにしてくれる・・・
・・・・・・・そう言えば、初めて会って、彼の感情を読みとった時に邪な欲望が見えたのだが、本当に大丈夫なのだろうか・・・?
もう少し、様子を見なければ・・・・
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「えっ名前を付ける・・?」
「そうじゃ、いつまでも、赤ん坊って言っておったら、この子がかわいそうじゃろう・・・」
私はムウにそう言った、この子が帰ってきて、一週間以上経ったが、名前を付けていない事に気が付いた・・・・
まあ、無事に帰って来た事で、他の事に気が回らなかったのだろう・・・本当は私が付けたいのだが・・・
『付けるなら、お父様からじゃないと嫌なの!』
と念話で言われている為、彼にお願いする事になった・・・変な名前にするなよな・・・
「俺がか・・・?」
「嫌なら、私が・・・」
そう言おうとすると、赤ん坊が私を睨んでくる・・・いや、すまん、きちんとお願いするから・・・
「お前が付けてくれ・・・頼む・・・」
「・・・名前ねえ・・・・」
それから、ムウはフウと言う名前を赤ん坊に付けた・・・名前の由来はと聞いたら、俺と名前の互換が似て、女の子らしい名前だったから・・・だって・・・そんな安直な名前で・・・ちょっと待て・・・今なんて言った・・・?
「・・・この子は女の子なのか・・・?」
「?そうだけど?それがどうかしたのか?」
膣とか子宮作った覚えが無いのだが・・・
「・・・どうやって調べたのじゃ・・・」
そうだ・・・こやつ、見るからに童貞臭い・・・女性の身体を直に見たことが無いのでは・・・
「そりゃあ、おしめを変えようと思って服を脱がした時に・・・そう言えば、この子、排泄一度もしないけど、大丈夫なのか?」
やっぱりそうだ・・・こやつは目でみただけで判断している・・・だったら、
「・・・・のう、女性の身体を直接見たことはあるか・・・」
「何だよそれ・・・そりゃあ、確かに見たことは無いけどさあ・・・」
よし!よし!!何だただの勘違いか・・・本当に良かった・・・まさか、私自身が意図した事が無い現象が起きる訳が無いよな!!
それにしても・・・排泄しないとな・・・身体の仕組みは、人間と基本的に同じにしているはず、お尻の穴や、膀胱は作っているはずなのだが・・・
『・・・お主・・・排泄しないのか・・・?』
念話でフウに聞いてみる・・・こういう時は本人に聞いてみるのが手っ取り早い!
『・・?よく解らないけど、お父様から貰ったもの出したくないから、全部栄養にしているの!!』
・・・・いや、出したくないから、全て栄養にするなんて出来るのか・・?
『・・・毒素とかもあると思うのだが・・・』
『・・・?お父様から貰ったものは全部栄養にするの!!』
『体の調子は大丈夫なのか・・・?』
『大丈夫なの!!』
・・・・何だか、私が作り出そうと思っていた者より、身体がかなり高性能になっているのだが・・・
・・・一応・・・膣や子宮についても聞いておこう・・・
『・・・・のう・・・お主の身体の中で、本来、おしっこする穴があると思うんじゃが、そこはどうなっておる・・・・』
『・・・・?穴が空いているの!』
『いや、おしっこの穴以外にあるか・・・』
『あるの!!お尻の穴の前に1つフウのおしっこの穴の近くに1つ!!』
・・・・・・・もしかして、本当に女の子になっている・・・?待て待て!!実際、そんな事あるのか!!本来作る予定が無かったものに対し、本当にどうなっている!!
「のう・・・ムウ・・・」
「何?」
「フウの服、脱がしてみてくれないか・・・?」
殆ど変態じみた発言にムウは首を傾げながらもフウの身体を見せてくれた・・・そこには・・・女性なら持っている・・・膣がそこにあった・・・・
(何で!!!???)




