表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奴隷が欲しいので赤ん坊を育てた  作者: ・・・・
出会い
7/118

魔の森で天啓を得る

魔の森で謎の魔物が大量死していた場所から離れ、しばらく赤ん坊を抱えながら歩いていると、俺はお腹が空いてきたのを感じた。


(…そりゃあ、さっき死地を乗り越えてきたんだからお腹もすくよな…)


そう思いながら、周囲を見渡すと木に果実がなっているのを発見した。


しかも、俺の知識が正しければこれは食べられる果実のはずだ!


(魔の森でも知っている果実があってよかった)


そう、魔の森での食料調達においても、おじさんに教えてもらったサバイバル術に助けてもらっていた。


…おじさんに食料の現地調達法を教えてもらっていなかったら、ここまで、魔物達から運よく逃げ延びていても餓死していただろう。


本当にありがとうおじさん!!


とにかく、俺は見つけた果実をとる為に、木に登ろうとした。


魔の森の中でも、この木は、比較的小さい為、俺でもなんとか登れるだろう。


…本当に、小さい木と大きな木の落差が激しすぎる。この森って本当に何なんだ?


(本当に謎だよな…この森って…)


ドラゴンは居るは、見た事がない大型の魔物は居るは…最早俺のキャパシティは限界を超えています!!


そんなことを考えていると、グーと俺のお腹が鳴った。


いけない…とにかく食料を手に入れないと…そう思いながら、俺は抱っこしている赤ん坊を見る。


(…そう言えば、この赤ん坊を抱っこしたままだと登れないよな?)


俺はそう思い、近くにあった蔦をナイフで切って、赤ん坊を背中に乗せ、蔦をひも代わりにして赤ん坊と俺に巻き付けて落ちない様にした。


そして、赤ん坊を背負ったまま木に登り果物を取って降りた。


(…?なんだか、すんなり、木に登れたなあ?)


いつもは、身体能力が低い為、普通サイズの木に登るのさえ、苦労していた。


しかし、今さっき木に登った時には何故かすんなり木に登れた。


しかも、いつもとは違って赤ん坊を背負った状態で…


(今日は調子が良かったのかな?)


そう思いつつ、俺がナイフを使い果物を食べる…


そして、少し腹が膨れたところで気づく…そうだ、赤ん坊にも食べさせてあげないと…って


(…あれ…そういえば…赤ん坊って何を食べるんだっけ?)


後ろの赤ん坊を見る…俺の事をじっと見ている…


赤ん坊に聞いたところで、自分が食べれるものを答えてくれるわけがない…


(…えっと…どうしよう…)


俺には、何かあった為に、持ってきていた非常食以外何も食べ物が無い!


後、食べられるものと言ったら、この森で採った物しか食べれる物しかないのだ!!


…俺は迷ったあげぐ手に持っていた果実を絞って与えてみた(注意:現実では粉ミルクを与えましょう)すると、赤ん坊がごくごくと飲んでいるのが解った…!


(飲んでいるみたいだし…当分これを与え続けてみるか…)


そうそこまで考えて、俺は…


(って、俺一人で赤ん坊の世話までするのかよ!!!)


という今更な事にここに至って気が付いた。


(というか赤ん坊を育てる事なんて俺に出来るのか!!!一人暮らしすら厳しいのに!!!)


そう、俺は宿屋に泊まるお金すら厳しい状況なのだ…それに、それ以前に…


(その前に俺は生きて街に帰れるのか!!!!!)


俺はまたしても心の中で絶叫した。


さっきまで、大型の魔物が大量の変死体で発見するという常軌を逸脱した光景を見ていた為、平常心を失っていた。


だが、いざ、冷静になって、現状を考えると、自分の事すら生きていけるか解らない状態に赤ん坊を背負っている今に頭を抱える。


(…街に戻れるのかなあ…戻っても、お金稼げるのかなあ…赤ん坊を背負って…)


一人で生きていけるかもわからない状況だが、最早俺に赤ん坊を放り出すと言う選択肢は無かった。


だって、現状、唯一自分と一緒に居てくれる人間なのだから…


(…というか、本当に久しぶりに人肌に触れたなあ…やばいまた涙が…)


俺は無意識に溢れ出る涙を拭いながら、必死に声を出さない様に気を付ける。


ここで大声で泣いてしまっては、魔物を引き寄せてしまう。


(…だけど、赤ん坊じゃあ、話せないよなあ。せめて喋れる人、人じゃなくてもこの際いいや!誰かあ…辛い…)


いつ死ぬか解らない極限状態の中、喋る相手が居ない状態が続く辛さ、寂しさ、悲しみ…様々な感情がごっちゃ混ぜになり、俺の中で渦巻いていた。


だが、今は一人では無い、俺のそばにはまだ喋ることは出来ないが赤ん坊が居るのだ。


出会ってまだ数時間だが、これまで一人でこの森を彷徨っていた俺にとって、既に唯一の心の拠り所になっていた。


それから俺は赤ん坊を抱きかかえながら、食料を調達しながらも進んでいく。


出口の方向は分からないが、とにかく動いて探さないと始まらない!


そう考え、ずっと俺は歩いている…まあ、今まで闇雲に動き回った所為で、森の更に奥まで進んでいるため…最早元の道に戻れる可能性は零なのだが…


(ぼやいていても、仕方がない!とにかく動き続けていれば、森だけでも抜けるかもしれないのだから!!)


そう!森さえ抜けてしまえば、例え街から遠かったとしても、凶暴な魔物達に追われる生活からは抜け出せるだろう!


そうだ!生きて続けていれば、いつか森を抜け出せる!そう信じるんだ!!


その信念をもとに、俺は歩き続けた…


そして…赤ん坊と出会って初めての夜…俺は草むらの中に隠れながらで寝る。


本来、魔物が闊歩するこの森で寝る事は自殺行為に等しい行動だ。


だから、俺が一人で魔の森に入って、迷っていた最初の方は魔物に襲われてもすぐに対応できる様に、出来るだけ寝ない様に頑張っていた。


睡眠時は一番無防備になる事をおじさんから教わっていたからだ。


だが、緊張の1日1日を過ごしていた、俺は2、3日で根を上げてしまった。


それに、これだけ極限状態の中眠らない何て不可能だ!


そう考え…俺は開き直った。


もう死んだら死んだでその時だと!!!


一応一番最初は近くに魔物が居たら音が鳴る罠を作ってたりしていた。


だが、こんな周りが化け物だらけの場所で近づかれた時点で積んでいる。


恐らく一瞬で狩り殺されるだろう。


だったら、無駄なあがきはせずにもう運に任せよう!!


と赤ん坊に会うまで今日まで、何も罠とかも準備せずに最近は無防備のまま、そのまま土の上に寝ている。


…良く今まで生きてたな俺…まあ今は、赤ん坊も居るから、一応、軽めの罠でも作っておこう。


多分ここに居る魔物には通用しないけど…


そして、次の日…


(今日も俺は無事生き残った!!)


心の中で俺は叫んだ!


本当にここまで死なずに生き残るとは運が良いよな!!


…いや!この場所に居るだけで運が悪いよな…


本当に何でこうなったのやら…


俺は、少しでも癒される為に、赤ん坊の方を見た。


うん!相変わらず、癒される寝顔だ。


その時にふと…


(そういえば赤ん坊は排泄物大丈夫だろうか?)


そう思った俺は、赤ん坊の服を脱がせて確認をした。


うん、排泄物は無いみたいだ。


そして、下の物も確認した。


…女の子みたいだ。それを確認した時俺に電流が走った!!


(今からこの赤ん坊を教育すれば思い通りの奴隷に出来るんじゃね!!)


そう、俺の当初の目的は奴隷を買ってハーレムを作る事だった!!


だが奴隷を買うのは高い!!


だったら赤ん坊を一から育てれば俺専用の奴隷が作れるのではないのか!!!そう考えた瞬間…


(…その前に生きて帰れるのか解んないのに、何考えてるんだ俺…)


俺は数分前の思考を忘れ、赤ん坊に服を着させて更に歩いた。


本当に俺、生きて帰れるのだろうか…?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ