引っ越し2
あの後、俺の家族には、何とかこの家の生活に慣れていってもらった・・・いまだにおっかなびっくりだけど、風呂にも入るようになったし、泣きながらだが、料理も食うようになってくれた・・・
ベッドは家族全員分、買ってきているのだが、未だに床で寝ているけど、何とか住んでもらっている・・・そんな生活を続けて、両親が来てから1カ月後・・・・何か偉そうな人が来た・・・
何でも、その偉そうな人は、王都の反乱軍を抑える為に力を貸せと言ってきた・・・かなり上からの口調で・・・
俺は平民だからしょうがないと思ったのだが、それを聞いた、フウと奴隷達5人が猛反発・・・・気づいたら、偉そうな人とその周りの兵士は捨て台詞を吐いて逃げて行った・・・・
おい!どうすんだよこれ!!!
「あの程度の雑魚、どうってことないです!!」
いや、何か王都からの使徒とか言ってたんだけど、これって反逆の意思に捕らえられてない?
そんな思いを抱きつつ、過ごしていると・・・次は、反乱軍が来ました・・・・俺は人間同士の争いに興味が無いので帰ってもらいました・・・結構反乱軍の人の方が礼儀正しかったな・・・この前の王都の使徒とは大違いだ・・・・
・・・その次は、フォールの領主がやって来た・・・これもまた、偉そうな言葉で・・・野蛮な王都に正義の鉄槌を落とす為に反乱を起こすから手を貸せ?・・・フウ達が王都の使徒達と同じ様に追い返しました・・・
・・・・・3回・・・・・3回だよ・・・・こんな風な誘いというか脅迫が3回・・・
「もう・・・嫌だ・・・・」
もう、こんなのが、何回も来るなんて、俺何かした?・・・こんなのが、また来るとしたら、俺・・・この街に住んで行ける自信がない・・・そう思っていると・・・・
「でしたら、住む場所?変えます?」
そんな事をフウが言ってきた・・・・・・・どうやって?
「家と庭ごと転移すればいいんですよ!!!」
・・・・・・・・・・・・・まじ?この家俺達の実家と比べ物にならない位大きいけど・・・
「このくらいどうってことありません!!!」
・・・・・・・・・・まじか・・・・だけど、移動場所が・・・
「いくつか候補があるので、言ってくれればすぐ移動できます!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょっとみんなと話し合ってくる・・・・
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話し合いの結果、奴隷達5人は
「「「「「主様のお言葉のままに!!!」」」」」
と言われ、俺の家族たちも1カ月の間に3回も使者が来るこの状況に嫌気がさして了承を得た・・・・
家族全員今、死んだ目をしている位だしな・・・・・・使者関係なしに・・・家での生活で疲弊している訳では無いよな?・・・・
そんな事を考えながら、フウにお願いする・・・
「という訳でお願いする・・・・場所は」
「解りました!!!」
場所はどうする?と聞こうとした瞬間窓の外が光った・・・・・
・・・・・・なあ、フウ・・・もう少し話を聞いて下さい!!
もう、文句を言っても仕方が無いと思い、フウを背負いながら外に出てみると、外は、完全に別世界であった・・・岩肌が遠くに見える、山脈の中に家が転移されていた・・・空は青く・・・ドラゴンが近くを飛んでいる・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・あっ死んだなこれ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
周りを見渡す・・・窓が光ったのを見て、家族を含め、転移したのに気付いたのだろう・・・みんな揃っているが全員口を大きく開けていた・・・父さん顎外れるよ・・・・・
そんな事を思っていると・・・・
「「「「「「「「「「「お帰りなさいませ!!!!竜王様!!!!!!!」」」」」」」」」」」
とその場に居たドラゴンが全員ひれ伏していた・・・飛んでいたドラゴンも、慌てて、地上に降り、ひれ伏し始めた・・・・
ひれ伏していたとしてもその大きさから全然ひれ伏しているように見えないけど・・・・
・・・・何で?ドラゴンが、ひれ伏しているの?その前にドラゴンって喋れるもんなの?!そんな事を思っていると・・・・・
「お父様、ここはどうです?ドラゴンが使えて便利ですけど」
・・・とフウ・・・・・
「・・・なあ、竜王って・・・・」
「何かそんな風に呼ばれるようになっちゃいました♪」
なっちゃいましたって・・・・・何で!!そうなるんだよう!!
俺は何とか、心を落ち着かせて、フウに何でこんな風になったのか聞いた所・・・最近、日中帯に世界を回っていて(この数カ月訓練中ゴーレムだけ動いていて、フウがいなかったのそれか!!)、その時に、ドラゴンの集落を見つけたらしく・・・色々言ってきた後、向こうから襲い掛かってきて、しょうがないから、全部のドラゴンを倒したら、竜王と言われていたらしい・・・・・・・・・・
・・・・本当にどうして!どうしてそうなった!!!
「それより、お父様、ここはどうです?」
それよりッてお前・・・・・とにかくここは・・・
「却下だ・・・」
だって、フウと俺以外、全員がドラゴンを見て、未だに固まって動いていないんだぜ・・・こんな所で生活なんてできるか!!!
「一応、ドラゴン達には絶対にお父様達を攻撃しない様に指示しているけど・・・」
「無理だから・・・」
俺達の家族何て白目向いてるから・・・他の5人の奴隷達もすげー震えているから・・・ドラゴンに相対するだけで普通の人は、無理だから・・・俺は魔の森で耐性出来ちゃったけど・・・
「解りました・・・お前達、私達は別な所に住まいを構える!!!」
「そんな!!」
「何でもします荷物運びでも何でも!!!」
「奴隷の様に扱っても構いませんからお願いします!!!」
うわーーードラゴンの下手って初めて見た・・・というよりここのドラゴン何で喋れるんだ?ドラゴンがいたインパクトが強くて、全然気にしてなかった・・・
「それは、古代竜だからです・・・」
そう思っていると、フウが言ってきた・・・・・そうか、古代竜か・・・あの神話の・・・・・・・・・・・・・・・まじ・・・?
「それじゃあ、次の候補地に行きます!!」
「ちょっと・・・ま・・・」
今度はもう少しましな所にしてくれ・・そう言おうとしたが、その前に俺達は光に包まれた・・・
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気付いたら、今度は森の中に居た・・・・
・・・・何かポンポン転移しているけど・・・そんな簡単な魔法だっけ?これ・・・
精霊さん自分、転移するだけでもそれなりに魔力使うって言ってたし、こんな物量を一気に使って魔力を使って大丈夫なのか?
そう思いながら、森を見渡すとエルフが居た・・・・大勢・・・後ろには村らしきものが見える・・・・・・・・・・・・・・
「「「「「「「「「「救世主様!!!お帰りなさい!!!!!」」」」」」」」」」
・・・おい、フウ今度は何をした?何?奴隷商の団体を襲撃して仲間を助けようとしていたエルフが居たから手伝った?・・・その後、送っていった時にも村が襲われていたので、ついでに助けたと・・・・・・・・・・・・・・お前、俺が居ない時になにしてんの?
というより・・・・
「そんなに頻繁に襲われるんだったら・・・ここ安全じゃ無くね?」
そう言うと、フウがあっていう顔をした・・・・おい・・・俺達逃げてるんだよな?さっきから安全とは程遠い場所に来ているんだけど・・・・・
「・・・そうですね・・解りました・・場所を変えます・・・・ついでにエルフ達を連れて行きます?」
えっと思うとフウが耳打ち・・・
「エルフ達凄いきれいと思ってますよね?一緒に移動すればエルフ達も安全だし・・・何より多分私がお願いすれば好きに出来ますよ・・・」
そう言ってくる・・・・・そうだよな・・・一緒に来てもらった方がエルフ達も安全だよな・・・・エルフ達も俺達がこの村に滞在しないと聞いて・・・落ち込んでいるし・・・・
「一緒に来るか?」
とりあえず聞いてみる・・・エルフ達がバッと顔を上げる・・・
「いいんですか?」
「フウが良いっていいってるからいいんじゃないか?なあ、フウ」
そう言ってフウの頭を撫でる・・
「はい!!!」
「「「「「「「「「「お願いします!!!」」」」」」」」」
お願いされました・・・、そう言った瞬間エルフの村ごと光っていく・・・また、このパターン?
次の場所は瓦礫に囲まれた場所だった・・どうみても廃墟ですありがとうございました・・おい!普通の街とかに行かないのか?
「もう、国のごたごためんどくさい・・・お父様もそうじゃないんですか?」
それは、確かに、俺もそう思っているんだが・・・何でこうも極端なんだよ!!!
「人はエルフ達が居るから大丈夫・・・物品も近くに森や鉱山と言った資源があります・・・」
「だけど、必要な物とか・・・」
「私が作るから大丈夫!!!」
・・・・まじですか・・・・そう言えばこいつマジックアイテムも手作りで作ったんだった!!!!
・・・・・・・・・・・とにかくさっきからフリーズしている8人を起こそう・・・エルフ達は・・・フウが命令したら速攻で動き出した・・・・すげーなあの適応力・・・・・・・・・・
それからしばらく周りの瓦礫を撤去する作業が続いた・・・・奴隷達とエルフ達が・・・毎回思うんだけど・・・俺居る?




